Willin'2018/11/14 22:00

 iPod Classic を使っている。160GB。これがないと困る。スマートフォンで音楽を聴くというのがどうしても嫌で、音楽には音楽専用の器機が、しかも大容量で欲しい。これがダメになったら、次にどうしようか考えている。
 旅の間もTP&HBをずっと聴き通しだったが、あまりにも聴きすぎるのも、かえって毒かも知れないので(根拠はない)、久しぶりにiPodのアルバムシャッフルをしてみたら、リトル・フィートのアルバムになった。

 "Willin'" という彼らの代表曲の一つを聴いていたら、そういえばこの歌はトラック運転手の曲で、重量計測を逃れるために裏道を通るという歌詞があるということを思い出した。
 ついでに思い出せば、先日のF1ブラジルGPでは、我がベッテル君が車の計量器機を壊して怒られていた。



 サビに出てくる、"Driven the back roads / So I wouldn't get weighed" という歌詞が、トラックの重量検査逃れだという話を何処で聴いたのかと言えば、間違いなくボブ・ディランの [Theme Time Radio Hour] 。
 確認してみると、シーズン3,エピソード9の [Street Map] の回で、ピーター・バラカンさんがディランの言葉を翻訳解説してくれていた。それを覚えていたというわけ。
 曰く、アメリカの州によって、輸送トラックには税金がかけられ、その額は決められた計量所での車の重量に基づくのだという。輸送会社側は税金逃れのために、計量そのものを逃れたい。リトル・フィートの歌に登場するこの、かなり危なっかしい運転手は、そういう輸送会社側の要望にも応えられる。つまりそれが出来る分、彼の利益にもなるというわけだ。

 この曲の良いところは、美しくて、儚くて、短いところだ。色々な意味で長くは生きられない生命力が、そっと囁くようで、ぞくっとする。

 これだけの名曲だと、無論カバーも多い。ザ・バーズにもカバーされているが、私に限ってみれば ― 残念ながら ― リード・ヴォーカルがロジャー・マッグインではない。彼の弱い声の方が向いているような気がする。
 ともあれ、ここは当然のごとく、TP&HB, 2013年の演奏。トムさんのコントラストの効いた歌声がまた、美しくて、儚くて良い。ベンモントの印象的なピアノに、マイクの切なくなるギターが絡まり、これ以上は望むべくもないだろう。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの制作者名最初のアルファベット半角大文字2文字は?

コメント:

トラックバック