There is a time for everything2016/01/31 20:11

 退職するという他国の人から、全社員宛にメールが来ていた。退職の挨拶メールというのは珍しくないが、そのメールの冒頭にはこうあった。

There is a time for everything, and a season for every activity under the heavens. – Ecclesiastes 3:1

 多くの同僚はこれは何だろうという顔をしていたが、さすがに私はピンときた。ザ・バーズの "Turn! Turn! Turn!" で有名な聖書の一節だ。「何事にも時があり 天の下の出来事にはすべて定められた時がある。」
 音大の授業に、「聖書につけられた音楽について」という課題があり、この曲を選んだ。



 普通、この曲を語るときは、「伝道の書」からの一節ということになっているが、私が持っている聖書では「コヘレトの言葉」となっている。ちなみに、私が持っている聖書は、1987、1988年の新共同訳。
 英語では Ecclesiastes となっているが、これは伝道者を表す「コヘレト」の英語版で、そこから "Turn! Turn! Turn!" を説明するときに、「伝道の書」という言い方をするようだ。日本語の聖書では、ヘブライ語の Koheleth 「コヘレト」をそのまま使っている。
 ちょっと長いが、この第三章,第一節から第八節までを引用してみよう。

 何事にも時があり 天の下の出来事にはすべて定められた時がある
 植える時、植えた物を抜く時
 殺す時、癒やす時
 破壊する時、建てる時
 泣く時、笑う時
 嘆く時、踊る時
 石を放つ時、石を集める時
 抱擁の時、抱擁を遠ざける時
 求める時、失う時
 保つ時、放つ時
 裂く時、縫う時
 黙する時、語る時
 愛する時、憎む時
 戦いの時、平和の時


 "Turn! Turn! Turn!" の最後にでてくる、"I swear it's not too late." というのはどこから来ているのかは、よく分からない。"Turn, turn, turn"という言葉と共に、ピート・シーガーが作った詞だろうか。この一言がとても効果的で素晴らしい。

 この曲を、トム・ペティがロジャー・マッグインと一緒に演奏しているときの動画が大好きだ。前半は "Mr. Tambourine Man" で、後半3分ごろから "Turn! Turn! Turn!"



 気持ちよさそうにコーラスをつけるトムさんの表情が、最高に幸せそう。
 こういうものを見ると、マッグイン一人の演奏も味わいがあって良かったが、やはりロック・バンドとして聞かせて欲しいとも思うのだ。