Elliot Roberts2019/06/27 21:02

 6月21日に、エリオット・ロバーツが亡くなった。
 ニール・ヤングのマネージャーを長年つとめ、そちらで有名なようだが、私にとってはやはり、ボブ・ディランのマネージャーで、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズとディランを引き合わせた、仕掛け人である。
 TP&HBのヒストリー映画 "Runnin' Down a Dream" の後半の最初に、ロバーツが登場し、その顛末を語る。
 曰く、ファーム・エイドへの出演がきまったディラン。バックバンドを探していたが、難航。そこでロバーツがTP&HBを提案。「ほかならぬボブのためなら、きっとトムはやってくれる。」そのもくろみどおり、トムさんは驚喜して、ディランとの共演を快諾した。
 この下り、本当に最高。ジョージまで出てきてコメントしているのだから、この映画の中でも指折りの好きなシーンだ。



 当時35歳。若いトムさんがまぶしい。貫禄のあるディラン様に対して、どこか女性的ですらある蠱惑的な彼が、ロックをまとって斜めから飛び込んでくる。
 黒いトップハットに、見事な金髪、袖口の青い裏地、ちょっと抜け感のあるブーツ。どこをとっても最高。ビジュアル的に一番好きなトムさんの一つだ。
 マイクも舞台上で終始ニコニコしているのが印象的。ハートブレイカーズは若い駆け出しからヒットメーカー、そしてさらにその先へと進むべき時を迎え、ボブ・ディランという最高の水先案内人を得た。
 ディランにとってもハートブレイカーズとの日々は良い思い出だったようで、そのツアーが終わるのをとても惜しんでいた。思うに、ディランがウィルベリーズの再結成("Volume 3") に熱心だったのは、ジョージと一緒にいたかったのもさることながら、この若い金髪の青年とまた一緒にやりたかったという理由もあったのではないだろうか。

 ボブ・ディラン+トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ ―― 映像をリマスター、追加、完全版にして、是非とも再発してほしい。もちろん、Bootleg シリーズで。巨大ボックスにしてかまわない。下手すると二つ買う。
 それとも、両者完全な並列の夢の企画として、まったく独立した巨大ボックスにしてくれても良い!
 ディランはBootlegも二巡目に入った感がある。このハートブレイカーズ時代に、ぜひチャレンジしてほしい。