伝説の F1 ドライバー2021/12/02 20:32

 先月いっぱい、日本経済新聞の「私の履歴書」は中嶋悟さんで、とても楽しく読ませてもらった。
 説明無用、日本人初の F1 フルタイム・ドライバーである。中嶋さんが F1 を走るという事が決まったとき、兄たちが興奮していたような記憶がある。
 思えば、5年間 F1 ドライバーを続けることが出来ること自体が凄い。しかもプロドライバーとしての最後の実績である。中嶋さんの連載では、がむしゃらに突き進み、いつか F1 を走ってやるという根性、意志の強さ、そしてなんと言っても才能がキラキラ光っている感じが素敵だった。
 中嶋さんというと、ホンダという印象を持っていたが、それは F1 でのキャリアのせいで、中嶋さんは日本の自動車,自動車産業全体の星だったのも、新鮮な印象だった。

 中嶋さんは、いままで何度「アイルトン・セナはどんな人だった?」と訊かれただろうか。だから、連載でもセナのために一回分費やした。
 セナは、「面倒見の良い男」だった。無論、中嶋さんが敵ではなかったからだろうが、それにしても、モナコでは手の皮がむけるのを防ぐためのテープをくれるなんて(パワステ時代以前)…いい人。
 登場するドライバーの名前も、マンセル、ピケ、プロスト、アレジなどなど、伝説のドライバーばかりである。
 重いハンドル、忙しいギア操作。ここは一つ、中嶋さんとシルバーストーンを回ってみよう。



 伝説のドライバーにして、飄々として、ダンディな中嶋さん。でもけっこうお茶目な仕事もする。
 何年か前にサンドウィッチマンのバラエティ番組で、超狭小駐車場にあらゆる車を車庫入れするという、謎だけど凄く面白い企画に中嶋さん、片山右京さん、土屋圭一(なぜ土屋だけ呼び捨て?)が参加していたのだ。
 馬鹿馬鹿しいんだけど、右京さんや土屋が、ハンドルの重い古い車で四苦八苦しているのに、急に最新スーパーカーが出てくると、「ぼくこれ~」と言ってスイスイと車庫入れをする中嶋さんが最高だった。

 さぁ、F1 シーズンも大詰め。あと二戦。勝つのはフェルスタッペンか、ハミルトンか。
 宣言しておくが、私はハミルトン派である。(←少数派)どうなったとしても、良いレースをしてほしい。みんな無事に、充実したレースになりますように。