Tom Petty & The Heartbreakers in Prudential Center 16th June 20172017/06/19 22:02

 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのデビュー40周年ツアーを、ニュージャージー州ニューアークのプルデンシャル・センターで見てきた。
 セットリストは以下の通り。

Rockin' Around (With You)
Mary Jane's Last Dance
You Don't Know How It Feels
Forgotten Man
You Got Lucky
I Won't Back Down
Free Fallin'
Walls
Don't Come Around Here No More
It's Good to Be King
Crawling Back to You
Wildflowers
Learning to Fly
Yer So Bad
I Should Have Known It
Refugee
Runnin' Down a Dream
Encore:
You Wreck Me
American Girl

 ステージ左後方の席で、視野はこんな感じ。



 バンドを背後から見ることになるのだが、これが意外と見やすい席だった。ステージが近いので米粒というわけでもないし、アリーナのように前列の人のせいで、視界に苦労することもない。たまにスクリーンも見れば良い。スマホのカメラからこれなので、実際はもう少し近く見えた。これまでに見たTP&HBのなかでは、ベスト3の場所だった。

 印象に残ったことをいくつか。
 デビュー40周年という特別企画的に、冒頭に "Rockin' Around (With You)" が演奏された。いつものとおり、マイクがまずステージに登場し、ハートブレイカーズの最後としてトムさんが現れる。珍しくまずスピーチをして、この曲が最初のアルバムの、最初のトラックであることを紹介した。「とにかく今日は100%ロックンロールだ!」
 実のところ、会場の大観衆は、この曲で盛り上がり切れなかった感はある。私は大好きだが、グレイテスト・ヒッツしか持っていない人も多いはずで(前列のカップルがその好例)、この曲を知らない人もいただろう。しかし、そこは40周年なので、こういう選曲をして、オリジナルアルバムを改めて聞き直してもらう良い機会だ。

 そのような訳で、本当の盛り上がりは "Mary Jane's Last Dance" と "You Don't Know How It Feels" から始まったと言って良いだろう。
 "Forgotten Man" は最新アルバムからの曲だが、そうとは思えないほどノリノリで格好良かった。続く "You Got Lucky" は、トムさんが「1982年の曲だ、みんなわかるだろう?」といって始まる。
 "I Won't Back Down" や "Free Fallin'" など、約2万人が一斉に大合唱するのを聞くと、「いつも同じヒット曲のラインナップ」も致し方が無いと思う。大ヒット曲だけで2時間構成できてしまうのだし、「あの名曲」を合唱せずに帰されるのも悲しい。
 それにしても、"Free Fallin'" が始まる前に、トムさんとマイクは何をあんなに顔を近づけてしばらく…ゴニョゴニョ…やっているのか…何?何なの?!46年以上一緒にやっていて、まだそんな至近距離で、しかもステージ上で、何か話さなきゃ行けないことがあるの?!

 今回のラインナップの中で最も印象的だったのは、"Walls"。エレクトリック・バンド編成だったことがさらに良かった。女性ヴォーカル二人の功績でもある。この大名曲は、もっと知られても良い。
 グレイテスト・ヒッツには入っていないので、前列のカップルも座り込んでいるので、心置きなく楽しめた。

 メンバー紹介はいつ見ても良い。マイクの時の盛り上がりが凄まじく、余りにも盛り上がるので一曲歌い出すのかと思うほどだった。そもそも、紹介のスピーチからして、他の人の倍はある。
 「初めて会ったときは、ひでぇ日本製のギターを持ってて、だめだこりゃと…」
 あらやだ、嬉しい。ひでぇ日本製のギター様々。

 アルバム [Wildflowers] からの3曲連続は、今後の活動を予感させる物で、とても良かった。"It's Good to Be King" などは、それほどみんなのお気に入りでは無いと思うが、だんだんと大迫力に引き込まれ、最後は口を開けて呆然とさせられる。

 たしか "Runnin' Down a Dream" でのピアノ・ソロだと思うのだが、マイクがベンモントのキーボードの上に肘をついて「ゴロニャーン」なポーズを取るのが、心臓に悪い。可愛すぎる!やめて!
 そして膝が痛いのに、ピョンピョン跳ねるベンモント。(ライブの前日にマンハッタンのSteinway & Sons に行ってベンモントがいないかどうかチェックしたことは秘密だ)

 "American Girl" はいつ聴いても名曲。キーはオリジナルと同じDだったと思う。やはり、女性コーラスを入れることによってスコットの負担を減らしたことも功を奏したのだと思う。
 最近までやっていた、むやみに長いエンディングはやめて、スパッと終わらせたと思う。余韻も相まってとても良かった。

 いつもの通り肩を組んで挨拶をして、最後にマイクがステージを後にする。フロント・マンはトム・ペティで、バンドリーダーがマイクなんだなぁと、実感させられた。
 こちらは、今回撮った唯一の動画。



 前座のジョー・ウォルシュ?ごめん、覚えていない!良かったけど、ハートブレイカーズが全てを吹っ飛ばした!