A Hard Day's Night2024/01/27 22:49

 私のウクレレの腕はショボい物だが、ウクレレのレッスンの時間はクリエイティブで、とても好きだ。
 まず、普通はウクレレ・ソレでは弾かない(弾けない)ような、ロックの曲を私がリクエストする。先生はネットや市販の楽譜のコードやタブ譜をあまり見ないので、まず音を聞き、ギターでおおまかなコードを決める。このとき、私は「そのコードはちょっと違う」と突っ込みを入れることがある。
 先生はギターから4弦しかないウクレレ(しかもG線は Highである。Low G 邪道連盟なのだ)に落とし込む。さらに私が「それはちょっと違う」「そんなに明るくない」「そんなに脳天気なじゃない」「もっと閉じている」などと突っ込みを入れる。
 さらにやっかいなのは、私が極小の手の持ち主で、ウクレレですら抑えられないことが多い。そのくせギターソロはちゃんと再現したいという。
 そうやって先生と一緒に作ったロック・ウクレレ・ソロ曲の数々は、先生曰く「売れる」そうだ。

 さて、最近の課題曲は "A Hard Day's Night" である。例によって私は歌わないので、ウクレレ・ソロである。
 今日ちょっと気になったのが、 A メロ最後のコードである。キーが G なので、まぁGというのは普通なのだが、実際ジョンが歌っているのを聞くと、メジャーのGに聞こえないのだ。ちょっと影のあるマイナー気味に聞こえる。
 歌詞で言うと、"will make me feel alright" の "alright", "you know I feel okay" の "okay" のところだ。



 何度も先生と一緒に聴いて頭をひねったのだが、どうしてもギターやウクレレのコード的には、G になってしまうが、ジョンの声がフラット気味なのだ。そのため、サウンド全体的にはマイナーに聞こえてしまうし、対照として続くブリッジの、ポールの高音が輝くように響くのだ。
   このサウンドの妙はさすがビートルズ。こういうところが、彼らを世界最高のロックンロールバンドたらしめている。リッケンバッカーの響きを最高に使いこなしているという意味でも、特筆するべき名曲で、これをせいぜい21歳か23歳の彼らがやってのけたのが超のつく奇跡であった。

 オリジナルが良すぎて、あまり名カバーの多い曲ではないが(ピーター・セラーズのローレンス・オリヴィエ・リチャード3世風はともかく…)、動画サイトを見ていたら、ザ・ナックがライブでカバーしていた。
 これが文句なしに格好良い!さすがナック。どうせならギター・ソロは手元のアップが見たかった。

コメント

_ bombay2goa ― 2024/01/28 17:55

微妙にフラットする3度、ブルーノートですね!ほんとにこの時期のジョンの黒っぽい歌いっぷりは絶品だし、ポールとの対比が絶妙ですよね。「A Hard Day's Night」という曲の魅力がこういうところにもあったとは、今まで気付きませんでした。同じ曲を何千回繰り返し聴いても新たな発見があるから、やめられないですね。

_ NI ぶち ― 2024/01/30 20:04

> bombay2goa さん
何気なく聞いていると、こういう細かい上手さに気づかなかったりしますよね。私はこのビートルズ初期のジョンが一番好きです。
このアルバム自体、ジョンとポールがダダーっ!と全部作って、ダダーっ!と録音してしまうのだから、まさに絶好調。
ビートルズ曲のウクレレ解剖、これからも挑戦したいです。

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