ピアノ名曲名盤10532009/12/14 22:40

 クラシック音楽のCDを購入する時、どの盤を買えば良いか迷うことはないだろうか。

 基本的にクラシックに興味がないくせに、必要に迫られて(自分で弾くにあたり、参考になる手本が欲しい)ピアノのCDを買わねばならない私は、毎回困っている。
 無論、買うべき曲目は決まっているが…誰が、いつ演奏したどの盤が良いのか?特にお気に入りのピアニストの盤があればそれで良いが、なかなかそうも行かない。録音が古すぎると音質に難があるし。一緒に収録されている曲にもお得感があった方が良い。でも結局、わからなくてジャケ買いだったり、ひどい時になると一番安価なものを買ったりする。
 そうこうしながらCDショップのクラシックコーナーで、蟻が這うがごとき微細なタイトル文字を見つめていると、頭が痛くなる(渋谷のHMV クラシック・コーナーの棚の脇には、虫眼鏡がぶら下がっている)。

 そんな私にちょうど良いムック本を発見した。音楽之友社から出ている、「ピアノ名曲名盤1053」である。バロックから現代までのメジャーな(いや、かなりマニアな曲も含む)ピアノ楽曲の、お勧めCDを紹介した本である。  選者は、日本人の音楽学者や評論家だろう。彼らの趣味でCDが選択されているのだが、突拍子もないチョイスは避けて(もし、少しクセがある場合は、その旨を断わってある)、いわゆる「定番」「鉄板」、そして安心できる名盤をずらっとそろえてくれている。
 これがあれば、私も選択に迷った時に参考にできるだろう。クラシックにそれなりのこだわりのある人には許容できない面もあるだろうが、そもそも私程度の「楽して名盤をゲット」を狙う人向けの本だと思われる。
 惜しむらくは、ピアニスト索引がないこと。作曲者だけじゃなくて、演奏家でも探したいのだが。



現代的な選択?
 全体的には、あまりにも古典過ぎる録音は、選ばれていない。たとえばルビンシュタインや、ホロビッツ、などは皆無ではないものの、名声のわりに少ない。それから、個性的過ぎるという意味なのか、ミケランジェリがほとんど見られなかった。

ベートーヴェンの定番
 「定番とは何か?」を考える上で、ベートーヴェンのチョイスが面白かった。ポリーニ、ブレンデル、リヒテルのオンパレード!時々グルダ、バックハウス、アルゲリッチ…。やっぱりポリーニ、ブレンデル、リヒテルは鉄板なんだな…。
 一方、モーツァルトの場合はラローチャや、へブラーなど、女性率が少し上がるのが興味深い。

日本が誇る大ピアニスト
 ズバリ、内田光子。彼女のCDがかなり多く選ばれている。無論、日本人としての身贔屓も皆無ではないのだろうが、やはり彼女こそ、ポリーニやアルゲリッチのような、現役,一流のピアニストとして目される、ほぼ唯一の日本人ピアニストだろう。これはさすがに納得。

ゴルドベルグはグールドで決まりだが…
 彼がどんなに異端であろうと、変態であろうと、バッハの「ゴルドベルグ組曲」だけは、絶対にグレン・グールド。これも異論はなかろう。しかし、グールドの初期録音か、晩年録音かで意見は分かれる。この本では、晩年版を選んでいる。
 私は絶対に初期だけどな…。私は若さのみが持ち得る、一種の狂気みたいなものに惹かれる。

 私自身のピアノの発表会曲は、シューマンのピアノソナタ2番,g-moll (第一楽章のみ!)。この曲は、マルタ・アルゲリッチが選択されていた。YouTubeで彼女の演奏を探してみると…

→ YouTubeでアルゲリッチ / g-moll mov.1

 むりーッ!!!金輪際ムリッ!!!!なんぢゃぁこの速さは!まるでTP&HB 1994年の "American Girl" だ!(←不適切な比喩)
 まったく、世の中には恐ろしい人間が居たものである(いや、人間じゃないかも)。

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