Genius Within - The Inner Life of Glenn Gould2011/12/03 22:23

 ジョージを見に行った映画館で、グレン・グールドのドキュメンタリー映画のパンフレットを見つけたので、観賞することにした。原題は、[Genius Within - The Inner Life of Glenn Gould] 邦題は「グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独」…邦題の後半はちょっとセンスがないかな。
 私は基本的に映画を見つけないので、単館上映系とか、マイナーな芸術映画などにも無縁。そういう訳で、グールドを見るために渋谷のアップリンクに行くにも色々まごついてしまった。

映画『グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独』

 まず断っておくが、私はグールドのファンではない。多分。特にグールドが好きだというわけではないし、グールドを熱く語る気もない。そもそもクラシックにだってあまり興味がない…が、グールドは凄まじいのだ。べらぼうに凄まじいのだ。「悪魔的」というのは、こういうことではないだろうか。
 あの凄まじい演奏を一度耳にすると、「ああ、そういう演奏もあるよね」で流すことができない。何か悪いものでも見てしまったかのように脳に焼き付き、記憶に絡みつくのだ。グールドのバッハなんて買って聴いたところで、何の参考にもならないが、どうしても彼の演奏以上に魅惑的で凄まじい力を持つものを想像できない。
 私が惹かれる(「好きな」とは言いたくない)グールドは、ライブ演奏活動をしていた若い頃だろうか。…美男子だしね。あれこれ言っておいて、そのポイントも重要であることは、認めざるを得ない。役者にグールドを演じさせるなら、最近お馴染みのベネディクト・カンバーバッチが良い。

 さて、映画。グールド自身のコメントや、演奏、さらに数少ない親しかった人々のインタビューで、グールドの人生が語られる。108分で彼の生涯を追うのだが、一番よかったのは、少年時代から、生涯の友人だったジョン・ロバーツの話。ロバーツの結婚式での写真に吹いてしまった。新郎新婦がにこやかに笑う背後で、所在なげに、そしてひどく寂しく、不満そうな顔をして、やや首をかしげているグールドが…「そういう映画」の「そういう人」にしか見えなかった。
 とは言え、グールドはストレートで、彼と恋愛関係にあった女性の存在がいくらかクローズアップされていたが、その下りはやや退屈だった。私のグールド観が「人間」ではないためだろうか。圧倒的な存在である彼の演奏に比べて、弱いのかも知れない。
 やはり、若き、美しきグールドがニューヨークにやってきて、あの圧倒的な「ゴールドベルグ変奏曲」を録音した頃、ソ連で旋風を起こし、アシュケナージを驚倒させ、バーンスタインを当惑させた時期が良い。グールドがライブ演奏会をやめてからの録音も聴くには良いが、やはり若さが持つ一種の狂気のようなものが光る。

 グールド研究家が、
「調べてゆくと、グールドに関する伝説の多くが作り話であることが分かる」
と言うので、なるほどそうか、鵜呑みにしてはいけないのかと思っていると…
「しかし、病気を極端に恐れたことは本当だ」
 …えっ?!え、それは本当なんだ!グールドの奇行伝説のメインではないか。真夏なのにコート、手袋、帽子。異常な量の薬服用。健康的な生活を「科学的ではない」と拒否。病原菌が怖いから死の床にある母を見舞いもせず…後悔する。困った人だ。
 そして、突如50歳と1日で脳卒中で倒れ、亡くなる。

 映画の前半は生き生きとしたグールドを活写しているが、後半になると、どんどん偏執的になり、映画のテンポも悪くなる。コートに帽子を被ったグールド役の役者が出てきて引っ張ろうとするが、やや長く感じてしまった。
 この映画の主題が、関わりのあった人々の証言でグールドの「人生」を描くことなので、あの凄まじい演奏を堪能しようとすると、やや物足りない。エンディングの曲の選択も疑問。
 それでも、デビューした頃の、圧倒的な天才ピアニストで、美男子で、写真の被写体としても素晴らしいグレン・グールドを味わうには、良い映画だった。

GH:LITMW (4回目)2011/12/06 21:28

 ジョージ映画「ジョージ・ハリスン:リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」は当初2週間の限定上映だったが、幾つかのスクリーンでは上映延長、ほかにも上映決定の場所もあり、嬉しい限りだ。私も4回観賞し、あと何回か見るつもり。
 DVD, BRもすぐ出るからスクリーンは省いている方々も、ぜひ見に行って欲しい。超美男子のジョージが大写しになるし、フィル・スペクター・サウンドの名曲の数々を大音響で聞ける機会は逃さない方が良い。

 今回は、映画における音楽の話。相変わらずネタバレなので、これからの鑑賞を楽しみにしている皆さんは読み飛ばしていただきたい。



 映画における音楽の使い方だが、さすがにスコセッシ作品なだけに大方満足だ。
 ただし、演出上のことではあるが、曲の途中でブツっと切る手法は、私はあまり好きではない。冒頭の "All Things Must Pass" はその点が残念。途中で切らずにドドーっと聴かせても良かったかな。
 ジョージの作曲デビュー曲の "Don't Bother Me" がたっぷり聴けたのが嬉しかった。私はこの曲が意外と好きだ。"While my guitar gently weeps" や、"Here comes the sun" は当然のたっぷり表現だったが、"Savoy Truffle" がしっかり使われていたのは、嬉しかった。しかも、曲の題材になった人の登場(EC)とともに。

 この映画の音楽で一番の聞き所は、なんと言ってもアルバム [All Things Must Pass] の一連の名曲の数々。ビートルズ解散の瞬間、満を持して響き渡る "What Is Life" の格好良さときたら、抜群だ。「コンサート・フォー・バングラデュ」や、「コンサート・フォー・ジョージ」では演奏されなかったが、私は大好きな曲なので、スコセッシとの趣味の一致が嬉しい。
 さらに、"Wah-Wah"。ジョージは当初気に入らず、エリックにくれてやるだなんて言っていたのだがから、本人ほど当てにならない評論家はいない。
 私が [All Things Must Pass] を最初に聴いたとき、一番気に入った曲は、"Awaiting on Your All" だったので、この曲も大きくフィーチャーされていたのには涙が出そうだった。あの入り方は格好良い。
 ジョージの曲の中で、一番好きな曲を一曲だけ選べと言われれば、"Isn't It A Pity" なのだが、この曲の使われ方も味わい深かった。エリック・クラプトンとの愛情と修羅の狭間にある悲しみを表した曲として、胸に突き刺さる。オリジナルの壮大な雰囲気は採用されなかったが、フルレンクスで聞けないのであれば、これでも良いと思う。
 そして、この映画の中で一番格好良いと思った瞬間は、バングラデシュでの "Wah-Wah" だ。"Isn't It A Pity" の切ない悲しみの余韻が残る中、スクリーンにはバングラデシュ独立戦争における痛ましく、悲惨な遺体。CFBの Wah-Wah" の大音響。そして次の瞬間、この世で一番格好良い男の一瞬の表情 ― 緊張と、決意と、大きな愛情と強さに満ちたジョージ・ハリスンの姿が大写しになる…!
 80年代以降に盛んになる、どんなチャリティ・コンサートの舞台上にも見られない、本気と凄みが迸るCFB。この一瞬のあまりの格好良さに、鳥肌が立った。

 私はダークホース時代のジョージも大好きだし、ウィルベリーズの良さたるや何日でも語ることが出来るが、この映画に関しては、[All Things Must Pass] が圧倒的に良かった。迫力という点で、勝っていたのだろう。
 無論、それ以降の曲の使い方も良かった。でも、映画を見た後、私は[All Things Must Pass] のヘヴィ・ローテーションになっている。

Isle of Wight Festival2011/12/09 23:28

 今週入ってきた大ニュース。トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズが、来年2012年のワイト島フェスティバルに出演決定!



 TP&HBはいつも、突然凄いニュースをドカン!とかましてくれるが、今回も同様。あのワイト島に、ハートブレイカーズ参上!これは凄い。TP&HBは6月22日のメインステージのヘッドライナーを務める。もしや、TP&HBが英国で演奏するのは、CFG以来ではないだろうか。ヨーロッパツアー以来とすれば、20年ぶり?



 とりあえずの告知ということで、去年の映像に "American Girl"。ええ…なんだか…ダイブしている人が居るのだが…まぁいいか。夏だし。

 やはり2012年はUKの年なのだろうか。オリンピックは、7月末から8月まで。
 こちらは、去年のワイト島フェスティバルのハイライト。凄い人だ…後ろの方の人って何をしているのだろうか。


 6月とは言え、夜ともなると寒いのだろうか。ジェフ・ベックとか、妙に厚着。観客達はほぼ裸。熱い…

 さすがにワイト島に遠征というのは無理。もともと野外ロックフェスが苦手なので。気になるのは、TP&HBがワイト島のみで済むのかということだ。チャーター機でどーんとワイト島に来て、ババーン!とプレイして、またチャーター機で家に帰るのか?それとも大西洋を越えたついでに、20年ぶりのヨーロッパツアーに入るのか?
 ロンドンでライブとなれば、見に行きたい。ロンドンに行ったのはずいぶん昔だし、BBCにも行きたい。ガーキンも見たい。観覧車にも乗りたいぞ…

GH:LITMW (5回目)- ディケンズのこと2011/12/12 22:23

 ジョージの映画「ジョージ・ハリスン:リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」を観賞、5回目。これで有楽町は3回目となった。前回まで見られた、エンドクレジットで音声が切れる現象が解消していた。
 同じ映画をこの短期間に、スクリーンで5回観賞となると、さすがにちょっとおかしいのではないかと思い始めたが、やはり気のせいだ。超美男子のジョージが、巨大スクリーンに大写しになり、ジョージの名曲の数々を観賞し放題なのだから、何度でも見たくなる。当然だ。
 いくつかの映画館では、まだ上映しているし、年明けの上映もあるようだ。DVDも良いが、是非とも大きな画面と音で楽しんで欲しい。

 さて、最初に映画を見たときから気になっていたことがある。ディケンズのことだ。

 ジョージとポールは同じ中学校の出身だというのは有名な話。よく「リヴァプール・インスティチュート」と呼ばれるが、正式にはLiverpool Institute High School For Boys ― 基本的に、小学校を卒業した、11歳から18歳の少年達のための学校だ。ジョージが中退したことは知っているが、ポールはどうなのだろうか。私の認識では彼もハンブルグ行きを機に中退したと思っているのだが。
 ともあれ、ポールによれば、この学校は古い伝統があり、まさに「ディケンズの世界のような場所だった」と言うのだ。

 チャールズ・ディケンズ(1812-1870)。ヴィクトリア時代に活躍した、英国の国民的作家である。
 私は別に特に彼に興味があるわけではない。ただ、子供の頃、「デイヴィッド・コパフィールド」を読んで、それが印象的だった。色々、期待を裏切られたからだ。デイヴィッドが可愛いだけで超役立たずな女と結婚したときには、心底憤慨したし(そりゃ、アグネスの方が良いに決まってるでしょ!第一、アグネスだって十分綺麗なんだぞ!)…もっと憤慨したのが、デイヴィッドの友人ジェイムズ・スティアフォースの扱いだった。良きお兄さん親友キャラだと思ったのに!…それはともかく。
 「オリヴァー・ツイスト」や、「クリスマス・キャロル」、「二都物語」などが有名なディケンズの作品には、貧困に喘ぐ労働者階級の子供達や、虐待が常態化している学校が登場する。ポールが言いたいのは、そういう色々大変で古風な学校という意味のようだ。

 さらにポールが言うには、リヴァプール・インスティテュートで、「実際にディケンズが教えたこともある」とのこと。ここでポールが英語でどう言っているのかは改めて確認する必要があるが、ともあれ日本語字幕はそうなっていた。
 私はここで、はてと思った。ディケンズは教師をしていたことがあるのだろうか?ディケンズは苦労続きだった少年時代を経て、法律事務所の事務員、速記者、そしてジャーナリスト、人気作家となるのだが、その間教師をしていたことはない。
 調べてみると、正確には、ディケンズはリヴァプール・インスティチュートで教えていたのではなく、講演をしたことがあるのだ。
 1838年発表の「オリヴァー・ツイスト」以来、人気作家となったディケンズは、自分の経験や、時流のせいもあって、貧民に対する慈善事業や、職業学校創設への取り組みに熱心だった。チャタムや、バーミンガム、レディングなどの職業学校創設への貢献とともに、リヴァプール・メカニックス・インスティテューションの運営資金集めの講演にも協力している。このリヴァプール・メカニックス・インスティテューションこそが、ジョージとポールの母校であるリヴァプール・インスティチュートのことだ。
 ディケンズが実際にこのリヴァプール・メカニックス・インスティテューションにおいて講演をしたのは、1844年2月のこと。彼はこう述べている…が、ディケンズの言葉を翻訳するのは勇気が要るので、原語のままにしておく。

"Every man who has felt the advantages of, or has received improvement in, this place, carries its benefits into the society in which he moves, and puts them out at compound interest, and what the blessed sum may be at last, no man can tell"

 ディケンズは職業学校において技術と知識を身につけた少年達が、社会に貢献し、自立することを奨励している。彼の健全な夢は、その後たくさんの実を結んだことだろう。
 その一方で、彼が寄与した学校をサボってばかりで、しかも中退してしまうような不良少年が、その世紀の文化を一変させてしまうような凄いことをしでかそうとは、さすがのディケンズも想像できなかったに違いない。

TP&HB 2012 North American and European Tour2011/12/16 22:12

 とうとう来年、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズが大規模なツアーを行うことが発表された。ワイト島に出る以上、ヨーロッパは回るんだろうなと思っていたが、現実にアナウンスされると、ドキドキする。
 私はもっぱらロンドンに行きたくて、ロンドンでのライブを期待していたのだが、無い。オリンピックの影響で会場が取れないのだろうか?かと言ってさすがにワイト島はきつい。
 となると、アイルランドのダブリンか。一応私もアイリッシュ・ホイッスラーの端くれ。ダブリンには一度くらい行きたいと思っていたが。それでもロンドンへはどうしても行きたいので、面倒だが二都市を巡るべきなのか。
 それとも、ロンドン公演はこれからアナウンスされるのか?北米にしても10公演だけで済むとも思えないし…ちょっと悩む。さらに、Travel Pakage なるものがあるそうで、これなら、いつも海外遠征の悩みの種である移動手段と宿泊場所がすんなり解決するのだろうか。プレミアムチケットというのは、前売りチケットは別なのか?…どうも詳細がよく分からない。前売りの発売日も迫っているというのに。

 TP&HB の欧州ツアーは1992年以来20年ぶりということになっているが、実際には、1999年にも小さなツアーは行っている(ハンブルグとロンドンあわせて3公演)。ともあれ、久しぶりにTP&HBがやってくるヨーロッパが羨ましい。

20年前の大規模ツアーは、[Into the Great Wide Open] の時だった。動画を探してみると、ドイツのエッセンでの映像がたくさん上がっている。なかなか綺麗に撮れている。



 ハウイも揃っている "Free Fallin'" 。なんと言っても、みんな若い。トムさんもマイクも本当に細い。曲の最後に、トムさんがマイクのところに来て、マイクがニコっと笑うのがお約束のようだ。
 "Thank you!" の後に、"Danke schön !" おお、トムさんがドイツ語を話している!そして、「我が良き友、マイク・キャンベル」を紹介。マイク、可愛くて格好良いな。
 このドイツでの公演が3月で、4月にはロンドンへ。この年のヨーロッパツアーはロンドンで最後だったのだが、この時にジョージがマイクに声を掛け、ジョージ最後のライブとなったロイヤル・アルバート・ホールに参加することになる。
 ジョージも元気だった頃だと思うと、この20年間に本当に色々なことがあったんだと、感慨もひとしおだ。そして、かわりなくトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズが活躍し続けてくれているということに、改めて感謝している。
 さて、次のビッグニュースは、新譜だろうか?

GH:LITMW (6回目)2011/12/22 22:36

 6回目というのは、映画館のスクリーンで見た回数。もうすぐBRが届きそうな気配だが、まだもう一回見る気でいる。
 6回目は、吉祥寺のバウスシアターで見た。ここの一番小さなスクリーンで席数も少ないのだが、バウス初日とあって、席はかなり埋まっていた。先着順のフォトカードも無事ゲット。
 バウスで驚いたのは、エンディングが短かったこと。最後の曲が終わった後、フライアー・パークで録音したと思われる鳥の囀りが、素敵な余韻を残すはずが、なんと曲が終わると共に、エンドクレジットも終わってしまったのだ。要するに、クレジットを流す速度が微妙に速かったと言うことになる。
 有楽町では最後に音声が途切れるという凄い事が起こり、その後直ったのだが、バウスでの「短縮」には驚いてしまった。せっかちな人はそれで良いのだろうが、この映画は余韻を十分味わえるほどの深さがあるはず。さすがにこの処置はいただけない。

 さて、そろそろ届きそうなBR, DVDの話。当然、届いたら最初にスペシャル・フィーチャー映像を見ることになるだろう。ジェフ・リンも楽しみだが、デイモン・ヒルも見ものだ。
 私がF1好き・デイモンが好きなので、このブログには頻繁に登場する。彼はジョージととても仲良くしていた。
 ジョージのサイケデリック・ペイント・ミニ・クーパーが再現されたとき、お披露目運転をしたのは、デイモン。ちなみに、助手席に乗っているのはリンゴ。



 動画で面白かったのは、1994年オーストラリアGP。この年の最終戦、ミハエル・シューマッハはコースアウトし、結果年間チャンピオンを争っていたデイモン・ヒルのコースをふさぎ、接触したデイモンもろともリタイアとなった。そしてシューマッハ自身最初のワールド・チャンピオンになった。
 このレース後、デイモンが記者に囲まれている。すると画面の外から、どこかで聴いたような声が…?!



「シューマッハのアレについてはどう思う?ドイツ人のスポーツマンシップってどうよ?!」

 苦笑いのデイモン。まぁ、デイモン贔屓のジョージとしては、言いたくもなるだろう。
 などと私は書いているが、実はこの年のこの事件を私は見ていない。この1994年のF1 GP自体を、ほとんど見ていないのだ。5月にアイルトン・セナが死んだショックで、残りのレースを全く見ていない。翌年から、狂ったようにデイモンを応援していた。
 おそらく、ジョージにとってセナは好きなドライバーだっただろう。彼が死んだとき、ジョージはどう思ったのだろうか。

GH:LITMW(7回目)/右京さんっ!2011/12/26 20:13

 映画館でのジョージ映画鑑賞、7回目。さすがに長く感じるようになった。ただし、前半のみ。後半は相変わらず短く感じる。

 さて、いよいよ映画のDVD/BRボックスが到着。高いシロモノだが、内容がなかなか充実しているので、日本版としては妥当な金額かもしれない。ジョージのポートレートを色々なバージョンに変えることが出来るのが嬉しい。マイクに手を置く髭ジョージもなかなか格好良い。今は、皮ジャンジョージで飾っている。

 ディスクは特典映像から早速観賞。
 ポールの「土蜘蛛エピソード」が面白かった。かなり笑えるけど、あの映画のどこに挿入するのかと言うと、確かに困る。
 ジェフ・リンはなんだか幸せオーラが出過ぎて浮いている。ジョージの「もっと寄って」が普通すぎる。ジョージって、本当に接近癖があるからね。

 F1ファンの私にとっては、やはりデイモン・ヒルが良かった。窓の外は雪!とても素敵なロケーションのインタビュー。本編に使われていないのはもったいない!しかも、このF1の下りで、トムさんの写真が登場。意外な出番で嬉しい。
 前の記事で上げた1994年オーストラリアGPでの動画は、どうやらこの映画のボートラをYouTubeにあげたものだったらしい。なるほど。
 デイモンがジョージに援助をお願いした話は有名だが、その後サーキットを傍若無人に駆け回る…いや、撮り回るジョージが凄い。
「ゲルハルトはどこぉ~?」
…ジョージ、ジョージ、大丈夫ですか?まぁ、ベルガー君はF1レーサーの中では気さくな方だからね。しかし、気むずかしいセナやプロストにまでこれやってたら凄いな。やっぱり、ベルガーくん、一言指導してやってください。



 一番笑ったのは、ジョージがしっかり片山右京さんをズームアップしていたことだった。6月14日の記事 Fasterでも言及したが、右京さんはセレブに疎く、ジョージが来ていてもそれと気付かなかった。しかし、ジョージはしっかり右京さんにロックオン!
 右京さ~ん!頼みますよ!幸せ者だなぁ。この事実、誰か右京さんに伝えてあげて下さい。

WiMax Wi-Fi にしてみた2011/12/29 22:24

 普段、プライベートで使っているパソコンのインターネット環境は、ADSLである。かなり遅い。困るのは動画だ。せいぜい5分程度のライブ映像を見るために、待ち時間が同じくらいかかったりする。大好きなUKコメディの先取り動画20分を見るために、お風呂にゆっくり入り、上がって髪を乾かし終えるほどの待ち時間を必要とすることすらある。
しかも回線がしょっちゅう切れる。特に、夜10時過ぎによく切れる。このブログのアップ間隔が変に空いたとしたら、それはADSL回線の不調によるものだ。
 光に比べて古いタイプの手段であるADSLである以上、この遅さと不安定さは致し方ないのかと思ったら、どうやらそうでもないらしい。同じくADSLを使用している人に話を聞くと、切れることもなければ、動画を見るのにそれほど待たされることもないとのこと。どうやら私のADSL回線は、基地局との関係もあってか、劣悪だったらしいことが最近判明した。

 いまどき、そんなインターネット環境でいるのは我慢ならない。どうにかしたいのだが、光となると、あれこれ面倒臭そうだし、周囲の人間の意見も聞かねばならない。私は私のネット環境さえ改善されれば良いのだ。
 そこで考えたのが、Wi-Fi。そもそも、このモバイル・ルーターを用いた高速通信システムは、持ち歩く端末向けのものであって、私のように自宅の据え置きパソコン用ではない。しかし、接続も手続きも簡単そうだし、そもそも早そう。今のADSLよりは良いのではないか。プロバイダーのサービスで、初期投資費用もただなので、物は試しでやってみることにした。

 今年、PCを買い換え、ThinkPadとは別れた時も同じように思ったのだが ― どうしてもっと早くこうしなかったのだろうか。通信速度は格段に速くなり、今までの「待ち+動画鑑賞」の常識が簡単に覆されてしまった。

 そのような訳で、ひゃっほーい、動画見放題!…で、取り合えず大好きなUKコメディ、[The IT Crowd] から、「今時の救急サービス」。

階段から落ちたらどうする?!

 「999はもう古い!こちらにお電話下されば、格好良いスタッフと、素敵な車が駆けつけます!電話番号は、♪0118 999 881 999 119 725~3♪」
 異常に長い救急電話番号。でもIT課のモスは、歌ですぐに覚えました!(このモスを演じるのは、リチャード・アヨアーデ。例によってケンブリッジ大学出身である)

 しかし、本当に火事が起きて(原因はMade in Britain の消化器)掛けてみると…

「ぼく、どこの国にかけてるの?」

 仕方が無いので、メールで連絡することに。最初はちょっと格式張った感じで。次に、もっと臨場感溢れるメールで。「火事だぁ、びっくりマーク!助けて、びっくりマーク!カムデン通り123。モス」
 これで本当に消防隊が駆けつけるのだから、大英帝国恐るべし。きっとネット回線も速いんだろうね。