父ちゃんどこさ行った2009/05/23 23:11

 美男子ジャケットと、キャッチー&魅力溢れる選曲で、ファン拡大確実な(しかも、私もウキウキしている)ジョージのベスト版が出るまで、ジョージ断ちをしている割には、先日の "Shout !" でしっかりFABを見てしまっている。まぁ、「ブートはOK」とか、「自分でラジオにリクエストしておく」とか言うレコスケ君よりはましだろう…

 とにかく、「聞いてはいけない」と決めると、聞きたくなるし、それをごまかすためにあらぬ方向へ流れることもある。
 そのひとつが、奈良寮子の「父ちゃんどこさ行った」。YouTubeには、全く関係ない映像をくっつけてアップされている。確かに、「日本昔話」の雰囲気は似ているが…。とにかく、音声と画像はまったく無関係である。

→父ちゃんどこさ行った by 奈良寮子

 この曲は、有名な「幻の名盤解放歌集*日本コロムビア編 スナッキーで踊ろう」に収録されているので、かなりよく知られているだろう。

 1972年に発売されたこの歌、これほど悲惨な歌詞でありながら、私から引き出されるのはひたすら笑いである。
 特に、「東京の姉ちゃんに騙されて~♪」…が大好き。ちょっと待ってくれ奈良さん、父ちゃんの消息は分からなくても、東京の姉ちゃんに騙されたことは分かっているのか?
 そして最も悲惨なのは、「近所の人たち口うるせぇ~♪」…これは辛い。「父ちゃんどこさ行ったー!」と絶叫もしたくなる。
 ソロ(?)を任されている笛の音はなんだろう?口笛をイメージしているようだが、実際は何かパイプに聞こえる。奈良さんの悲惨歌唱をひきたてる名演奏。

 「父ちゃんどこさ行った」の歌詞を、そのまま英語にして、思いっきり泥臭いブルースなんかにしたら、格好良いかもしれない。

先生、長すぎます!2009/05/25 22:30

 目下、ピアノに関する心配は、12月の演奏会で何を弾くか。

 そういうことは、3か月前に決めるのが普通だが、ピアノに関しては何もかも自信の無い私は、6か月でも準備期間としては十分とは言えない。
 勝負となると、常にバッハで乗り切ってきた私だが、平均律を前回弾いてしまったので、さすがに駄目だろう。
 てっとり早く仕上げられるものとしては、シューマンの幻想小曲集「飛翔」がある。決して簡単な曲ではないし、派手で良いのだが、多少自分を甘やかし過ぎのような気もする。
 ここのところずっと、ベートーヴェンのソナタを弾いているので、これを持ってくるか。
 連続してタイトル物をさらっているのだが ― 「テンペスト」,「月光」,「パストラル(田園。交響曲第6番とは関係ない)」 - ひとつの楽章だけだとおさまりが悪く、全楽章には無理がある - が、「月光」だけは全楽章弾く体力を保てるか…?!うむむ、困った困った。

 YouTubeで見かけて、大爆笑してしまった「ベートーヴェンのピアノソナタ・パロディ」。これは凄い。まず、私は1分10秒のところでドッと噴き出した!そうそう、やるやる、ベートーヴェン先生はそれをやる!



 演奏しているのは、イギリスのコメディアン,ダドリー・ムーア。1935年生まれ。オックスフォード大学で音楽を学び、その後ピーター・クックと組んで、伝説の英国20世紀コメディ草創期作品「ビヨンド・ザ・フリンジ」を制作した、超大物。
 さすがは英国コメディの典型、オックスブリッジのコメディアン。古典に対する理解が、ただごとではない。彼の活躍は、ウィキペディアにも長大に述べられているように、とにかく多岐にわたっている。

 ピアノの演奏は上手いの一言につきる。「ボギー大佐」のメロディを、みごとにベートーヴェンの「熱情」っぽく作り上げ、しかも笑わす。第一、あの珍妙なピアノは何だ?
 そして、一番の見せ場は長大なコーダ(曲をしめくくる部分で、ジャジャジャーン!と派手にぶちかますことになっている)。
 そう、ベートーヴェンの特徴と言えば、むやみにコーダが長い!それって、コーダの長さか?4分半の演奏のうち、1分以上がコーダなんですけど! 弾いてる本人が嫌になる!

 以前、清水ミチコがよくピアノを弾いていたが、彼女もベートーヴェン風と称して無意味に長いコーダを延々と弾いていた。それを聞いたときも大笑いしたものだが、彼女もこのムーアに影響されているのかもしれない。
 あ、いや…ベートーヴェン風と言えば、100人中100人が長すぎコーダをやるのか。ディランの物まねと称して、誰もがダミ声で歌い出すように(「ナッシュヴィル・スカイライン」の真似は誰もしない)。

バイユーの砦2009/05/27 23:04

 オリジナルはザ・バーズ、マッドクラッチもカバーした "Lover of the Bayou" に関して、私はある誤解をしていた。
 「バイユー」という日本語表記を見て、それは「バイユーのつづれ織り Tapisserie de Bayeux」のバイユーの事だと思っていたのだ。

 歌に歌われた Bayou は、アメリカ南部ミシシッピ川などの流域に広がる、川,湖,沼,湿地のような入り江の名称である。そりゃあ、バーズならノルマンディーにコンクェストよりも、ミシシッピ・デルタにケイジャンだろう…。

 これはマッドクラッチの映像。さすがにマイクとベンモントの超然とした名手ぶりが光る。そしてトムさん。目一杯おしゃれして格好良い。やっぱり、女優はこうでなきゃね。



 ミシシッピ州ヴィックスバーグは、アメリカ南部連合にとってミシシッピ川に残された最後の砦であり、ミシシッピ川におけるもっとも重要で守りの固い場所でもあった。北部連合としては、ここを落とさないうちはけっして西部戦線を優位に運ぶことはできないのである。

 当初、リンカーンは海軍でもってヴィックスバーグを落とせると楽観していた。デイヴィッド・ファラガットが既にミシシッピ川河口のニューオーリンズを落としていたからである。
 しかし、ヴィックスバーグは川湾曲部を臨み、支流との合流点にも近い断崖に位置しており、川から海軍でもって落とすのは不可能だった。海軍が陸上拠点を落とすことなど無理なことなど、普通わかりそうなものだが、当時のアメリカにおける海軍の認識というのはその程度のものだった。地理的条件が海軍王国イギリスとは違いすぎるので、それも致し方がない。

 ともあれ、北軍は川からヴィックスバーグを落とすことをあきらめた。そして1862年11月よりユリシーズ・グラントがミシシッピ川方面の北軍担当司令官となり、本格的な陸上からの攻撃が始まった
 しかし、グラントにとってヴィックスバーグ攻略の前半は失敗の連続だった。ただでさえ困難な軍事行動なのに、リンカーンのきめ細やかな政治的配慮のせいで、やや指揮系統が混乱気味だったこともある。そして、もっとも北軍を悩ましたのはミシシッピ川流域のバイユーという地形である。
 当時、バイユーがどのように位置しているのかさえも地図に明記されておらず、グラントはまず調査隊を派遣してバイユー把握に努めなければならなかった。

 1863年に入ってもヴィックスバーグに指一本触れられず、グラントは作戦の転換を考え始めていた。
 どう作戦変更をするにしろ、北軍はバイユーを克服しなければならなかった。この試みに、グラントは時間をかけて臨む覚悟だった。

Bob meets The Beatles2009/05/31 23:41

 ジェイコブ・ディランのソロ作品にアニメのミュージック・ビデオがあって、なかなか可愛くて良かった(ストーリーは暗いけど)。
 一番のツボは、紛れ込むリック・ルービン。あのジェイコブのキャラ、フィギアを作って携帯ストラップにしたい。もちろん、リック・ルービンつきで。
 → YouTube / Evil is alive & well

 では、パパ・ディラン様のアニメはあるのかしらん?(トムさんはオフィシャルでもあるし、こんなんもあるし…)
 本当にあった。もちろんオフィシャルではないが。このアニメは、ビデオ・ポッドキャスト局Channel Frederatorの、コンテンツの一つ。ディランが初めて会ったビートルズに、マリファナを教えたという例のエピソードを題材にしている。



 何だ、こりゃ。端から、笑いが止まらないみなさん。凄いぞ、英国からやって来た坊やたちからお金をふんだくる、悪党ディラン様!素直すぎるジョンとポールは、けっこう普通の人。甘いなぁ…ディランにとっては良いカモですね。リンゴは早々にペッパーランドにトリップしています。
 一方、我関せずで、超然とスナックをむさぼり食うジョージは、すでにインド。ジョージって、良く食べるのが、ステレオタイプのイメージなのだろうか?とにかく、ディランとしては、そんなジョージがツボでクールだったようで…つまり、後に魂レベルの友情を築くきっかけでありました、と言うことか…(いや、違うか…)。
 ともあれ、終始マイペースで、坊やたちを煙に巻くディラン様。素直に「すげぇなあ」と圧倒されるジョンとポール。その結論は、現実と同じなのかもしれない。

 それにしても、ディランはそれなりの「物まね」が入っているが、ジョンとポールに関しては最初から放棄している。ディランの物まねはそれほどやりがいがあるらしい。