Swine2009/05/02 00:34

 豚インフルエンザと言う病名は、言いかえられるらしい。しかし何と言いかえるのかを覚えられない。
 豚インフルエンザを英語で言うと、Swine Influenza だそうだ。Influenza を辞書で見ると、Influence (影響,感化)と同じ起源を持つらしい。なるほど。ともあれ、私にとってのツボは、Swine である。

 私が最初にSwineという単語を覚えたのは、ビートルズの映画 [ A hard day's night ] でのジョン・レノンのセリフである。口うるさいマネージャーに向かって一言。

You swine.  このブタ野郎。



 確認してみたら、実にキレの悪い字幕がついていたので、無視する。このあと、ジョンはジョージに、「な?」と同意を求め、ジョージは謎の物体をむさぼり食いながら「うん、ブタ野郎。」と素直に応じる。なんだ?このやり取りは…
 愛情表現だか何だか知らないが、とにかくこの You swine. が、私には強烈だった。

 Swine シリーズにもう一つ付け加えるとしたら、「空飛ぶモンティ・パイソン」の、Peals for Swine Presents (豚に真珠提供)。



ルイジ・ヴェルゴッティ氏が経営する、かなり、かなり怪しいレストランや、カーショップのCMの冒頭に登場する。至って意味不明。

正しいLet It Roll!2009/05/04 20:31

 ジョージ・ハリスンのオールタイム・ベスト [ Let It Roll ] のトラック・リストが発表され、各CDショップでも予約を受け付け始めた。

 曲数は19。ファンとしては「これじゃ足りない」と思うが、しかし良く考えてみるとベスト版の目的の一つは、「お手軽にそのアーチストの良さを伝える事」とも言える。だとしたら、19は多過ぎでも、少な過ぎでもない、ちょうど良い数かもしれない。ジョージをまだよく知らない人、ビートルズのファンになって、さてソロはどうしようと思っている人などへの入門編としては、重すぎないことも肝心だ。
 注目の曲目は以下の通り。

1 Got My Mind Set On You
2 Give Me Love (Give Me Peace On Earth)
3 The Ballad Of Sir Frankie Crisp (Let It Roll)
4 My Sweet Lord
5 This Song
6 While My Guitar Gently Weeps (Live)
7 Any Road
8 This Is Love
9 All Those Years Ago
10 What Is Life
11 Rising Sun
12 When We Was Fab
13 Something (Live)
14 Blow Away
15 Cheer Down
16 Here Comes The Sun (Live)
17 I Don't Want To Do It
18 All Things Must Pass
19 Isn't It A Pity

 [ All things must pass] から5曲、 [The concert for Bangladesh ]から3曲、[ Living in the material world ],[33&1/3],[George Harrison],[Somewhere in England] からそれぞれ1曲、[Cloud Nine] から3曲、[Brainwashed] から2曲、そしてアルバム収録されていない曲が2曲。
 つまるところヒット曲オンパレードであり、しかも「ジョージのソロ・アルバムでお勧めの作品」からピックアップしていると言える。そしてキャリア前半の重厚さと、[33&1/3]以降の軽やかで爽やかという、二つのサウンドの数がほぼ同数であるところも面白い。
 ソロ・アーチスト,ジョージ・ハリスンを強烈にアピールする気合いの入った時期から、リラックスして、そしてジェフ・リンとのチーム・プレイが花を咲かせて行く ― このジョージがたどった軌跡も、見事に楽しむことができる。
 しかも、"I don't want to do" や"Cheer down" で、ウィルベリー兄弟との素晴らしき友情の産物もカバー。このベストを聴いて、ウィルベリーズも聞きたくなるという流れは、しっかり出来ている。
 曲順は、発表年を無視した並びになっている。私としては、最後が [Isn't it a pity ] という選択が嬉しい。ただその前が [All things must pass] だと、同じ味付けが続いてしまう感じがするのだが。冒頭に [Got my mind set on you] とは、思いきった。しかし効果は抜群だろう。

 ベスト版とはいえ、とても楽しみになってきた。これをきっかけに、新しいジョージ・ファンがたくさん誕生するだろうし、そうすればウィルベリーズ、さらにTP&HBへと広がっていくだろう。実は、私もビートルズからの広がりのきっかけは、ジョージの [Best of Dark Horse] だった。そこから [Cloud Nine] ,ウィルベリーズ、そしてTP&HBへとたどりついたクチである。
 だからついでに、トムさんあたりに一肌脱いでいただけば、今回のベスト版は更に完璧になるのではなかろうかと、自分に美味しい想像ばかりしている。

美しいLet It Roll!2009/05/05 21:15

 ジョージのベスト・アルバム [Let It Roll] は、トラック・リストに続いてジャケットも公開された。



 ソロ時代だから、「髭ボー髪ボー&サングラスで誰だか分らん」とか、「頭上にカエルのカーミット」とか、「半ズボンにキャップの小学生コスプレ」など、とんでもないジャケットを覚悟していたのだが、なんとビートルズ時代の若くて美しいジョージではないか!
 ソロのベスト・アルバムなのに、ビートルズ期の写真で良いのかという気もするが、この写真の時期はすでに、「こんなバンドやめてやる」な気分で、ソロ名義での発表になる曲も沢山作っていたから…つまり、ソロ・アーチストとしての原点を表現していると言えなくもない。
 ともあれ、美男子で慈しみ深くて、ミステリアスなジョージのアップは、女子へのアピール度満点!いろいろ理屈を並べてみたが、要するに心の中では「きゃーーーー!!!」…というわけ。

 ニュースサイトには、ビートルズの「いわくつきサイン」が高額で落札された話題が載っていた。なんでも、ジョージが白血病の少女のために、他の3人のサインを「偽造」したという、美談(?)つきとのこと。
 ジョージには、こういうことをヌケヌケとやってのける図々しさがある。この話しかり、「デイモン・ヒルのためにFree as a bird フライング演奏事件」しかり。何でもないような顔をして、「ええ、やりましたけど。何か?」…ジョージのそういうところが、多くの人を魅了したのだろう。私たちファンも、彼の音楽のみならず、そんなニクイところも愛している。

 ジョージに関する「良い話」というのは、多数存在するし、中には作り話もあるだろう。
 私がウェッブで見かけた「話」は、次のようなもの。

 70年代前半、ヘロインに溺れて世捨て人状態だったエリック・クラプトン。音楽活動を停止していたので、収入が減ってしまい、ヘロインを購入する金に困る。そこで高価なギターを次々に売り飛ばし、ヘロインを購入した。
 数年して、エリックは友人たちの助けも得て音楽へカムバックしようと決意する。しかし、その時には手元に大事なギターがない。するとジョージがやってきて、エリックが手放したギターを一式、差し出してくれたではないか。
 実は、エリックがカムバックする日を信じて、ジョージがエリックの放出したギターをせっせと買い戻していたのである…

 …と、まぁ良くできたお話である。でき過ぎている。おそらく作り話だろう。しかし、「ジョージなら有り得る」と思わせるところが、この話の上手いところ。友達のためなら何でもするジョージならではの、良くできた伝説だ。

歩道に集う人々(追記あり)2009/05/08 23:40

追記
 下部、昨夜の記事の続き。マイク・キャンベル@ジョージのウォーク・オブ・フェイム・セレモニーの写真発見。



 なんだこりゃ?マイク、その木に何か書いてあるの?トムさんは何の順番待ちなの?
 まぁ、いっか…

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 先日の、ジョージ・ハリスン「ウォーク・オブ・フェイム・セレモニー」のニュースが、TP&HBの公式サイトにも載っていて、今日初めて見た。

 ありそうでなかった、こんなツーショット。



 何と言うか…オーラに欠ける二人。まぁ、スッピン女優・トムさんもソコソコに見えるか?…それはサー・ジェイムズとの対比の問題か?
 それにしても、トムさん、もう少しニコニコしなよ。ダーニにキスされたときの、あのどうしょうもないトロケ顔との落差が大きすぎる。それとも、この期に及んで、やっと自分が無防備で出てきてしまったことに気付いたのか…?

 ニュース記事によると、写真に写っていたスティーヴ・フェローニのみならず、マイク、ロン、スコットも出席していたとのこと。マイクったらジョージを愛してても、シャイだから後ろに下がっていたのね…

 記事の最後に一言。「ベンモント・テンチは、今日は町に居ませんでした。」

 ベンモント!どこのバイトに行きやがった?!(笑)

テンチ家の兄弟(その7)2009/05/09 23:38

 昨日の記事には、写真を一枚、追加している。

 1862年秋、南部連合軍を率いるブラッグはケンタッキー作戦を成果の得られぬまま終了し、その長大な移動は単なる徒労となった。
 以前からブラッグは評判の良くない将軍だったため、彼を贔屓にする南部連合大統領デイヴィスも、人事的に何もしないわけないは行かなかった。そこで、5月の半島作戦で負傷し、東部戦線司令官をリーに取って代われていたJ.E.ジョンストンを、西部戦線の司令官に据えた。テネシーに展開するブラッグと、ミシシッピー州に展開するペンパートンの上にジョンストンを置いたわけだが、そもそもデイヴィスとジョンストンの人間関係が悪く、この組織はうまく機能しなかった。
 結局は、引き続きテネシー軍をブラッグが指揮することに変わらなかったのである。

 ケンタッキー州への展開をあきらめたブラッグは、テネシー州都ナッシュヴィル奪還を意図して、チャタヌーガから北西に進軍した。目指すは、ストーンズ川東の町マーフリーズボロ。小さな町だが、ナッシュヴィルを落とすための要衝で、これまでにも何回か小競り合いがあった。1862年7月には、テンチ家の兄弟が所属するジョージア州第一騎兵隊がここでの戦闘に参加し、ルービン・モンモランシー・テンチが負傷している。

 今回の作戦では、ブラッグが自ら南軍37000を率いて1862年12月にマーフリーズボロに入った。
 一方、ローズクランツ(ジェイムズ・テンチが戦死した、ヴァージニア作戦の北軍司令官の一人)率いる北軍43000は、ナッシュヴィルからクリスマス明けに南下し、ストーンズ川の西岸に布陣。大晦日を目の前にして、両軍はストーンズ川を挟んで対峙した。
 12月29日まで、静かな状態が続いた。両軍は1km以内の位置で布陣していたが、お互いの音楽隊が演奏の交換を行って、兵士たちの心を慰めた。北軍は「ヤンキードゥードゥル(日本では『アルプス一万尺』で知られている曲)」、南軍は「ディキシー」などを演奏する。そして両軍が「ホーム・スィート・ホーム(埴生の宿)」をともに演奏し、兵士たちも共に歌った。

 ブラッグとローズクランツは、奇しくも同日に攻撃を設定していた。違っていたのは、攻撃開始時刻。ブラッグの南軍の方が、1時間早かった。1962年の最後の日の朝6時。南軍が北進を開始し、まず北軍の右翼を圧倒し、北軍の陣形は一気に圧縮された形になった。
 しかし、1863年の初日には南軍の猛攻が止み、北軍は立て直しに成功。1月2日には逆に北軍がストーンズ川を渡って南軍の右翼を攻撃。こうなると、南軍は挟み撃ちに遭ってしまう。ブラッグはこの作戦の限界を見出し、1月2日の夜には南への撤退を始めた。
 先制攻撃を受けて危機に瀕していた北軍にとって、南軍の撤退は幸運なことではあったが、これを追撃する余力もなかった。
 死傷者は南北あわせて25000。南北戦争全般において、もっとも死傷率の高い戦いだった。南軍側では町の名前を取って「マーフリーズボロの戦い」,北軍側では川の名前を取って「ストーンズリバーの戦い」と呼ぶ。
 結局、この戦い自体は引き分け。南軍にとっては、ナッシュヴィル奪還に失敗したことになった。

 テンチ家の兄弟が所属するジョージア州第一騎兵隊は、この戦いに参加したことが記録されている(ただし、南軍ではホイーラーの騎兵隊が北軍の背後を回って後方撹乱作戦を行っていたが、これに参加していたわけではなさそうだ)。
 両軍がともに音楽を奏でたエピソードで思い出したのが、ジョン・ウォルター・テンチ(ベンモントの曽祖父)が戦場にフィドルを持って行った話。1862年という年が終わろうとする戦場で23歳のジョン・テンチも、音楽隊の演奏や、兵士たちの歌声とセッションを楽しんだのだろうか。

(つづく)

五線譜絶対音感2009/05/11 22:02

 私は絶対音感などと言うものに関しては、どうでも良いと思っている。

 究極的に言えば、絶対音感とは聴いた全ての音の振動を何ヘルツ(hz)かを言い当てられる能力のこと。
 よくマスコミに登場する絶対音感の持ち主は、ある音(電車の発車ベルとか?)を聴いて、「レのシャープ」などと答える。これは便宜的に西洋音楽の12音階(イタリア語で言うドレミファソラシ,さらに、それを平均律に調律した場合)にあてはめただけであり、音の世界はもっと微妙なものだ。
 たとえば、雅楽の龍笛で夕(しゃく)の音を吹いて聞かせ、「絶対音感の持ち主」は「ラ」と言い当てるのだが、実はこの音は「12音階のラに近い」だけであって、振動数にすると438~443hzぐらいで、笛の個体差,演奏者のくせ,その日の天候,所属する団体の方針によって異なる。さらに一音鳴らす間にも上下する。この「ぶれ」があるからこその龍笛の音であり、「ぶれ」を排除すると、電子音と変わらなくなってしまう。

 では、西洋音楽で言う12音階(の平均律。平均律に関して説明しようとすると、高度な数学問題で無理。簡単に言えば、一般的なピアノの調律方法のこと)に限定した絶対音感の場合はどうか。  これには利点がある。耳にした音楽の調を瞬時に判断できるからだ。調とは、どの音を主音(キー)にした音楽かという事で、絶対音感の持ち主は、24種類の調を聞き分ける事ができる。さらに、音が溶け合ってしまいがちな、和音も的確に把握できる。
 モーツァルトが絶対音感の持ち主だったことを語るエピソードとして、「二度聴いただけの複雑な宗教音楽を譜面に写した」というものがあるが、彼の絶対音感が作用したのは、調と和音を正確に把握したところであり、膨大なメロディとリズムのデータ認識したのは、記憶力のなせる技である。

 とにかく、絶対音感というのは音一つの高さ(振動数)の把握能力であって、音楽的に優れた才能とは、あまり関係がない。絶対音感を持っている人でも、もし音と音の幅の認識が甘いと、その人は音痴ということになる。
 ピアニストには音痴が多い。これは絶対音感とは別次元の問題だ。
 歌や、管楽器、弦楽器の奏者は、呼吸や、フレットの位置を調整して正しい音の高さを出す事を要求される。これは絶対音感と言うより、先に述べた「音と音の幅」を正しく認識する能力 ― つまり、音痴の反対であることが大事なのだ。
 一方ピアノの場合、ひとつのキーに一つの音が割り当てられ、その調整は調律師の仕事である。だから、ピアニストは自分が弾いている音が半音以下の幅で合っているか否かには、ほとんど無頓着なのだ。

 私自身に関して言うと、絶対音感は持っていない。教えてもらわなければ曲の調は分からないし、子供の頃から聴音(聞いた音を譜面に書き取ること) ― 特に和声聴音の成績は最悪だった。その上、ピアノ弾きという事情も手伝って音痴ときている。
 ところが先日、私が「五線譜に対してのみ絶対音感」であることが判明した。

 アイリッシュ音楽のティン・ホイッスルを習っているが、今まではずっとD管を吹いていた。先日、これより完全4度低いA管を吹くことになった。そこで先生から渡されたのが、「A管用の楽譜」。

 「A管を手に持ちながら、D管を持っているつもりになって、譜面を読み、吹け」と言うのである。この時点で、まず私は混乱してしまった。

 つまり、譜面にE(ミ)と書いてあったら、D管を持っていたときにEが出た指使い(指5本塞ぐ)をする、というのである。しかし、実際に吹いているのはA管なので、H(シ)が出る。実際に鳴る音が、譜面に書いてある音より、完全4度低いのである。
 これが、私には気持ち悪くてたまらない。確かに、譜面と指使いの関係は従来慣れていたD管と同じなのだから楽なのだが、実際の音の高さを感じる脳が、譜面と指を受け入れないのである。
 先生によると、これは私がピアノに慣れ過ぎた「五線譜絶対音感」の持ち主だからだそうだ。

 移調楽器が多い管楽器奏者の場合、最初から「五線譜+指使い」と、「実音の絶対音程」が違っていても、慣れで弾きこなせるらしい。つまり、音楽が譜面に縛られず、自由自在にキーを変えることができるのである。この調性世界は、ギターを中心としたポピュラー・ミュージックの人にとっては常識だ。
 一方、私は五線譜上の音程が、実音の絶対音に縛られており、移調楽器の指使いも、実音の絶対音程にしか対応できない。音だけ聞いて譜面に取る場合も、絶対音程でしか記譜できず、ティン・ホイッスルに合わせてすべてを、「Dをキーにして移調」という行為が、どうしてもできないのだ。
 いうなれば、五線譜上の絶対音感を持っていることになる。

 実に悲しむべきことだが、この「五線譜絶対音感」は、応用のきかない貧弱な能力としか思えない。私は、音楽が好きな割にその能力が低い。要するに、落ち込んでいるというわけ。

 真に音楽的才能の豊かな人と言うのは、演奏中に自由自在にキーを変えたり(ディラン)、それにあわせて咄嗟に音楽的冒険を楽しんだり(TP&HB)、独自のユニークなチューニングでギターを弾きこなしたり(ジョニ・ミッチェル)、右利き用のベースをそのままひっくりかえして左利きで弾きこなしたりする(ポール・マッカートニー)。
 その器用さの上に、さらに美しい歌を作り続けるのだから、彼らの才能のすさまじさには畏怖の念を覚える。

背後に迫り来るD.クロスビー2009/05/13 22:01

 6月のジョージ・ベスト,[ Let It Roll ] 発売を控えて、ジョージ音源断ちをしている。その日まで、ジョージの音を(ビートルズ,ウィルベリーズを含めて)聞いてはいけないという、謎の自己鍛練だ。
 しかし、これは意外に辛い。意識すると、無性にジョージが聞きたくなってしまう。
 今回の音源断ちは、ディラン様やTP&HBはOKなので、いよいよ我慢できなくなった時のために、彼らを温存し、今はザ・バースを繰り返し聴いている。
 それで、YouTubeで映像もつまみ食いしているのだが、1990年ロジャー・マッグインとデイヴィッド・クロスビーのライブが目に付いた。このライブはどういう看板だったのだろう…?

 いや、それよりも、なによりも、この映像。名曲、" Mr. Tambourine man " ― 最初から最後までかなり笑いっぱなしになった。



 わー、なんか…デイヴィッド・クロスビーって知ってたけど…凄い厚み!あのお腹の上に斜めになったストラトキャスターが、おもちゃのようだ。
 そういえば、こういうの居るよね、ディズニーランドのウェスタン・ランドに。カントリー・なんとかって…

 そして、おもむろに登場するディラン様。なんだこりゃ、エライ演歌なノリで、出てきただけでムズムズと笑いがこみあげる。しかも、この1990年代初頭、彼のマイ・ブームだったらしき、短い丈のジャケット!
 リハぐらいしたはずだろうに、今さら照れるんだかなんだか知らんが、キョロキョロし、ニコニコ、出だしを躊躇する。
 最初はクロスビーとワン・マイクだったディラン様。そのうちマッグインが侵略してきて、なんだか壮絶なワン・マイクになった!声の張り合いだ!
 しかも、背後のクロスビーが!ジワジワ迫ってくる!ニコニコ迫ってくる!迫ってくるッ!
 背中に感じるものでもあるのか、(おびえながら?)振り返るディラン様!動じないマッグイン!
 結局、クロスビーはマッグインの元居たマイクに移動してしまった。 マッグインの粘り勝ちか…

 演奏が終わると、何が可笑しいんだかクロスビーをボヨンと、どつくディランさま。やり返すクロスビー!
 演奏中、客席でハイテンションで踊りまくっていた女性もあいまって、笑い通しだった。ああ、なんだか幸せな気分。

 それにしても、デイヴィッド・クロスビーの高音は美しい。容姿的からすると、ちょっと意外なエンジェル・ハイトーン。まぁ、昔からあの厚みだったわけじゃないからね。
 彼を見ていたら、故ルチアーノ・パヴァロッティを思い出してしまった…。

若鳥の見分け方2009/05/16 22:02

 私はザ・バーズ The Byrds がけっこう好きだ。
 どれくらい好きかと言えば、別格に好きなのがジョージ、ディラン様、TP&HB。次のレベルにストーンズ、ザ・バンド、ビートルズ…そして、ザ・バーズ、ブリティッシュ・ブルース・ロックの面々などと続く。
 ところが、聴く量に対して、ビジュアル情報が圧倒的に少ないのが、バーズなのだ。確かに、見れば「それ」がバーズであることは分かるのだが、その詳細となると甚だ怪しい。まず、全員の名前と顔が一致しない。

 この現象は、何も私だけの責任じゃないだろうと、負け惜しみを言ってみたくもなる。
 メジャーな映像作品が身近じゃないし、アンソロジー的作品もない!(ないよね?)しかも、メンバー交代は激しいし、e がついたりつかなかったりするクラークだの、ジーンだの言う名前が複数在籍し、果ては名前を変える輩まで居る!

 まずは、セカンド・アルバム [ Turn! Turn! Turn! ] から。



 左からデイヴィッド・クロスビー、(上)ロジャー(ジム)・マッグイン、(下)ジーン・クラーク、マイケル・クラーク(+e)、クリス・ヒルマン …あ、合ってるよね?!
 うむむ、クロスビーとマッグインはともかく、あとの3人の見分けが怪しい。髪型を変えてほしい(←ビートルズ・ファンの言う事か!)。クロスビーは、よくこの可愛い格好をしているけど、これって何と言うのだろう。スモックとか?
 蛇足だが、この [ Turn! Turn! Turn! ] のジャケット写真と、中ジャケ写真は同じフォトセッションで撮影されているようだが、どちらかが裏焼きになっている。それは、ジーン・クラークの髪の分け目で気付いた(そこで見分けようとしていたのだ!)。それから、マッグインの服の合わせ方も違う。

 次の写真。



 ええと…クロスビーとマッグインは分かるんだけど…まてよ。むにゃむにゃ。
 左から、マッグイン、マイケル・クラーク、クリス・ヒルマン、ジーン・クラーク、デイヴィッド・クロスビー。…合ってる?とにかく、マイケル・クラークと、クリス・ヒルマンが見分けられない!ジーン・クラークも怪しい!

 若い頃でも見分けられないのだから、髭ボー髪ボーともなると、もうお手上げだ。
 メンバー全員が粒揃いで見分けやすいビートルズは、例外的と言うべきだろうか(何せ、「メガネ・タレ目・鼻デカ・美男子」で全てが説明できるのだから)。

 それにしても、若さというのは恐ろしい。若きデイヴィッド・クロスビーのラブリー加減には、「詐欺」という二文字さえ頭に浮かぶ。ロジャー・マッグインのあのサングラスは、上目遣い攻撃で女性のハートを刺激する計算があるとしか思えない。
 トムさんもロジャーの真似してあのサングラスをかけていることがあったが、上目遣いをしなきゃいけない事が分かっていない。修行の足りないトムさんであった。
 関係ないが、the Byrdsを画像でググると、トムさんがたびたび引っかかった。バーズ・ファンの面目躍如、良かったね。

君はロックンロール・スター!2009/05/18 22:03

 ジョージ音源断ち期間の切り札として、TP&HBは温存しているつもりだが、やはりザ・バーズなんぞを聴きこむと、TP&HBに突入せずにはいられない。

 バーズとTP&HBと言えば、なんと言っても最初に思い浮かぶのが、"So you want to be a rock 'n' roll star" ― まだトムさんの存在も認識できていなかった時期に、MTVでTP&HBがこの曲を演奏する85年の映像を見て(Pack up the plantation から、1曲切り取ったミュージック・ビデオとして、頻繁に流れていた)、「このバンド、格好良いな~」と感動していた ― つまり、これが私とTP&HBの出合いだったからだ。

 バーズの映像をYouTubeで鑑賞していた流れで、"So you want to be a rock 'n' roll star" のTP&HB別バージョンを初めて見た。これは、1982年の映像。



 これは良い!すばらしい!映像が悪くて、ほぼトムさんとマイクしか認識できないけど…

 演奏の完成度がまず凄い。特にコーラスワークの出来が良い。85年の時はコーラスのお姉さんが加わっていたので、TP&HBにしては少しバランスの変わったコーラスだった。一方、この82年はハウイ,スタン,ベンモントと、もしかしたらパーカスのフィルも加わって、かなり硬いハーモニーになっている。あれだけノリノリで、格好良く平行移動の和声を繰り出すのだから、よほど調子が良いのだろう(厳格なクラシック和声法では、平行は禁じ手。でも、あえて格好良い所で平行を繰り出すのが、センスの良さ)。
 85年には居たホーン・セクションもないので、マイクのギターも余計に堪能できる。
 そして、いつもの変わらぬリッケン馬鹿二人。85年のトムさんは[ジョージ赤リッケン]だが、この82年では[ロジャー黄リッケン]。もとがバーズの曲なんだから、[ロジャー黄リッケン]の方が正統派か?いやいや、ロジャーとても [A hard day's night] のジョージに惚れてリッケン弾きになったのだから、どっちもアリか。
 何と言っても、若い!トムさんが若い!32歳か…80年~82年頃のトムさんは、「女子度」が最も高い頃なので(「女の子を侍らす度合」ではなく、「女の子っぽい度合」のこと)、なおさら可愛い。
 例によってマイクに吸い寄せられ、耳元で何か言っているが…だから…聞こえないでしょ…。マイク、聞き返してるし。美容院で、髪を洗いながらとか、ドライヤーを使いながら話しかけてくる美容師の気が知れない。

 このライブの映像は、所々で断片的に目にする。とにかく若いトムさんと、ハートブレイカーズが可愛いので、きれいな映像でたっぷり見てみたい。まさに、きみはロックンロール・スター!
 そんなロックンロール・スターも、年をとれば、こんなんにもなるのさ!↓



 なんだこりゃ。若鳥の画像をググってたら、ぶちあたったので、ついでにさらす。…ハムレットごっこかな?

Shout!2009/05/21 23:44

 5月21日は、スタン・リンチのお誕生日!おめでとう、最近は元気にしてるかな?

 一方、アイズレー・ブラザーズのロバート・アイズレーも、1941年の5月21日生まれだそうだ。
 アイズレー・ブラザーズと言えば、"Shout !" ビートルズや、TP&HBもカバーしている名曲中の名曲だ。



 わぁ、けっこう踊りまくってるのね…。

 そして、こちらがビートルズ。たしか、テレビ番組だったと思う。Ready steady and go... だっけ?音大の図書館にこの番組のビートルズ出演回,レーザー・ディスクがあったので、かなり繰り返して見た覚えがある。そろそろ、DVD化してほしい。



 ボリュームを下げるに従って、なんとなく自信なさげになるジョージが可愛い。