For What It's Worth2019/07/28 21:40

 1966年にリリースされた、バッファロー・スプリングフィールドの "For What It's Worth" は、スティーヴン・スティルスの作品だそうだ。
 時流の中で反戦歌として受け入れられているが、スティルスが触発されたのはナイトクラブをめぐるデモとのこと。
 実際なにを元に音楽が作られるのかはともかくとして、曲そのものが素晴らしく美しく、クールだ。



 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズもこの曲をカバーしている。
 有名なのは、バッファロー・スプリングフィールドがロックの殿堂入りセレモニーの際のジャムで、トムさんが加わったときなのだが、どうもこれはリハ不足で(特にトムさん)、グダグダ。
 それよりも、1987年のライブ・バージョンが圧倒的に格好良い。



 ドローンとしたイントロに、淡々としたトムさんのヴォーカル。曲がどんどん盛り上がり、観客の熱も上昇していく。
 この時期は、スタンのドラムスに、ハウイのベース&コーラス。この取り合わせも大好きなのだ。ちょっとスマートではない、バタバタした感じが、むしろバンドに合っている。そしてハウイの完璧なコーラスが、この曲を輝かしいものにしている。
 マイクのギターソロは言うに及ばず。思いっきり音を歪ませ、ヴォーカルの美しさとは対照的に、ひにくれたサウンドで歌い上げてゆく。これはトムさんのギターとも絡みが最高だ。

 これ、どうしてこれまでどのライヴ盤として発表されていないのか、不思議なくらいだ。TP&HBにはまだまだそういう音源がありそうで、油断ならない。