It's the same sad Echo

　ジュールズ・ホランド＆ヒズ・リズム＆ブルース・オーケストラ＆フレンズ，2001年のアルバム [ Small World big Band ] は、何と言っても、ジョージが亡くなる58日前の歌声が収録されていることで、話題になった。
　スタジオに来たジョージはさすがに具合が悪そうで、ジュールズ・ホランドは、本当にレコーディングなんてして良いのか、オリヴィアに確認したと言う。



　このとき、ジョージが録音した曲"Horse to the Water" を、コンサート・フォー・ジョージで熱唱したのが、サム・ブラウンである。
　私が彼女を最初に認識したのは、このCFGでの姿だ。物凄い衣装で、圧倒的な歌唱力、弾けるような笑顔。一瞬で彼女が好きになってしまった。
　ジョージの親友（の、一人）であるジョー・ブラウン（CFGで、鑑賞者全員を泣かせた彼）と、やはり歌手のヴィッキー・ブラウンの娘。兄もミュージシャンだ。80年代には、かなりヒットしたアルバムも出している。
　そして、ジュールズ・ホランドのバンド・メンバーとしても、その圧倒的な歌唱力をみせつけてくれている。

　[ Small World Big Band] では、ジュールズとの共作した、" Valentine Moon " が素晴らしい。
　 　しっとりとしたワルツ。そして歌詞が良い。

　でも古き良き町は過去のもの　今は冬があるばかり
　それでも私たちのヴァレンタイン・ムーンの下でワルツを踊る
　ヴァレンタイン・ムーン　ヴァレンタイン・ムーン
　老いた恋人たちのように踊る私たち…

　最初は静かにはじまるが、だんだん盛り上がっていくと、しまいにはフランス語が繰り出し、サム・ブラウンの魅力的なハスキー・ヴォイスが堪能できる。
　あの声を聞くと、またCFGを見たくなる。