Nessun Dorma2022/07/30 21:07

 木曜日に飛び込んできた大きなニュースに関して、いま私は一日一日、ゆっくりと消化しようとしている。そうして理解して、自分を納得させる必要がある。だから、 とりあえずこの週末、ハンガリーGP が終わって、夏休みに入ってから整理しようと思う。
 やはり、悲しいことを乗り越えるには、少し時間がかかるのだ。

 オタマトーンのせいで、すっかり “Nessun Dorma“ ばかりが動画の履歴に残っている。
 そもそもは、プッチーニのオペラ「トゥーランドット」に登場する、テノールのためのアリアであり、日本語では「誰も寝てはならぬ」の題名で知られている。
 劇中では、最初から最後までテノールがソロで歌うわけではなく、合唱も加わった形式になっている。宇野昌磨がこの曲で滑った時は、その合唱の加わったバージョンの、ホセ・カレーラスの歌唱が用いられた。私はカレーラスのファンでもあるので、とても良い選択だったと思う。
 カレーラスというのは、言うまでもなく最高のテノールだが、独特の悲哀や脆さ、危うい雰囲気をその声に持っていて、少し音程も不明瞭な時があるのだが、それがかえって個性となり、感情に訴えかけてくる。女性ファンが圧倒的に多いのも頷ける。



 近年の “Nessun Dorma“ 人気を作ったのは、ルチアーノ・パヴァロッティと言って良いだろう。クラシックでは異例のことだが、彼はこの曲をシングル盤として発売して、大ヒットを記録したのだ。
 そのおかげで、コーラスを省いたテノールだけの短いバージョンがコンサートでよく歌われるようになり、パヴァロッティ自身や、その後のアンドレア・ボチェッリ、そして Britain's Got Talentの初代優勝者ポール・ポッツ、果てはオタマトーンまでもが、”Nessun Dorma” を熱唱するに至るというわけだ。

 もう一つ、動画を貼り付けようと色々な動画を見たが - それこそ、アレサ・フランクリンなども見たが、これはさすがにダメだった。 - 結局1990年7月7日カラカラ浴場での三大テノールほど豪華なものはないという結論に達した。指揮のズビン・メータも含めてのパフォーマンスである。動画冒頭でのメータのジェスチャーは、「寝ては、ならぬ!」という意味である。確か、これはアンコールだったような気がするが、ちょっと記憶が定かではない。
 ともあれこれを聴くと、音楽をやるものは誰しも、この曲に挑戦してみたくなるものだ。



 面白いところでは、ジェフ・ベックによる演奏というものもある。これはこれでアリかな。ただ、ギタリストはジェフ・ベックなのだし、別に技巧的に難しいことはない。ただ、プッチーニの曲が絶対的に素晴らしいのである。そこに目を付けたセンスを評価する。

The Fool on the Hill2022/07/26 21:48

 ホルンがどうの、オタマトーンがこうのと、要するに私は器楽が好きなのだ。歌が歌えないので(要は音痴)、楽器の演奏に走る。面白い楽器も好きだ。
 様々な楽器が効果的に用いられている楽曲の一つが、ザ・ビートルズの "The Fool on the Hill" ―― ポールによる1967年の名曲である。



 なんと言っても印象的なのは、全曲に渡ってフィーチャーされているフルート。これは専門のフルート奏者3人が演奏していると、予想がつく。
 私はリコーダーも本職の人か、フルート奏者が吹いていると思ったのだが、確認してみると、ポールが自らリコーダーとティン・ホイッスルを吹いているそうだ。リコーダーやティン・ホイッスルというのは、あれでけっこう難しい。音程と音量の調整が難しく、正確に演奏しようと思ったらかなり耳が良くないといけない。
 ポール、本当に上手い。ヴィヴラートがちょっと大袈裟で、タンギングが多いところは少し素人臭いが、それ以外は完璧ではないだろうか。ポールのこういう器用さが、彼の可愛くないところだ。モーツァルト型の万能天才で、音楽なら何をやらせても出来てしまうタイプだろう。管楽器にはそれなりの勘が必要だが、親から最初に買い与えられた楽器がトランペットというのだから、攻略できてしまうらしい。

 この曲、フルートやポールの演奏する楽器の他にも、ジョンとジョージがハーモニカや、ジョウ・ハープを演奏しているし、リンゴはドラムズのみならず、マラカスとフィンガー・シンバルも演奏している。
 ビートルズ後期の作品なので、ライブ映像がないのだが、このオランダのビートルズ・トリビュート・バンドが素晴らしい再現をしている。笛もさることながら、大きなハーモニカでの再現性が素晴らしい。
 このバンド、面白いなぁ。ちょっと気になる。

Horn2022/07/17 20:01

 ストーンズの長大なバラードを聴いているうちに、"You Can't Always Get What You Want" もそれの一種かなと思った。実際には、合唱団の導入という特徴があるが、どちらかと言えば、ちゃんとロックな曲だ。
 さて、"You Can't Always Get What You Want" といえば、冒頭から入ってくる合唱団が印象的なのと、続くホルンの音色が素晴らしい。



 ところが、こちらの2002年のライブでは、ホルンのパートをトロンボーンが担っている。



 これはイカン!トロンボーンはイカン!なぜなら、トロンボーンはスラーが出来ないのだ!

「俺はスラーのできない楽器は嫌いなんだ」(「モーツァルトは子守唄を歌わない」森雅裕,ベートーヴェン先生の台詞)

 トロンボーンはタンギングをしないと、音程の変化を明確に演奏できないのである。タンギングをせずに音程を変えるためにスライドするときに出る、トロンボーン独特の液体のような音色は、その良いところでもあり、同時にスラーが出来ないという欠点でもあるのだ。その点、ホルンはリップスラーと言って、唇の形を変えるだけでタンギングをせずにスラーで、かつ明確に音程を変えることが出来る。
 "You Can't Always Get What You Want" のホルンは、アル・クーパーが吹いていると言うことになっている。これは本当だろうか?ホルンというのは俗に「最も難しい金管楽器」と言われている。確かにこの演奏は中学生の吹奏楽部員でも吹ける程度ではあるが … Wikipedia によると、アル・クーパーはディランの "Self Portrait" と "New Morning" でもホルンを吹いていると言うことになっているから、とりあえず本当に彼だということにしておこう…

 ホルンを使ったロックの名曲と言えば、やはりビートルズの "For No One" である。このセンスの良さ、さすがジョージ・マーティンとポールの黄金コンビ。



 これはさすがに中学生の吹奏楽部員というわけいはいかない、上手さである。アラン・シヴィルというホルン奏者によるもので、彼はドイツ人以外でベルリン・フィルのメンバーになった最初期の人の一人だそうだ。ビートルズの録音の時期は、BBCシンフォニー・オーケストラの主席ホルン奏者だった。

 ポールはさすがで、80年代の映画 "Give My Regards to Broad Street" でのレコーディング・シーンでも、ちゃんとホルン奏者を連れてきている。もっとも、チューニングもせずにベルカットをあわてて装着して吹き始めるというは、嘘くさいが…



 要するに、私はホルンという楽器が好きなのだ。高校三年間吹奏楽部で無理矢理ホルンを吹いていたと言う経験がその理由だろう。音楽高校だったのだから、なにも部活動で音楽をやる必要もないのだが … 楽しいホルンの3年間だった。

Memory Motel2022/07/13 20:45

 ランダムにアルバムを聴いていたら、ザ・ローリング・ストーンズの "Black and Blue" (1976) になった。
 改めて思うに、このアルバムの白眉は "Memory Motel" だろう。



 この曲の最大の特徴は、ミックとキースが、リード・ヴォーカルを分け合うところである。キースがリード・ヴォーカルを取る曲は、まるまる一曲を歌うのが普通なので、こういう「ウィルベリーズ・スタイル」は非常に希だと思う。他に何か思い当たる方は、教えて欲しい。
 サウンド的には、やはり鍵盤の重層的な使われ方が印象的だ。どうやらミック、キースの二人とも鍵盤を弾いているらしくし、しかもビリー・プレストンも参加しているのだ。良くならないはずがない。

 ストーンズの何がストーンズをストーンズたらしめているのか。無論、典型的なロックンロールのエッジと躍動感のある曲想はもちろんなのだが、私は個人的にこういう典型的なロックンロール・バンドが作る、堂々たるスロー・バラードの大曲というのも、大好きなのだ。特にストーンズには名曲も多い。"Out of Tears" , "Streets of Love" などもその例だ。
 攻撃的なほど元気な曲との対比もあるし、誰の心にもある、切なさや悲しみに対する共感がにじみ出て、それをいい歳したベテラン・ロックンローラーに歌い上げられると、胸が締め付けられるような気持ちになる。
 人生は常にポジティブというわけにはいかないし、苦しみや悲しみにも耐えて生きなければいけない。せめてそれらを美しい、力強い楽曲に託してくれれば、少しは報われる時も来るよう気がするのだ。

 ライブ映像は1998年。若いなぁ。

I Wanna Be Your Man2022/06/18 21:52

 ミック・ジャガーが COVID-19 陽性のため、ストーンズのライブがキャンセルされている。
 ミックもいい歳だ。大事にしてほしい。

 リヴァプールでの公演では、特別に "I Wanna Be Your Man" を演奏した。もちろん、この曲がレノン・マッカートニーからの提供曲であり、ビートルズも録音したからである。



 ジョンに言わせると、自分で歌うほどの価値もないテキトーな曲なので、ストーンズなり、リンゴになりあげたのだという。正直なのはけっこうだし、ジョンらしい格好良さだが、一方でジョンのこういうところが人を傷つける。
 しかし、ジョンが卑下する割にこの曲は格好良い曲だ。なんといってもストーンズが当時カバーしたのが、凄く切れがあって格好良い。
 それにしても、あの究極にダサい中腰のキースは何なのだろう?まだ自分のスタイルを確立できていなかったのだろうか…?



 ビートルズも、リンゴが叩きながら歌う姿、演奏、ともに良かった。意外と当時のまともなライブ映像がないので、ここではオールスター・バンドのライブから。リンゴがマイクを持ってステージの前に来るより、やっぱりドラムを叩きながら歌うのが格好良いと思うな。

Echo in the Canyon (in a Theater)2022/06/14 19:50

 バクー。フェラーリに期待した私が、やっぱり馬鹿でした。
 セバスチャン、6位おめでとう!

 先月から日本でも公開となった映画 [Echo in the Canyon] を劇場で見てきた。既にブルーレイで見ていたのだが、やはり日本語の字幕がつくと理解の度合いが違うので、とても助かる。
 映画そのものは、とても良い。お薦め。1960年代ロックンロール・ミュージックが好きな人、それに影響を受けた人(トム・ペティとか)が好きな人にも、楽しめる内容だ。
 そして誰よりも、ジェイコブ・ディランのファンのための映画である。



 かといって、「これは大傑作!音楽ファンとして必見!」と太鼓判を押せるほどでは…ないような気がする。どこか中途半端なのだ。
 例えば、ビートルズやストーンズ、ボブ・ディランなら何十時間というドキュメンタリーを作ることが出来るし、実際いくつも作られている。トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズだって、それなりのキャリアの長さと音楽の一貫性があるので、数時間のドキュメンタリーができるわけだ。
 しかしザ・バーズのドキュメンタリーはどうだろう。2、3時間の長さのあるドキュメンタリーはあるだろうか?バッファロー・スプリングフィールドは?CSN は?ビーチ・ボーイズは?ブライアン・ウィソンの生涯をドキュメンタリーにするのは可能だが、BB ではどうだろう。
 あの1960年代末期に、ローレル・キャニオンに集まったミュージシャンたちが、影響を与え合いながら、素晴らしいものを作りあげたという、核になるコンセプトがあるのだが、各ミュージシャンの音楽への視線が浅く、よく言えば初心者向け、もしくは事情が分かっている人向け。悪く言うと、なんかうすっぺらい。
   その弱点を、ジェイコブ・ディランという絶妙な立ち位置にいるミュージシャンを軸にしてインタビューとセッション、コンサートを行って補完するのだが、これまたやや中途半端。映画でのライブシーンでは、かなり盛り上がったように思えたのだが、サウンドトラックは「ライブ・アルバム」という体裁ではないので、なんだかだらけていえて、映画で感じた熱量が無く、がっかりするのだ。[Concert for George] や [George Fest] といったような完成度も見えないので、消化不良と言うしかない。

 いっそのことバーズと、CS&N、BSF だけに話を徹底的に絞った方がよかったのか。トリビュート・ライブをもっと掘り下げて、ジェイコブと仲間たちが、いかに「伝説」へ挑戦したかを追求しても良さそうだ。
 私個人としては、トムさんの最後のインタビュー動画であり、それだけでも感謝しなくてはいけないのだろうが、ここはやっぱり、リッケン「バッカー」を持ったトムさんが、ジェイコブと並んでバーズの曲を歌ってくれなきゃ。やってくれてたら、鼻血を出して感動ただろう。やっぱり惜しい。

 映画の本編とは関係ないが、鑑賞した映画館は良くなかった。画面は小さいし、音も貧弱。これだったらイヤホンつけてパソコンで鑑賞した方が良かった。
 ブルーレイは持っているので、もう一度見直してみるのが良いかも知れない。

Somethin' Els2022/06/10 21:42

 最近、オリジナルはエディ・コクランの "Somethin' Els" について記事を書いたという記憶があったのだが ―― そうだ、レッド・ゼッペリンがカバーしたのを取り上げたのだ。

 二回続けてエディ・コクランの曲を取り上げる気になったのは、やはりカバーの良さが素晴らしいからだろう。
 とりあえず、オリジナルから。1959年だそうだ。



 そして、私がもっとも耳慣れているのはもちろん、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのバージョンである。
 [Damn the Torpedoes] のデラックス・エディションに収録されていると言うことだったが…これが出る前にトムさんのヴォーカルで聴いた覚えがあるような…ないような…記憶が曖昧だ。
 トムさんの線の細い声と、エディ・コクランは相性が良いと思う。1980年、ロンドンはオデオンでの演奏。



 一方、最近初めて見て感動したのは、キース・リチャーズのバージョンである。
 1993年。冒頭、キースの足さばきに注目。



 何が凄いって、この重さ、低さである。もともと、エディ・コクランのバージョンも重めのバランスで、ハートブレイカーズが少し軽めだったのだ。キースはオリジナルに近づけるとともに、「もっと低く!もっと重く!もっともっと重く!」とバンドに指示したに違いない。
 それに応えるボビー・キーズのバス・サックス ―― それともバリトンなのか?とにかく重戦車のような重く、低く、なおかつドライブ感のあるサックスが最高だ。
 実のところ、私はストーンズのファンではあるものの、彼らのソロ・ワークのうち興味があるのはロニーだけで、ミックやキースのソロというのは、聴いたことがないのだ。どうもあの二人が別行動をするとろくな事が無いような気がして…(実際、トムさんがマイクと一緒に行動しない場合、ろくでもないことがあった。)
 それはともかくとして、この "Somethin' Els" は最高のカバーだと言えるだろう。

Twenty Flight Rock2022/06/06 20:20

 プラチナム・ジュビリーである。何か面白い物はないかなぁと思って、[Platinum Party at the Palace] の出し物をざっと確認したのだが、残念ながら私の好きそうな物はないみたい。
 ロッドの歌が上手かったのは良かったけど、曲がいまいち。どうしてもっとメジャーな曲にしなかったのだろう?
 そうこうして YouTube をふらふらしていたら、ストーンズが1982年にリーズで行ったライブ映像にぶつかった。もうこうなると、ジュビリーもなにも関係ない。



 格好良い。1982年ということは、ビル・ワイマンやチャーリーは四十代に入り、ミックとキースも四十代一歩手前だった。四十代の中年になっても、彼らはロックし続けるのか?世間も、ファンも、そして彼ら自身もいくらか疑問を持っていた頃だろうか。80年代という、ロックにとっては試練と言える時代の到来でもある。
 ミックの衣装は奇妙キテレツだし、方向性が良くわからない。でも、チャーリーを見ると、もう完成形のチャーリーになっているように見える。今になってみると特に思うのだが、チャーリーのこの落ち着きが、ストーンズ存続のための土台になっていたような気がする。土台の上でミックとキースが取っ組み合いのケンカをしても、結局ストーンズは解体することはなかった。

 オリジナルはスモーキー・ロビンソン&ミラクルズの "Going to a Go Go" も大好きなのだが、今回はエディ・コクランの "Twenty Flight Rock" に注目。
 1957年のヒット曲で、特に UK の少年たちを熱狂させた。そしてこの曲を有名にしたエピソードの一つが、ビートルズ結成のきっかけである。ジョンのバンド、クォリーメンを見に来たポールが、できると言ってジョンに披露したのが、 "Twenty Flight Rock" だった。
 ディラン様の [Theme Time Radio Hour] によると、ジョンはポールが「歌詞をちゃんと覚えていることに感心した」とのことだった。ポールはポールで、ジョンが歌詞を忘れてもとっさに上手く歌いつないだのを「頭のいい奴」と思ったというのだから、ロック史最高のコンビはうまくできている。



 エディ・コクラン、"Twenty Flight Rock" となれば、当然 "Somethin' Els" と話題は続いていく。そう、もちろん。以前にも記事にしたことがある曲かも知れないが、初めて見たバージョンがあったので、次回はそちらの話。

Take It Easy2022/05/20 21:08

 ウクレレのレッスンは、先生と相談して曲を決めるところから面白い。そもそも、私が歌えないのでウクレレ・ソロで、しかも私好みのロック楽曲をやるわけだから、ウクレレという楽器の特性上、難しいことが多く、先生もアレコレ考えて一番良い方法を編み出すのだ。3,4歳でピアノを始めて以来、様々な楽器を習ってきたが、編曲に自ら参加するという意味で、もっともクリエイティブな楽器となっている。

 今回の私の提案は、イーグルスの "Take It Easy" ―― 先生が首をひねった。

「NIぶちさん、イーグルス嫌いじゃありませんでした?」
「嫌いですけど、この曲は好きです。ジャクソン・ブラウンが作ったし」
「共作でしょ?」

 

 どちらかというとカントリーはそれほど好きではない私だが、このバーニー・レドン(お兄さん…)のバンジョーは素晴らしいと思う。
 クレジットを見たら、プロデューサーにジョン・グリンとあった。ジョン・グリン?最近聞いたような名前だ ―― そうだ、ビートルズの [Get Back] で活躍していた、エンジニアだ。ストーンズとの仕事でも有名な人。道理で、"Take It Easy" が例外的に私の好きなイーグルスの曲になったわけだ。ジョン・グリンによる UKっぽい味がたぶん気に入ったのだろう。

 ジャクソン・ブラウンによるバージョンもあるが、さすがに演奏としてはイーグルスのほうが抜きん出ている。
 誰かカバーしているかしらと思ったら、ライブでシスター・ヘイゼルがカバーしていた。ごく短い動画しかないが、これはとても素敵だ。ヘイゼルもツイン・ヴォーカルなのでこの曲はお手の物だろう。できればライアンによるギター・ソロも聴きたかった!

George in a White Sweater2022/05/12 21:48

 ザ・ビートルズの映画 [Get Back] ―― 配信と一部の劇場公開だけで、DVD, Blu-ray での発売はないかも知れないとも言われたが、結局発売されることになった。ものすごい価格で。
 ビートルズではあるが、これは例外的に買わないと思う。見ていて楽しくなる映画ではないし、長すぎる。

 しかし、この映画にも良いところはある。ジョージ・ファン仲間でもっぱら話題になったのは、ジョージのファッションが素敵なところだ。リンゴもだけど、やはり美男子でアンニュイなお年頃なジョージのファッション・ショーのような美しさは、際立っていた。
 基本的に、色彩はカラフル。赤、紫、緑、難しい色を難なく着こなす。フリルやパフスリーブなど、華やかでフェミニンなデザインも誰よりも似合っている。そのくせヒゲ。
 南国の極楽鳥のような鮮やかさも良いが、私が [Get Back] を見ていて一番素敵だと思ったジョージの服装は、意外にもシンプルなスタイルだった。映画の終盤に登場する、白いセーターにデニムという装いである。



 微妙に襟ぐりがあいているて、首が見えるのが…ときめくのよ…!なんかね、無防備というか、小悪魔的というか!着飾らなくても輝いているジョージ炸裂。たまらん。
 「ライブをやれと言われればやるけど、屋根の上でやるのはやだな…」とジョージがいうと、リンゴが「ぼくはやりたいよ」という。リンゴを見てちょっと微笑む。あああああああ可愛い…!
 50年経ってもまったく魅力が損なわれない、永遠の美しきジョージであった。