Ricki and the Flash2016/03/19 20:54

 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの "American Girl" がカバーされるという映画、[Ricki and the Flash](「幸せをつかむ歌」)を見た。



 人から、「わざわざ見るほどほどの映画ではないよ」と聞かされていたのだが…まぁ、確かにそれほどの映画ではなかった。メリル・ストリープの器用さがよく分かるだけで、構成も脚本もこれといった事も無し、オチも特に何も無しという感じで。無理に盛り上げたけど、「…それで?」という感じの終わり方だった。
 「音楽はよかった!」…と言いたいところ。確かにストリープ以外のバンドメンバーは本職なので上手いのだが、どうしてもオリジナルや、自分が慣れ親しんでいるバージョンが聴きたくなるという程度。

 "American Girl" は冒頭で使われるので、優遇だろう。ストリープのギター・ソロは要らないのではないだろうか。
 TP&HBの中でも一番好きな曲なので、やはり本家の良さが欲しくなる。



 印象的だったのは、"Drift Away" の演奏シーン。これまた重要な箇所だった。
 もともとは、ドビー・グレイが1973年にヒットさせた曲だが、私はロッド・スチュワートが1975年にカバーしたバージョンに慣れ親しんでいる。
 "Drift Away" をYouTubeで検索したら、ザ・ローリング・ストーンズのバージョンが出てきた。どうやら公式にはリリースされなかったらしいのだが、これが素晴らしいできあがり。ちょっと叙情的過ぎるかもしれないが、ストーンズのぶっきらぼうな感じと溶け合って、切なさに化学変化を起こしている。
 リリースしなかったのはとても惜しい。ライブでもやって欲しい。