I'm Tired Joey Boy2014/09/16 22:00

 私はヨーロッパよりも、アメリカから戻ってきた時の方が時差ボケがひどい。帰国してからの二日間はほとんど役立たずな様子でグゥグゥ寝ていたし、今日も何かと眠い。
 そのような訳でツアーの写真や動画の整理、レポートなどはお預け。こういう事は早い方が良いのだが。

 ピーター・バラカンさんの、「バラカン・モーニング」が終了するという。このことも残念だが、ディラン様ラジオこと、[Theme Time Radio Hour] のことも気になる。すでにシーズン2の終盤まで来ているので、最後までちゃんとやってほしい。もちろん、バラカンさんの解説と選曲つきで。

 一昨日のテーマは "Joe"。ディランはいくらでもテーマはあるよと言っているが、要するに Joe, Joseph, Joey という名前の人が多く、またその曲も多いと言うことだろう。
 一番印象的だったのは、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ・ファンの私としてはもちろん、ヴァン・モリソンの "I'm Tired Joey Boy"。

 

 私はてっきり、この曲は古い民謡か何かだと思っていた。ヴァン・モリソン1989年という新しい曲だとは意外だった。
 短くて美しく、重厚なストリングスがとても効果的。

 しかし、先に馴染んでいるTP&HBのヴァージョンの方が好き。

 

 1992年のライブバージョン。彼らがカバー曲として3年前の「新曲」を演奏するのは珍しいのではないだろうか。よほど気に入ったに違いない。私が古い民謡だと思ったのと同様の感覚が働いたのではないだろうか。
 なんといっても、イントロで鳴り響くピアノの音色が素晴らしい。簡素ながらキラキラとまぶしく、滑らかさ、爽やかさがよく出ている。
 そして、トムさんの素朴で胸をしめつけられるような歌声。
 とどめに、マンドリンのような高音域の撥弦楽器。マイクが弾いていると思うのだが、マンドリンなのか、ライブの "Learning to Fly" の時によく使う緑色の小さなリッケンバッカー型のようなアレなのか。
 聞くところによると、マイクのあの緑のかわいい楽器は、トニー・レヴェルさんというウェールズの職人さんが作っているとのこと。ちょっと欲しくなるが、きっと弦圧が高くて私には無理だろう。

 この曲は、ボックスセット [Playback] に収録されている。
 私に「悪文」呼ばわりされている有名な解説によると(内容は悪くないが、とにかく文章が悪い。よくぞ翻訳したものだとそちらに感心している)、この曲でスコット・サーストンはハートブレイカーズとして(サイドブレイカーズとして?)の録音媒体デビューを果たしたそうだ。
 と、なるとあの高音域の撥弦楽器はスコットということも考えられるのだろうか?
 私にはどちらとも判別できないが、とにかく、いつかまたライブで演奏して欲しいと願う曲の一つだ。