All I Really Want to Do2020/07/24 21:17

 マイク・キャンベル先生は、相変わらず自宅で、ギターを持ち出しては、様々な動画をフェイスブックにアップしている。
 先日、リッケンバッカーの12弦を持ち出して歌ったのは、"All I Really Want to Do" ―― ボブ・ディランの曲の、ザ・バーズ・カバー・バージョンである。



 マイクにとって、この曲は真っ先にザ・バーズのバージョンが、思い浮かぶのだろうか。
 私もバーズのファンなので、大抵の彼らによるディラン・カバーは好きなのだが、この "All I Really Want to Do" に関しては、ちょっと違うな…と思った。
 それは確か、ディランやバーズを聞き始めた、学生の頃の事だと思う。

 そもそも、ディランの原曲が好き過ぎた。
 ギターのみで歌い上げる、素朴なプロデューシングだが、ディランの歌声、歌詞、すべてが大好きだった。特に、鼻をクスンと鳴らしたり、笑い出してしまったり、サビの歌い回しで遊んだりするのが、耳元でディランが直接歌いかけているようで、たまらなく好きった。



 その点、ザ・バーズのカバーは、ちょっと脳天気すぎのような気がした。
 もうちょっと哀切感が欲しいな…というのが、正直なところ。
 いま、改めて聞いてみると、それほど悪くもない。これぞ、バーズ。輝かしいギターサウンドに、美しいコーラス。そういえば、この曲はバーズにとって最初のベスト盤にも収録されていた。
 ディランのオリジナルにはどうしても敵わないが、これもまた60年代の黄金のロック・サウンドの一つだろう。