フィレンツェからの帰還2023/04/15 21:20

 フィレンツェから帰ってきた。約三年半ぶりの海外旅行。ああ、こういうものだったなぁという旅行の実感を取り戻した5泊7日だった。

 ルネサンス美術好きにとっては夢の旅、フィレンツェ5泊滞在。ウフィツィ美術館、アカデミア美術館、パラティーナ美術館(ピッティ宮殿)には朝一番の予約を取り、その時間より前に入り口に並び、並み居る名品の数々を、ひとも少なくたっぷり堪能できた。パラティーナの二大ラファエロ作品の部屋に、数十分私しかいなかったのには驚いた。
 やはり映像で見たり、本で見たりするよりも、現物を目にすることは何倍も素晴らしい経験だ。
 こちらは、サン・マルコ美術館(修道院)の階段から。ああ、これぞフィレンツェ!



 しかし一方で、私が夢に見ていたフィレンツェは、実在しないということを思い知らされた。観光客で溢れかえり(まだ少ない方だったのかも知れない。第一、私が観光客だ)、狭い道にはびっしり車とバイク。そしてその路上にはゴミ、路上喫煙、路上飲食が横行し、ヴェッキオ宮殿の入り口で係員が大声を張り上げる。
 夢のような憧れのフィレンツェは今はもうなく、ローマ、京都などに代表される、歴史の古い都市観光地の限界を実感させられたのだ。グチャグチャの町のなかに、本物の天上の傑作が点在し、私は細い路地の人、車、ゴミ、犬、ハトを乗り越えて、それらになんとかたどりついたのだった。

 詳細もレポートしたいが、実は帰りのトランジットの問題で、ロストバゲージになってスーツケースが戻っていないのだ。従って資料も手元に無い。まぁ、一日くらい大丈夫だろうと高をくくっていたが…化粧品だけでも、明日の午前中に届けてくれ!ディラン様に会いに行くのだ!(切実)

 こちらは、ルネサンス美術で一番のイケメン。アンドレア・デル・サルトの「ハルピュイアの聖母」の、福音書書記者ヨハネ。
 私の好みが色濃く反映されていてて、誰かさんに似ているよね。