Gary Brooker2022/02/25 21:43

 2022年2月19日、ゲイリー・ブルッカーが亡くなった。76歳だった。

 とにもかくにも、まず [A White Shade of Pale] の CD かレコードを取り出し、大音量で聞かなければならない。大きな音が出せないなら、イヤフォンを使って。持っていないなら、ストリーミング・サービスからでもいいから、とにかく大きな音で聞く。
 最悪でも、この YouTube で聞く。パソコンやスマホのスピーカーを使ってはいけない。外部スピーカーか、イヤフォンを使うのだ。
 何もかも、文句のつけようのない完璧な、完全無欠の名曲を浴びるように聴かなければならない。
 「ほかにも良い曲がある」などと、ひねくれたことを言ってはいけない。ゲイリー・ブルッカー,プロコル・ハルムと言えば、この曲、一曲だけで音楽史にその名を刻むのである。



 世にも難解な歌詞で(ブルッカーが作ったわけではない)、なおかつ超名曲という珍しい作品だ。叩きつけるようなドラムス、引きずるようなベース、靄のかかったようなブルッカーの声と重厚で胸を刺すようなオルガン。これ以上、何を望むというのだろうか。

  [A White Shade of Pale] のアルバムを持っていたら、"Repent Walpurgis" も、なかなかの聴き応えのある曲だ。私はインストゥルメンタルが嫌いなのだが、この曲はなんとなく最後まで聞いてしまう。途中で、バッハの平均律第1巻1番のプレリュードが挿入される。



 「カンタータ・ロック」というネーミング・センスはともかく、バッハに非常に強い影響を受け、それをロックで昇華したことは間違いない。

 ゲイリー・ブルッカーと言えば、ジョージとも親しい仲だったことも重要だ。
 [Concert for George] では終始ステージ上にあって、存在感を発揮していた。彼が歌った "Old Brown Shoe" はエンディングに使われたが、その格好良さは絶妙だった。
 また一人、ジョージのところへと旅立った。