Heartberakers ハイドパークに見参!2017/07/08 22:48

 さていよいよ、9日日曜日は、ロンドンのハイドパークで行われる、"Barclaycard presents British Summer" の最終日、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズが登場する。



 ところで、ハイドパークのことである。
 私はこれまでに4回ロンドンに行っているが、実はハイドパークには行っていない。厳密に言えば、ロイヤル・アルバート・ホールの写真を撮るためにアルバート記念碑のところには行ったが、ハイドパークには用が無いので、入っていないのだ。
 私は旅行ガイドによくある「のんびりお散歩」というものには全く興味がなく、目的地を決めると、まっしぐら、脇目もふらずに最短距離,最短交通手段を取る。そうなるとニューヨークのセントラル・パークやハイドパークを、のんびりお散歩という選択肢は生まれてこない。

 ハイドパークの歴史をWikipediaで見てみると、11世紀のノルマン・コンクェスト後の検地ですでに "Eia"卿の土地として記録されているとのこと。この "Eia" 卿だが、その後イーバリー Ebury と呼び方が代わり、ベルグレーヴィアの通りにその名が残っているそうだ。ついでに言えば、モーツァルトは8歳のとき、ここに滞在し、彼にとって最初の交響曲を作ったと言うことになっている。
 ともあれ、今のハイドパークの原型は、その後ウェストミンスター・アビーの荘園となった。
 16世紀にはヘンリー8世がアビーから荘園を買い上げ、その後王室所有の森,もしくは猟場になった。
 この公園が広く市民に開放されたのは1851年の万国博覧会以降のようだ。

 ハイドパークで大規模なロックコンサートが行われるようになったのは、1968年以降で、ピンク・フロイド、ブラインド・フェイス、そしてザ・ローリング・ストーンズがその始まりを飾った。
 1990年代のプリンス・トラストではボブ・ディランが登場して、その映像は私のお気に入りだ。こういうロックなディランが格好良い。さりげなくゲストのロニー・ウッドが楽しそうにしているのが、また良い。



 さて、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ。前座をつとめるスティーヴィー・ニックスと共演することは予想の範囲内だが、それ以上の何かサプライズがあるのか、そしてトムさんは屋外限定らしき、謎のターバン(ワイト島のディラン様のまねだと思う)で登場するのか?楽しみだ。

F1 Live in London2017/07/14 23:36

 ハイドパークでのハートブレイカーズ・ライブの熱もさめやらぬロンドンに、F1マシンとF1パイロットが登場し、轟音をとどろかせた。
 名付けて、"F1 Live in London" !これ、最高!ネーミングも最高!  テレビ中継も録画してあるので、ブリティッシュGP予選の前に見ておかねば。



 デイモン・ヒルもすっかり髪が白くなって。でも、相変わらずスマートで格好良い。こういうイベントでも輝くデイモンは、やはりヒーローなのだ。

 こちらは、トラファルガー広場での、パイロット紹介と、ボッタスによるシャンパンファイト。



 なぜか全速力で逃げるライコネン。おいしいところ持っていくなぁ。
 そしてあの笑顔は世界共通で愛されている、リカルド。観客達が "Shoey! Shoey!" と叫んでいる…

 ベッテルがブーイングを受けるんじゃないかと心配していたのだが、意外にも大歓声。どうも、20人のパイロットのうち、英国人スーパースターのハミルトンだけが欠席したことにブーイングがあったようだ。
 ハミルトン、空気読めなかったかなぁ…週末のレースで勝てばそれで良いのだろうが、今年からのF1は去年とは違うと言うことを、自分の空気として吸い込む気がないみたい。スペインでのライコネンとは対照的になってしまって、ちょっと気の毒なほど。

 こちらは、2015年のマシンでデモンストレーション・ランをするベッテル。トラファルガー広場のネルソン提督から、ホワイトホールのケンブリッジ公爵まで。



 F1としてはゆっくりだけど、なんと言っても音が凄いだろう。ほかにも沢山のドライバーがランして、ドーナツターンして、エンジンストールしていた。昔のルノーや、セナ・プロスト時代のマクラーレンも。

 こういうイベントは良いと思う。もし本当にロンドン市街地コースでF1レースをやるなんてことが現実になったら、ものすごく見たい。

Dylan Phone2017/07/17 20:34

 なぜ…なぜ、フェラーリが揃いも揃ってパンクするのか…

 携帯電話を買い換えた。
 私はあまりこの手のガジェットに凝る方ではない。スマホもやっと2年前から使い始めたほどだ。しかし、興味が薄すぎて、機種選択を失敗した。格安スマホであることは構わないのだが、さらに機材まで安くて小さければ良いという、いい加減な基準で選んだため、とんだポンコツを持っていたのだ。
 支払いも終わったので、とりあえず機種変更。今回は分割にせず、一括で払った。

 さて、先代のスマホのカバーにはストラップの装着ができたのだが、今回の機種にはできない。スマホを飾り立てる趣味はあまりないのだが、味気ないのもどうかと思う。
 最低限のカバーはつけるとして、背面に何か小さなステッカーをシンプルに貼って、飾ろうという気になった。

 ここからが一苦労である。
 どんなステッカーが良いだろうか?トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのロゴ?しかし横長なので、バランスが悪いかも知れない。ストーンズはちょっとアピールし過ぎだし。ビートルズのロゴでもクールで良いがジョージファンぽくはない。ジョージ関連のロゴでも良いけど、謎のパワーを発しそうで恐い。
 あれこれ検索していると、こんなデザインを目にした。



 おお!ディラン様!これは格好良い!マックユーザーではないが、格好良い!
 しかし、これらはノートやタブレットの背面だ。スマホの背面にちょうど良いものは無いだろうか…
 部屋を見回して、発見した。モノ・ボックスの小さなちらしだ。何かの新譜に挟まっていたのだと思う。



 さぁ、工作タイム!
 ディラン様の周りを丁寧に切り取って…お名前も適当に切り取り…スティック糊をちょっとつけ、スマホの背面にペタリ。カバーをつけると…



 おお!これは!期待以上の仕上がりではないか!
 当初の予定「小さなステッカーをシンプルに」では全然なくなり、やたらと存在感を発揮しまくる。でもディラン様だから許される。
 ほんと、この時期のディラン様の容姿と来たら無敵である。対抗しうるとしたらジョージくらいしか居ないだろう。

 不器用で工作は全く不得意な私にしては、出色の仕上がりになって、とても満足している。大事に使おう。

Summertime Blues2017/07/22 22:39

 いつもお世話になっている Heartbreaker's Japan Party さんが呟くことには、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズが "Summertime Blues" を演奏したことがあるとのこと。

 "Summertime Blues" って何だ?…から、私は始まる。

 確認すると、ああ、ザ・フーのあれか ― と思った。



 名演すぎて、すっかりザ・フーの曲かと思い込んでいたら、オリジナルはエディ・コクランというのだから、自分の無知無礼加減が知れる。



 このエディ・コクラン、21歳というのに驚いた。ものすごい貫禄がある。

 トムさんがコクランについて言及していることがあるだろうかと、"Conversations with Tom Petty" と "Petty The Biography" のインデックスを確認したのだが、コクランの名前はない。

 一方、女子ファン・センス溢れる "Tom Petty: Rock 'n' Roll Gurdian" だが、こちらにはインデックスがない。しかし、気の利いたことに、トムさんが自分のラジオ番組 "Buried Treagure" でかけた曲のアーチスト別一覧表があるのだ。
 その中に、エディ・コクランの曲も5曲あるのだが、"Summertime Blues" はない。ザ・フーも26曲かけているのだが、この曲はかけていないようだ。
 ただし、この本の出版年は2014年。ラジオの最終シーズンも、たしか2014年なので、このリストが完全版なのかどうかは不明。

 さて、肝心のTP&HBによる "Summertime Blues" の演奏だが、世界で最も信用のおけるハートブレイカーズ情報を持っている(事によると、本人たちよりも信用できる)、Heartbreaker's Japan Party さんは、記憶に無いと言っている。
 もっとも、マッドクラッチのライブ演奏では披露されたようだ。その映像がこちら。



 いつも思うのだが、マイクはどうしてこうも無闇に格好良いのだろうか。
 それにしても、マッドクラッチというのが惜しい。私は先月ハートブレイカーズを見て以来、マッドクラッチのまずさ ― 致命的に下手なドラム ― がぞっとするほど嫌になってしまっている。
 でも、ハートブレイカーズの3人が好きすぎて、まずい音を削除し、上手いところだけを、あたかも音大の和声聴音課題のように、抜き出して聴く技術を体得しつつある。結論として、彼らの "Summertime Blues" は格好良い。

Howie2017/07/29 23:12

 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの twitter では、デビュー40周年記念として、バンド史を振り返る写真をアップしている。
 7月25日の写真がこれ。1989年、ツアー中だろうか。マイクとハウイ。



この写真がたまらなく好きで、たまらなく悲しい。

 この写真を初めて見たのは、たぶんドキュメンタリー映画 [Runnin' down a dream] での、ハウイを回想するマイクのコメント中だったと思う。
 マイクが広げている本は何だろうか。写真集のように見える。だとすると、デゾ・ホフマンあたりの、ビートルズ写真集だろうか。
 背後のフライト・ボックスには、トラヴェリング・ウィルベリーズのステッカー。
 ギターを抱えて、マイクが広げる本に興味深げなハウイ。ハウイに視線をやるマイク。

 ハートブレイカーズは、どれほど素晴らしい仲間を得て、そしてうしなったのか。ハウイが居てくれた事の幸福感と、彼の不在という喪失感。
 バンドとして40年、いろいろあったけど、結局うまく行って今日に至る。何もかも順調というわけでははなかったし、喧嘩別れしてしまった仲間もいる。人生にはそういうこともある。でも、ハウイの死だけは、この喪失だけは、どうしても「人生のそういうこと」では乗り越えられない痛烈な出来事だった。

 正直に言ってしまえば、スタンとハウイの居た頃が一番好きだ。若さと、それに伴うエネルギーが、真っ直ぐにロックに向かっている。その時でないと発散されない、輝きがある。その輝きを放つ期間というのは、とても短いに違いない。
 短いからこそ、愛しいのであり、可憐ですらある。