Richie Havens2014/03/20 22:27

 [Bob Fest] を少しずつブルーレイで見直している。
 今までの媒体がビデオだったため、ずいぶん長い間このコンサートをきちんと見ていなかった。見たとしても、TP&HBやジョージだけだったり、"My Back Pages" だけだったりする。
 前にも書いたが、1曲目がどうにも苦手だし、シンネイド・オコーナーの一件などもあって、特に前半を見ていなかった。オコーナーのシーンは、改めてみてみると、さっさと歌ってしまえば良かったのにと思わずにはいられなかった。ブーイングの影響というよりは、彼女自身の問題、彼女自身の選択だというのが、感想だ。

 そんな中、思わず目を見張ったのは、リッチー・ヘイヴンスだ。1967年にカバーした、"Just Like a Woman" を歌っている。
 その独特なギター演奏にまず目を奪われた。濃密で情熱的で、延々と続くストロークは、意志の強さが必要だろう。
 そして最も驚きなのは、左手の親指の使い方。ジミ・ヘンドリックスも左手の親指で弦を押さえるし、ジョージもたまにやるが、リッチー・ヘイヴンスはこれを多様する。多用するどころか、セーハ(全ての弦を一本指で押さえ込む)を、親指でやってのけるのだ。ほよど手が大きく、手首が柔らかくないと出来ない芸当だ。
 こういうところに目が行くようになったのは、私自身がフレット楽器を始めたからだろうか。

 1970年には、"Here Comes the Sun" をカバーし、ヒットさせている。



 この曲独特のアクセントの移動も、変拍子もなんのその。ひたすらストロークで中央突破する潔さが凄い。ある意味、アヴァンギャルドにすら思える "Here Comes the Sun" だ。

 1970年の "Going Back to My Roots" は、ロック寄りの曲だが、相変わらずのストローク。



 リッチー・ヘイヴンスをジャンルで言うと、まずフォークという言葉が来るらしい。さらに、ロックやファンクといった具合。
 ジャンル分けのことはよく分からないが、私にはニーナ・シモンが一番近い人に思われた。