Shaved Fish2009/09/29 22:10

 誰かにあるアーチストを紹介する時、最初に聞くものとしてお勧めするアルバムは何か。よくある話だ。

 TP&HBであれば、[Greatest Hits] はもちろん、[Damn the Topedoes] や、ソロではあるが[Full Moon Fever] など、最適な作品が多い。
 一方、ジョージの場合は傑作アルバムが多いものの、初心者にとっては意見が分かれることが予想されるので、少し難しい。それも、このたびのオールタイム・ベスト,[Let It Roll] の登場ですっかり解決した。

 先日、ジョン・レノンの場合はどうすれば良いのだろうかという話題が出た。
 私はとっさにピンとは来なかった。少し考えて、自分の所有CDの中では、映画「イマジン」のサウンドトラックを、ジョンのベストと位置づけてはどうかと思った。しかし、ちょっとバランスに難ありと思ったので、あえなく却下。
 そこで、思い出したのが、[Shaved Fish] 。ジョンの生前,1975年に作られた、ベストアルバムである。「ジョン・レノンの軌跡」という気の利かない邦題がついているが、「鰹節」という意味の、"shaved fish" の方が断然良い。



 私が購入した最初の、ビートルズ・メンバー・ソロ作品である。6歳から18歳まで習っていたピアノの恩師宅近くで買った覚えがあるので、中学生か、高校生の時だろう。
 ビートルズ・ファン当然の成り行きとして、ソロ作品に手を出したわけだが、我ながら中々難しい選択をしたと思う。

 何せ冒頭の"Give Peace a Chance" は僅か1分弱でフェイド・アウト。そして "Cold Turkey" の5分。ジョンの悶絶声を、中高生だった私はどう聞いていたのだろう。
 以降、"Instant Karma !", "Power to the People", "Mother", "Woman is the Nigger of the Wolrd", "Imagine", "Whatever Gets You Thru the Night", "Mind Games", "#.9 Dreames", "Happy Xmas"
 以上、11曲。ハードな曲が多い。

 ベストのような、肝心な曲が抜けているような。悪くはないが、初心者向けとしてお勧めかどうかは自信が無い。
 それでも、年に2,3しかCDを購入できなかった時代のこと、とても大事に聞いていた。私が好きだった ― 無論、今も好きな曲は、"Instant Karma !" と、"Power to the People", "Whatever Gets You Thru the Night" 分かりやすいロックンロール志向である。

 そういえば、若きマッドクラッチ(TP&HBの前身バンド)が、"Power to the People" と、"Isn't It a Pity" を、カバーしている録音が残されている。この選曲のストライクぶりが嬉しい。
 ブートだそうだが、欲しくてたまらない。