Hypnotic Eye がやってきた ヤァ!ヤァ!ヤァ!2014/07/30 21:46

 iTunes (US) では昨日のうちに購入したトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの新譜 [Hypnotic Eye]。朝からずっと聞き通しだ。
 iTunesでダウンロードが完了してからメールボックスを見たら、Ticketmaster から、「ツアーのチケットを買ったあなたに、無料ダウンロードプレゼント!」…などというメールが来ている(しかも2通)。あ…え?
 何だろう、この既視感。絶対、前にもあった。そうだ。あったに違いない。前のアルバムでも同じような事をやらかしたような気がする。

 それはともかく、今日は日本版のディスクが届いた。
 ワーナーが発送したアメリカ版は一体いつ来るんだ?まさか船便なの?
 ちょっと待て。ワーナーが送ったのもCDか?あれ?Blu rayの予約ってしたっけ?!自分がどれだけこのアルバムを注文しているのだか、本気で分からない…



 とにかく、私は新譜を手に入れた!めでたい!

 今回は特にフォトセッションのようなものは行わなかったのだろうか。なんだか適当に作ったっぽいスリーブはクレジットと歌詞さえ分かれば良いことにする。
 意外だったのが、Written by でクレジットされているのは殆どがトムさん一人で、マイクとの連名は1曲だけということ。マイクも言っていたが、作曲こそトムさんだが、ギターリフはマイクという曲が多いことだろう。

 やはり一番のお気に入りは "All You Can Carry"。この疾走感!格好良すぎるマイクのギターリフには本当に痺れる。このギターリフに翼を得たトムさんの歌唱が、空高く舞い上がるよう。
 Aメロは最近の曲によくあるような、お馴染みの感じだが、やはりマイクのギターがこの曲を際立たせている。それから、サビの最後に "We gotta run" と落とすところも格好良い。
 マイクによれば、最初のうちはもっとスローだったのを、テンポを上げてみて上手くいったという。テンポアップは大正解!
 これは絶対ライブで聞きたい!お願い!

 1曲前の "Full Grown Boy" は、けだるい雰囲気がなんとなく良い。この曲を聴いたとき、すぐに雨の音楽だと思った。この曲の背後に、雨音が聞こえてならないのだ。たしか、実際に雨音がバックに入っている曲がスティーヴ・ミラーであったような気がするが、今は失念している。
 マイクは、「演奏過剰」にならないように気をつけているという。なるほど、こういう引き算の音楽の上手さも素晴らしい。

 ハートブレイカーズ風のブルース・ロック,"Burnt Out Town" も格好良い。ハーモニカに専念しているスコット・サーストン。これも是非ともライブで聞きたい。トムさんよりも前に立って良いと思う。
 この曲だけ、録音が2011年8月と、他の曲よりずっと前に作られている。ほかの曲ともちょっと雰囲気が違うだろうか。ともあれ、曲の締め方も格好良い。

 [Hypnotic Eye] は、これまさにロックンロール・アルバムであり、ハートブレイカーズのデビュー当時を彷彿とさせるという評判だ。
 私は「デビュー当時を彷彿とさせる」という評に関しては、同感ではない。トムさんやマイクたち自身が「俺たち、初期の頃っぽい!」と言っているようだが、私には前作[MOJO] のハートブレイカーズが、ロックンロール方向に進んだように聞こえる。デビュー当時のロックとは、また別のロックの名作。
 若き昔に帰るのではなく、[MOJO] の時に立っていた場所から、さらにロックの方向へ前進したということ。ロックは過去だけのものではなく、現在でもあり、未来でもある。きっとそうだと思わせるのが、今年の新譜 [Hypnotic Eye]。ロックな今のハートブレイカーズ、そのライブが楽しみだ。