職業病 / 怪我 / 二人羽織 ― 2014/01/05 20:07
どういうわけか、数日前から背中の左側から左肩にかけて痛い。普通に生活する上では支障はないし、ピアノも普通に弾けるが、さすがにウクレレだけは弾きにくい。
どうやら、私の体には大きすぎる(!)コンサート・ウクレレを無理な姿勢で弾いたせいらしい。楽器をやっていて体を傷めるというのは、ほぼ初めての経験だ。
学生時代は、ピアノ科の学生が腱鞘炎になったとか言う話をよく聞いたが、あきらかに練習のしすぎだろう。ピアノというのは体への負担が少ない方の楽器だ。何時間弾いてもまだまだ弾けるのがピアノで、管楽器の人などは、そうはいかない。ともあれ、私のピアノに関して、練習のしすぎということはない。
フルートや龍笛などの横笛系は肩に負担がある。ヴァイオリンなどもやや不自然な格好で楽器を構えるので、傷めることもあるかも知れない。
ギタリストでもあるウクレレの先生に聞いたのだが、ギタリストに腰痛がつきものだそうだ。そういえば、去年、エリック・クラプトンが座骨神経痛でライブを延期していた。エレキともなると、さらに腰痛の危険は高まるのだろう。
そもそも、ロック系のギタリストたちは、あまり姿勢が良くない。むしろ、背筋を伸ばして姿勢良く弾くと、ダサく見えるのがロックである。ビル・ワイマンのベースを弾く姿勢は良い方だろう。マイク・キャンベルなど長身なので、ギターを弾くときの猫背が目立つ。そして格好良い。
楽器プレイヤーとしての「職業病」とは別に、アクシデントでの怪我による楽器の演奏不能ということもある。ちなみに、私はそういう事態になったことはない。一応、試験や発表会の数日前になると、扉や引き出し、刃物に気をつけるようにする。
音大入試でのピアノの試験で、私の少し後の順番の人が、控え室でピアノの椅子(高さを調節できる)で指を切ったと言って、周囲が青くなって騒いでいたことがあった。結局、その人はちゃんと合格した。もともと優秀な人だったし、試験の緊張も相まって、ちょっとやそっとの怪我など、本番になったら気にならないのだろう。
問題は大けがをする人である。
ギタリストなのに、壁を思いっきり殴って手を複雑骨折する人とか。
要するにトム・ペティのこと。
「もうギターは弾けないと思います」という医者に悪態をついても、悪いのは壁を殴る人だと思う。
この骨折事件の直前、トムさんはマイクとスタジオで一緒だったのだが、彼が2階に行った直後に、事は起こったのだと、マイクは言う。トムさんも青くなっただろうが、マイクも「どうしよう」と思ったことだろう。
優秀な医者の活躍でまたギターが弾けるようになったから良かったようなもの。もし、本当に左手がダメになったら…二人羽織でもやれば良いと思う。バグズにでも左手をやってもらうか。マイクの方が手足が長いから適任かも知れない。
…と、ここまでアホなことを考えていて、ギターで二人羽織ってあるのだろうかと思った。
動画を見ると、ある。二人羽織というよりは、二人で1本のギターを同時に弾くという芸。
まずこれは、笑えないほど上手い、モーツァルトの「トルコ行進曲」
練習が…辛そうだ。
もう一つは、通りすがりのお兄さんが演奏に加わるという小芝居つき。メトロノームを重ねようとして上手く合わないところが笑える。
ともあれ、人間やればできるものだ。
どうやら、私の体には大きすぎる(!)コンサート・ウクレレを無理な姿勢で弾いたせいらしい。楽器をやっていて体を傷めるというのは、ほぼ初めての経験だ。
学生時代は、ピアノ科の学生が腱鞘炎になったとか言う話をよく聞いたが、あきらかに練習のしすぎだろう。ピアノというのは体への負担が少ない方の楽器だ。何時間弾いてもまだまだ弾けるのがピアノで、管楽器の人などは、そうはいかない。ともあれ、私のピアノに関して、練習のしすぎということはない。
フルートや龍笛などの横笛系は肩に負担がある。ヴァイオリンなどもやや不自然な格好で楽器を構えるので、傷めることもあるかも知れない。
ギタリストでもあるウクレレの先生に聞いたのだが、ギタリストに腰痛がつきものだそうだ。そういえば、去年、エリック・クラプトンが座骨神経痛でライブを延期していた。エレキともなると、さらに腰痛の危険は高まるのだろう。
そもそも、ロック系のギタリストたちは、あまり姿勢が良くない。むしろ、背筋を伸ばして姿勢良く弾くと、ダサく見えるのがロックである。ビル・ワイマンのベースを弾く姿勢は良い方だろう。マイク・キャンベルなど長身なので、ギターを弾くときの猫背が目立つ。そして格好良い。
楽器プレイヤーとしての「職業病」とは別に、アクシデントでの怪我による楽器の演奏不能ということもある。ちなみに、私はそういう事態になったことはない。一応、試験や発表会の数日前になると、扉や引き出し、刃物に気をつけるようにする。
音大入試でのピアノの試験で、私の少し後の順番の人が、控え室でピアノの椅子(高さを調節できる)で指を切ったと言って、周囲が青くなって騒いでいたことがあった。結局、その人はちゃんと合格した。もともと優秀な人だったし、試験の緊張も相まって、ちょっとやそっとの怪我など、本番になったら気にならないのだろう。
問題は大けがをする人である。
ギタリストなのに、壁を思いっきり殴って手を複雑骨折する人とか。
要するにトム・ペティのこと。
「もうギターは弾けないと思います」という医者に悪態をついても、悪いのは壁を殴る人だと思う。
この骨折事件の直前、トムさんはマイクとスタジオで一緒だったのだが、彼が2階に行った直後に、事は起こったのだと、マイクは言う。トムさんも青くなっただろうが、マイクも「どうしよう」と思ったことだろう。
優秀な医者の活躍でまたギターが弾けるようになったから良かったようなもの。もし、本当に左手がダメになったら…二人羽織でもやれば良いと思う。バグズにでも左手をやってもらうか。マイクの方が手足が長いから適任かも知れない。
…と、ここまでアホなことを考えていて、ギターで二人羽織ってあるのだろうかと思った。
動画を見ると、ある。二人羽織というよりは、二人で1本のギターを同時に弾くという芸。
まずこれは、笑えないほど上手い、モーツァルトの「トルコ行進曲」
練習が…辛そうだ。
もう一つは、通りすがりのお兄さんが演奏に加わるという小芝居つき。メトロノームを重ねようとして上手く合わないところが笑える。
ともあれ、人間やればできるものだ。
凄い Silent Night ― 2013/12/24 21:21
偶然、ラジオから凄い「きよしこの夜」"Silent Night" が流れてきた。
スティーヴィー・ニックスの "Silent Night"…。すんごい迫力。この曲って、子供達が素朴に歌うものじゃないのか。
あまりにも凄いので、YouTubeで検索すると、すぐにヒットした。しかも、TP&HBつき。
おおお…すんごい迫力。
それにしても、この時のトムさんとマイクは髪が短すぎて、果てしなく一般人。どうして二人揃って短いのだろう。何か二人で反省しなきゃならないことでもあったのだろうか。
短髪くんたちは良い。スティーヴィー・ニックスである。子供に聞かせたら泣くのではなかろうか。そして、なぜか "sleep in heavenly peace" のところで、下声部になる。普通、メイン・ヴォーカルが上のメロディだろう。まさか上が出ないわけではないだろうから、このドスの利いた歌唱にこだわりがあるのだろう。
ついでに、数年前のザ・マイティ・ブーシュの不敬なクリスマス・フォト・ショット撮影風景動画。
ノエルがマリア様(いくら「クリスマス」という名前とは言っても…)、ジュリアンがキリスト、マイク,デイヴ,リッチが三賢王。
なんでも、連れてきたロバは「ジュリアン!」という声に反応するとのこと。
ロバはともかく、こんな写真を嬉々として撮っているのだから英国コメディは凄い。「ライフ・オブ・ブライアン」だって当然平気でやってのけるんだろうな。
スティーヴィー・ニックスの "Silent Night"…。すんごい迫力。この曲って、子供達が素朴に歌うものじゃないのか。
あまりにも凄いので、YouTubeで検索すると、すぐにヒットした。しかも、TP&HBつき。
おおお…すんごい迫力。
それにしても、この時のトムさんとマイクは髪が短すぎて、果てしなく一般人。どうして二人揃って短いのだろう。何か二人で反省しなきゃならないことでもあったのだろうか。
短髪くんたちは良い。スティーヴィー・ニックスである。子供に聞かせたら泣くのではなかろうか。そして、なぜか "sleep in heavenly peace" のところで、下声部になる。普通、メイン・ヴォーカルが上のメロディだろう。まさか上が出ないわけではないだろうから、このドスの利いた歌唱にこだわりがあるのだろう。
ついでに、数年前のザ・マイティ・ブーシュの不敬なクリスマス・フォト・ショット撮影風景動画。
ノエルがマリア様(いくら「クリスマス」という名前とは言っても…)、ジュリアンがキリスト、マイク,デイヴ,リッチが三賢王。
なんでも、連れてきたロバは「ジュリアン!」という声に反応するとのこと。
ロバはともかく、こんな写真を嬉々として撮っているのだから英国コメディは凄い。「ライフ・オブ・ブライアン」だって当然平気でやってのけるんだろうな。
Benmont's Debut Solo Album ― 2013/12/18 21:39
今年は小規模会場でのコンサート以外、大きな動きの無かったトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ。来年は、新譜の発表と大規模なツアーがあるに違いないと、ワクワクしていたところ、まったく予想外の大ニュースが飛び込んできた。
ハートブレイカーズ以前、マッドクラッチからのメンバーであり、ロック界にその人ありと知られた凄腕セッションマン、キーボード界の重要人物ベンモント・テンチが、なんとソロ・アルバムを発売するというのだ。
ブルーノートから、[You Should Be So Lucky], 2014年2月18日発売。さっそく予約を入れた。

ジャケットがおしゃれ。TP&HBよりずっと趣味が良いじゃないか…
マイクのように、自分中心のバンドを組んでのアルバムなら想像しないでもないが、ソロ・アルバムというのは本当に驚き。そして嬉しい。
ベンモントも作曲はするし、キャリアは長いし、技術はあるし、人脈もあるし、考えてみればありえない話ではない。今回は、プロデューサー,グリン・ジョンズの強い後押しがあったようだ。
お坊ちゃま育ちで、名前が長く、名門寄宿舎学校卒で、大学にも進学したベンモント。
11歳でトムさんに目を付けられ、パパの説得はトムさん自ら乗り込むほど惚れ込まれたベンモント。
それなのにマイクだけ確保したトムさんに、置き去りにされてしまったベンモント。
めげずに自分のデモを作ろうとしたら、そのままハートブレイカーズになってしまったり、
LAに出てきたころはジーンズさえ持っておらず、いかにも学生然とした服装だったり、
南国育ちのアニ連中がストーブを扱うことに、やきもきしていたベンモント。
日本語表記では「ベンモント」だけど、英語だと最後の “T” は発音しないベンモント。
どんな楽器も弾きこなすけど、声量だけはやや難があるベンモント…
そんなベンモントのソロ・アルバムはどんな作品になるか今から楽しみだが、すでにローリング・ストーンのページでは “Blonde Girl, Blue Dress” を聴くことができる。
Benmont Tench Steps Out on 'Blonde Girl, Blue Dress' – Song Premiere
声にも枯れた味わいがあって良い。曲も穏やかで美しい。オルガンの音が優しく映える感じも素敵。
面白いのは、この曲のゲストミュージシャン。なんと、ベースはトム・ペティさん。これはまた大物が…。そういえば、ゲスト・ミュージシャンの顔ぶれにマイクの名前がないのは意外だった。マイクが居るとすっかりハートブレイカーズ化してしまうからだろうか。
そして、なんとタンバリンにリンゴ・スター。リンゴー!!
リンゴについて、ローリング・ストーンでベンモントはこうコメントしている。
最初、リンゴにはドラムを叩いてもらおうと考えていたんだ。でも、日程が厳しくて、ちょっと切羽つまっていたから、とりあえずジェレミー・ステイシーに叩いてもらった。そうしたら翌日リンゴから電話がかかってきて、「その録音を採用しなよ!」って言うんだ。
確かに良いテイクは録れていたけれど、何か物足りない。それで彼に来て何か追加してほしいと頼んだら、20分後には大きなキャンバス地のバッグいっぱいのタンバリンを持ってきて、2回プレイしてくれた。そうしたら、たちまち良くなったんだ。やっぱり凄いよね、まさにリンゴだよ。
リ、リンゴー!リンゴー!!まるでサンタクロースか、大国主命のようだ!バッグいっぱいのタンバリン…!
トムさんやマイクは口を開ければジョージ、ジョージだし、ベンモントはすっかりリンゴ・ファミリーだし。ビートル関係も味わえる、一口で二度おいしいハートブレイカーズ。
そんなベンモント・テンチのソロ・アルバムは2月発売。発売直後には、LAでショーも行うとのこと。乞うご期待。
ハートブレイカーズ以前、マッドクラッチからのメンバーであり、ロック界にその人ありと知られた凄腕セッションマン、キーボード界の重要人物ベンモント・テンチが、なんとソロ・アルバムを発売するというのだ。
ブルーノートから、[You Should Be So Lucky], 2014年2月18日発売。さっそく予約を入れた。

ジャケットがおしゃれ。TP&HBよりずっと趣味が良いじゃないか…
マイクのように、自分中心のバンドを組んでのアルバムなら想像しないでもないが、ソロ・アルバムというのは本当に驚き。そして嬉しい。
ベンモントも作曲はするし、キャリアは長いし、技術はあるし、人脈もあるし、考えてみればありえない話ではない。今回は、プロデューサー,グリン・ジョンズの強い後押しがあったようだ。
お坊ちゃま育ちで、名前が長く、名門寄宿舎学校卒で、大学にも進学したベンモント。
11歳でトムさんに目を付けられ、パパの説得はトムさん自ら乗り込むほど惚れ込まれたベンモント。
それなのにマイクだけ確保したトムさんに、置き去りにされてしまったベンモント。
めげずに自分のデモを作ろうとしたら、そのままハートブレイカーズになってしまったり、
LAに出てきたころはジーンズさえ持っておらず、いかにも学生然とした服装だったり、
南国育ちのアニ連中がストーブを扱うことに、やきもきしていたベンモント。
日本語表記では「ベンモント」だけど、英語だと最後の “T” は発音しないベンモント。
どんな楽器も弾きこなすけど、声量だけはやや難があるベンモント…
そんなベンモントのソロ・アルバムはどんな作品になるか今から楽しみだが、すでにローリング・ストーンのページでは “Blonde Girl, Blue Dress” を聴くことができる。
Benmont Tench Steps Out on 'Blonde Girl, Blue Dress' – Song Premiere
声にも枯れた味わいがあって良い。曲も穏やかで美しい。オルガンの音が優しく映える感じも素敵。
面白いのは、この曲のゲストミュージシャン。なんと、ベースはトム・ペティさん。これはまた大物が…。そういえば、ゲスト・ミュージシャンの顔ぶれにマイクの名前がないのは意外だった。マイクが居るとすっかりハートブレイカーズ化してしまうからだろうか。
そして、なんとタンバリンにリンゴ・スター。リンゴー!!
リンゴについて、ローリング・ストーンでベンモントはこうコメントしている。
最初、リンゴにはドラムを叩いてもらおうと考えていたんだ。でも、日程が厳しくて、ちょっと切羽つまっていたから、とりあえずジェレミー・ステイシーに叩いてもらった。そうしたら翌日リンゴから電話がかかってきて、「その録音を採用しなよ!」って言うんだ。
確かに良いテイクは録れていたけれど、何か物足りない。それで彼に来て何か追加してほしいと頼んだら、20分後には大きなキャンバス地のバッグいっぱいのタンバリンを持ってきて、2回プレイしてくれた。そうしたら、たちまち良くなったんだ。やっぱり凄いよね、まさにリンゴだよ。
リ、リンゴー!リンゴー!!まるでサンタクロースか、大国主命のようだ!バッグいっぱいのタンバリン…!
トムさんやマイクは口を開ければジョージ、ジョージだし、ベンモントはすっかりリンゴ・ファミリーだし。ビートル関係も味わえる、一口で二度おいしいハートブレイカーズ。
そんなベンモント・テンチのソロ・アルバムは2月発売。発売直後には、LAでショーも行うとのこと。乞うご期待。
オフ会50回記念会 ― 2013/11/03 22:29
F1はこれからアブダビGP。
年間チャンピオンは我がベッテル君に決まり、ひと安心。おめでとう!ビートルズとモンティ・パイソンの好きな変なドイツ人ベッテル君、いつでも応援しているよ!
あと3戦。来年のシートも狙った争いが続くことだろう。まだまだ楽しみ。
そして、野球は大団円。本当に良かった。良かった。実は、昨夜の試合は生まれて初めて野球の録画予約をしていた。どうしても外せない用事で外出していたので。ニュースで先に結果を知り、あまりの悔しさに録画は見ずに消した。
とにかく、本当に良かった。今年は広島の活躍も良かった。次は、次こそは、横浜に頑張って欲しい。
昨夜の外せない、大事な用事とは、いつもお世話になっている Heartbreaker's Japan Party ― トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのファンコミュニティの恒例公式オフ会。なんと今回50回の記念となった。
50回!凄まじい回数である。私はかなり初期から参加しており、かけがえのない友人をたくさん作ってきた。まさに人生の宝物。これからもよろしくお願いします。
いつもオフ会では、素敵なTP&HBの音源や映像を楽しませてもらえる。それを観賞しながら、仲間とあれやこれやと盛り上がるのは本当に楽しい。
ところが今回のオフ会では、あまりにもたくさんの映像が上映されたため、時間の都合上最後まで流せないものもいくつか。そのたびに鑑賞者から「わぁ~!!」という悲鳴が上がる。そして次の素敵映像が始まるというわけ。
まずは、有名なボブ・フェストの "My Back Pages"。トムさんのパートから見始めて、ディラン様のパートが終わると…ビデオチェンジ!わぁぁぁジョージ!凄い紫ジャケットのジョージ!!
いつ見ても素敵な "My Back Pages" ボブ・フェストの公式DVD化はいつになるのだろうか。
それから、ジョージのロックの殿堂入り。スペシャル・セッションでの "While my guitar gently weeps" ジェフ・リンに、トムさん、ダーニ、地味にスティーヴ・ウィンウッドも居る。そしてギター・ソロで登場するプリンス…のはずが、彼の出番の前に、次の映像へ!
久しぶりにプリンスの熱演を見るべく、YouTube。
この曲のカバーパフォーマンスは星の数ほどあるが、このプリンスのプレイはかなり個性的で格好良い。
プリンスの熱演の合間に聞こえるトムさんのヴォーカルもなかなか味があって良い。
そういえば、肝心のTP&HBが "While my guitar gently weeps" をプレイしているのは見たことがない。ぜひともマイクの素晴らしいソロで堪能したい。次のツアーではどうだろう。ぜひともお願いしたい。
年間チャンピオンは我がベッテル君に決まり、ひと安心。おめでとう!ビートルズとモンティ・パイソンの好きな変なドイツ人ベッテル君、いつでも応援しているよ!
あと3戦。来年のシートも狙った争いが続くことだろう。まだまだ楽しみ。
そして、野球は大団円。本当に良かった。良かった。実は、昨夜の試合は生まれて初めて野球の録画予約をしていた。どうしても外せない用事で外出していたので。ニュースで先に結果を知り、あまりの悔しさに録画は見ずに消した。
とにかく、本当に良かった。今年は広島の活躍も良かった。次は、次こそは、横浜に頑張って欲しい。
昨夜の外せない、大事な用事とは、いつもお世話になっている Heartbreaker's Japan Party ― トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのファンコミュニティの恒例公式オフ会。なんと今回50回の記念となった。
50回!凄まじい回数である。私はかなり初期から参加しており、かけがえのない友人をたくさん作ってきた。まさに人生の宝物。これからもよろしくお願いします。
いつもオフ会では、素敵なTP&HBの音源や映像を楽しませてもらえる。それを観賞しながら、仲間とあれやこれやと盛り上がるのは本当に楽しい。
ところが今回のオフ会では、あまりにもたくさんの映像が上映されたため、時間の都合上最後まで流せないものもいくつか。そのたびに鑑賞者から「わぁ~!!」という悲鳴が上がる。そして次の素敵映像が始まるというわけ。
まずは、有名なボブ・フェストの "My Back Pages"。トムさんのパートから見始めて、ディラン様のパートが終わると…ビデオチェンジ!わぁぁぁジョージ!凄い紫ジャケットのジョージ!!
いつ見ても素敵な "My Back Pages" ボブ・フェストの公式DVD化はいつになるのだろうか。
それから、ジョージのロックの殿堂入り。スペシャル・セッションでの "While my guitar gently weeps" ジェフ・リンに、トムさん、ダーニ、地味にスティーヴ・ウィンウッドも居る。そしてギター・ソロで登場するプリンス…のはずが、彼の出番の前に、次の映像へ!
久しぶりにプリンスの熱演を見るべく、YouTube。
この曲のカバーパフォーマンスは星の数ほどあるが、このプリンスのプレイはかなり個性的で格好良い。
プリンスの熱演の合間に聞こえるトムさんのヴォーカルもなかなか味があって良い。
そういえば、肝心のTP&HBが "While my guitar gently weeps" をプレイしているのは見たことがない。ぜひともマイクの素晴らしいソロで堪能したい。次のツアーではどうだろう。ぜひともお願いしたい。
Full Moon Fever がやってきた ヤァ!ヤァ!ヤァ! ― 2013/10/24 20:46
[Full Moon Fever] と言っても、アルバムそのものではない。楽譜である。
五線でのメロディラインや、コード、ギター用のタブ譜などが収録された、いわゆる「ソング・ブック」と呼ばれるもの。
そもそも、これを入手するのが大変だった。
この手の楽譜は、アルバムが発売され、よく売れていた時期に作られるもので、それ以降だと新品はなかなか手に入らない。そのアーチストの代表曲を集めた「ベスト版」のようなものなら手に入るが、 [Full Moon Fever] のように特定のアルバムの全曲収録となると、今や古本でないと手に入らない。実際、私の所に来た本も1990年のもの。
アメリカのアマゾンで注文した一つ目の古本屋は後になって、入手できませんとの連絡をよこした。二つ目の古本屋でやっと入手。
かなり時間がかかりつつも、無事に届いた楽譜は、 "Handle with Care" つきの封筒に入っていた。

傷みも汚れも、そこそこあるいわゆる古本。かび臭さも古本。
前の持ち主が弾こうと挑戦したらしき曲は、"Yer So Bad"。小さな字で書き込みがあった。
このA4サイズの楽譜、表紙も嬉しい。私は[Full Moon Fever] をCDでしか持っていないので、大きさが魅力的。
あのフィルモア・ポスター風のデザインの四隅に、画鋲を刺した後がくっきり見える。LPの時は、こういう細かいこだわりがもっとよく見えたのだろうなと、その時代が少しだけ羨ましい。
この楽譜、面白いのは1曲につき二つの楽譜がついていること。
まず、メロディを五線にして、そこにコード名と歌詞だけを加えたもの。その次に、特徴的なリフや、ギターソロをタブ譜で解説しているのだ。
ギターが弾ける人にはそれなりに分かり易いのだろうが、私にはピンとこない。
私がこの楽譜を買ったのは、"Here Comes the Sun" 攻略で気を良くし、今度はTP&HBをウクレレで弾くぞと意気込んだからだ。私は五線譜とピアノに対する絶対音感しかないので、ヒントになる譜面がないと、弾けないのだ。
狙い目は、"Alright for Now" ― だが、少々問題がある。一番低い音が、ウクレレの最低音よりさらに完全4度低いのだ。むむ。これは大幅な移調が必要なのだろうか。
これをどう攻略するかは、先生に相談する。
それにしても謎なのは、この楽譜の収録順だ。アルバムの収録順でもなければ、アルファベット順でもない。まず "I Won't Back Down", "Free Fallin'","Feel a Whole Lot Better" …これ、一体何の順番?
しかも、目次はアルファベット順。大きな謎。
さて、ウクレレ・ロッカー、どこまでTP&HBを攻略できるだろうか?
五線でのメロディラインや、コード、ギター用のタブ譜などが収録された、いわゆる「ソング・ブック」と呼ばれるもの。
そもそも、これを入手するのが大変だった。
この手の楽譜は、アルバムが発売され、よく売れていた時期に作られるもので、それ以降だと新品はなかなか手に入らない。そのアーチストの代表曲を集めた「ベスト版」のようなものなら手に入るが、 [Full Moon Fever] のように特定のアルバムの全曲収録となると、今や古本でないと手に入らない。実際、私の所に来た本も1990年のもの。
アメリカのアマゾンで注文した一つ目の古本屋は後になって、入手できませんとの連絡をよこした。二つ目の古本屋でやっと入手。
かなり時間がかかりつつも、無事に届いた楽譜は、 "Handle with Care" つきの封筒に入っていた。
傷みも汚れも、そこそこあるいわゆる古本。かび臭さも古本。
前の持ち主が弾こうと挑戦したらしき曲は、"Yer So Bad"。小さな字で書き込みがあった。
このA4サイズの楽譜、表紙も嬉しい。私は[Full Moon Fever] をCDでしか持っていないので、大きさが魅力的。
あのフィルモア・ポスター風のデザインの四隅に、画鋲を刺した後がくっきり見える。LPの時は、こういう細かいこだわりがもっとよく見えたのだろうなと、その時代が少しだけ羨ましい。
この楽譜、面白いのは1曲につき二つの楽譜がついていること。
まず、メロディを五線にして、そこにコード名と歌詞だけを加えたもの。その次に、特徴的なリフや、ギターソロをタブ譜で解説しているのだ。
ギターが弾ける人にはそれなりに分かり易いのだろうが、私にはピンとこない。
私がこの楽譜を買ったのは、"Here Comes the Sun" 攻略で気を良くし、今度はTP&HBをウクレレで弾くぞと意気込んだからだ。私は五線譜とピアノに対する絶対音感しかないので、ヒントになる譜面がないと、弾けないのだ。
狙い目は、"Alright for Now" ― だが、少々問題がある。一番低い音が、ウクレレの最低音よりさらに完全4度低いのだ。むむ。これは大幅な移調が必要なのだろうか。
これをどう攻略するかは、先生に相談する。
それにしても謎なのは、この楽譜の収録順だ。アルバムの収録順でもなければ、アルファベット順でもない。まず "I Won't Back Down", "Free Fallin'","Feel a Whole Lot Better" …これ、一体何の順番?
しかも、目次はアルファベット順。大きな謎。
さて、ウクレレ・ロッカー、どこまでTP&HBを攻略できるだろうか?
誕生日の記念撮影 ― 2013/10/20 20:04
10月20日はトム・ペティの誕生日。1950年生まれ、63歳のお誕生日おめでとう!
トムさんの誕生日と言えば、何度でも話題にするが、この写真。
世界一重い、酔っ払い写真

トムさんのロング・インタビュー [Conversations with Tom Petty] に掲載されたのが、この写真。ディラン様、トムさん、ベンモント、ロジャー・マッグイン、ジェフ・リン。下の人がディラン様のローディーさん。
1987年10月、ディランとTP&HBが一緒にツアーをしたとき、ロンドンの楽屋にジョージが来てトムさんに、「これからの人生、きみ抜きには考えられないね!」という凄い落とし文句を発した時でもある。
マイクはジョージが「両手で握手してくれた」と感激していた。
ロンドンでの最終公演は10月17日。三日後がトムさんの誕生日と知っていたのか、ジョージがケーキを用意してくれたというのだ。ロジャーが持っているのは、シャンパン?瓶が透明だから違うか。
ディラン様は…ビールのコップかな?ジェフはビールだね。ケーキとビールってどうなのよ。
そしてこの写真、ディラン様のローディーさんと、マイクが交代で撮影したらしい。

マイク、映るために一生懸命。大丈夫、映っているよ。
トムさんの笑顔はだんぜんこちらの方が良い!マイクも居るし。ベンモントのピースマークも決まっている。が、しかし…ディラン様が半分だ。多分、この半分ディラン様のためにこちらは採用されなかったんだろうな。
ディラン様が半分だろうが、4分の3だろうが、楽しい酔っ払いの飲み会写真でしかないのだが。この楽しい酔っ払いたちから、あのウィルベリーズが生まれ、そしてハートブレイカーズはいまだに活躍し続け、ディラン様はロンドンへ帰ってくる。
26年前の楽しい写真は、トムさんの宝物。それと同時に、ロックファンにとっても大事な、大事な宝物。その瞬間が存在したことが、とても嬉しい。トムさんの誕生日が来るたびに、そんなことに思いを馳せる。
トムさんの誕生日と言えば、何度でも話題にするが、この写真。
世界一重い、酔っ払い写真

トムさんのロング・インタビュー [Conversations with Tom Petty] に掲載されたのが、この写真。ディラン様、トムさん、ベンモント、ロジャー・マッグイン、ジェフ・リン。下の人がディラン様のローディーさん。
1987年10月、ディランとTP&HBが一緒にツアーをしたとき、ロンドンの楽屋にジョージが来てトムさんに、「これからの人生、きみ抜きには考えられないね!」という凄い落とし文句を発した時でもある。
マイクはジョージが「両手で握手してくれた」と感激していた。
ロンドンでの最終公演は10月17日。三日後がトムさんの誕生日と知っていたのか、ジョージがケーキを用意してくれたというのだ。ロジャーが持っているのは、シャンパン?瓶が透明だから違うか。
ディラン様は…ビールのコップかな?ジェフはビールだね。ケーキとビールってどうなのよ。
そしてこの写真、ディラン様のローディーさんと、マイクが交代で撮影したらしい。

マイク、映るために一生懸命。大丈夫、映っているよ。
トムさんの笑顔はだんぜんこちらの方が良い!マイクも居るし。ベンモントのピースマークも決まっている。が、しかし…ディラン様が半分だ。多分、この半分ディラン様のためにこちらは採用されなかったんだろうな。
ディラン様が半分だろうが、4分の3だろうが、楽しい酔っ払いの飲み会写真でしかないのだが。この楽しい酔っ払いたちから、あのウィルベリーズが生まれ、そしてハートブレイカーズはいまだに活躍し続け、ディラン様はロンドンへ帰ってくる。
26年前の楽しい写真は、トムさんの宝物。それと同時に、ロックファンにとっても大事な、大事な宝物。その瞬間が存在したことが、とても嬉しい。トムさんの誕生日が来るたびに、そんなことに思いを馳せる。
Time to Move On ― 2013/10/11 22:09
ディラン様ラジオこと、[Theme Time Radio Hour] 、今回のテーマは "Time"。時間を延長しての放送だった。アーマ・トーマスによる "Time is on my side" など、曲もよかったが、ディランの豆知識語りが楽しかった。
特に、「ミュージシャンには、45分演奏したら15分の休憩をとる権利がある」という下り。「私のバンドのメンバーには黙っていて下さい(笑)」という笑いどころなのだが、これはディラン様自身にもあてはまることのはず。
ピーター・バラカンさんの解説に続いて、ディラン自身の曲を流すのが通例なのだが、今回はなんと3曲も流してくれた。"Time" と言えば圧倒的に "The Times they are a-changin'" が有名だが、これは少し前に流したので避けた。流れたのは、"Tomorrow is long time", "Most the Time", "Pledging My Time" の3曲。
私の好みとしては、先日発売になった "Another Self Portrait" からジョージとのデュエット,"Time Passes Slowly" だと嬉しかったのだが、またそのうち流す機会があるかも知れない。
"Time"という言葉は、ありとあらゆる曲の詞やタイトルになっている。
トム・ペティのソロ・アルバム [Wildflowers] には、2曲も "Time" という言葉の入った曲が収録されている。 "Time to Move on" と、"Wake up Time"。私は特に前者が好きだ。今は亡きマイケル・ケイマンのオーケストレーションとそのミックスも控えめで良い。
ベンモントのピアノと、マイクのスライドギターが、ごくごく控えめなのに、美しくて、トムさんの声を包み込むよう。それでも軟弱さはなく、力強くて前向きな曲調。
さらにこの曲の場合、歌詞の韻の踏み方が素晴らしい。
It's time to move on, time to get going
What lies ahead, I have no way of knowing
But under my feet, baby, grass is growing
It's time to move on, it's time to get going
Broken skyline, movin' through the airport
She's an honest defector
Conscientious objector
Now her own protector
韻を踏むことについて、トムさん自身は [Conversations with Tom Petty]のパート2,[You're Gonna Get It! 1978] のところで、こう語っている。
韻を踏むためだからと言って、妥協はしたくなかった。場合によっては、韻を踏んでいないと、良い響きにならないこともあるけどね。とにかく、歌を歌うのにたくさんの韻を意識しなきゃならないなんてことになったら、それこそソングライターとしてはかなりの気苦労だ。つまるところ、言いたいことを歌うのに、さらに韻を踏むとなると、かなり難しいことになってしまう。
このことに関して、ぼくはとても優秀な脚本家と話したことがある。脚本家っていうは、望むとおりのことを表現するのに、いくつもの段階を踏めるし、場面だって幾つも使える。
一方ぼくはと言えば、与えられているのはせいぜい3分半。歌で物語を展開しようと思っても、3分半の展開しかない。そんなものだから、たった一つの言葉で、第二場に進んでしまうなんてことすらあるんだ(笑)。だからぼくにはそういう余裕はない。韻だのなんだのと、いろいろな条件を満たすのは、非常に困難だ。うまく韻を踏めれば嬉しいけど。
とにかく、ぼくが何らかのことを表現したいと思ったら、韻を踏んでいようがいまいが、ぜんぜん気にしないし、言いたいことが表現できれば、それで良いのさ。
もうちょっとで韻が踏めるなに、なんてときはイライラするな。他の人は、韻のことなんて気にしないんだろうけど。
うまく韻を踏めれば嬉しいが、韻を優先といことはない…ということらしい。「韻を踏むかどうか気にしない他の人」はともかく、ディラン様などは韻を踏むのが大好きで、ディラン様ラジオでも "Theme Sheme Dream" といつも言っているし、そのバリエーションも様々。
日本人である私は韻を踏んでいるかどうかは殆ど気にならないが、この "Time to Move on" に関しては、韻も込みで美しいと感じている。
特に、「ミュージシャンには、45分演奏したら15分の休憩をとる権利がある」という下り。「私のバンドのメンバーには黙っていて下さい(笑)」という笑いどころなのだが、これはディラン様自身にもあてはまることのはず。
ピーター・バラカンさんの解説に続いて、ディラン自身の曲を流すのが通例なのだが、今回はなんと3曲も流してくれた。"Time" と言えば圧倒的に "The Times they are a-changin'" が有名だが、これは少し前に流したので避けた。流れたのは、"Tomorrow is long time", "Most the Time", "Pledging My Time" の3曲。
私の好みとしては、先日発売になった "Another Self Portrait" からジョージとのデュエット,"Time Passes Slowly" だと嬉しかったのだが、またそのうち流す機会があるかも知れない。
"Time"という言葉は、ありとあらゆる曲の詞やタイトルになっている。
トム・ペティのソロ・アルバム [Wildflowers] には、2曲も "Time" という言葉の入った曲が収録されている。 "Time to Move on" と、"Wake up Time"。私は特に前者が好きだ。今は亡きマイケル・ケイマンのオーケストレーションとそのミックスも控えめで良い。
ベンモントのピアノと、マイクのスライドギターが、ごくごく控えめなのに、美しくて、トムさんの声を包み込むよう。それでも軟弱さはなく、力強くて前向きな曲調。
さらにこの曲の場合、歌詞の韻の踏み方が素晴らしい。
It's time to move on, time to get going
What lies ahead, I have no way of knowing
But under my feet, baby, grass is growing
It's time to move on, it's time to get going
Broken skyline, movin' through the airport
She's an honest defector
Conscientious objector
Now her own protector
韻を踏むことについて、トムさん自身は [Conversations with Tom Petty]のパート2,[You're Gonna Get It! 1978] のところで、こう語っている。
韻を踏むためだからと言って、妥協はしたくなかった。場合によっては、韻を踏んでいないと、良い響きにならないこともあるけどね。とにかく、歌を歌うのにたくさんの韻を意識しなきゃならないなんてことになったら、それこそソングライターとしてはかなりの気苦労だ。つまるところ、言いたいことを歌うのに、さらに韻を踏むとなると、かなり難しいことになってしまう。
このことに関して、ぼくはとても優秀な脚本家と話したことがある。脚本家っていうは、望むとおりのことを表現するのに、いくつもの段階を踏めるし、場面だって幾つも使える。
一方ぼくはと言えば、与えられているのはせいぜい3分半。歌で物語を展開しようと思っても、3分半の展開しかない。そんなものだから、たった一つの言葉で、第二場に進んでしまうなんてことすらあるんだ(笑)。だからぼくにはそういう余裕はない。韻だのなんだのと、いろいろな条件を満たすのは、非常に困難だ。うまく韻を踏めれば嬉しいけど。
とにかく、ぼくが何らかのことを表現したいと思ったら、韻を踏んでいようがいまいが、ぜんぜん気にしないし、言いたいことが表現できれば、それで良いのさ。
もうちょっとで韻が踏めるなに、なんてときはイライラするな。他の人は、韻のことなんて気にしないんだろうけど。
うまく韻を踏めれば嬉しいが、韻を優先といことはない…ということらしい。「韻を踏むかどうか気にしない他の人」はともかく、ディラン様などは韻を踏むのが大好きで、ディラン様ラジオでも "Theme Sheme Dream" といつも言っているし、そのバリエーションも様々。
日本人である私は韻を踏んでいるかどうかは殆ど気にならないが、この "Time to Move on" に関しては、韻も込みで美しいと感じている。
(Your) Saving Grace ― 2013/10/06 20:45
ニッキー・ホプキンズの伝記を読んでいて、彼がスティーヴ・ミラー・バンドとも仕事をしていたことを知った。
私が持っているスティーヴ・ミラー・バンドのアルバムは、[The Joker] や、[Fly Loke an Eagle], [Sailor] で、それ以前のものを持っていなかった。ちょうど良い機会なので、ニッキーが参加しているアルバム、[Your Saving Grace] を買ってみた。
これと言って強烈なヒット曲があるわけではないのだが、聞いていて心地良いアルバム。タイトルになっているのが、最後の収録曲 "Your Saving Grace"。印象的なオルガンは、ニッキーが弾いている。
"Saving Grace" という言葉は、私にとっては何と言ってもトム・ペティの楽曲。2006年彼のソロ作品 [Highway Companion] のシングル曲になっている。
どうやら、「取り柄」という意味らしい。しかも、いろいろ良くないところはあるもの、「救いになる点」とのこと。
ソロとは言っても、そこはトムさんのこと。ビデオはハートブレイカーズと一緒に作っている。
クールで格好良い曲なのだが…いろいろ突っ込みたくなるのはトムさんのスタイル。
まず、髪型が女子たちに不評。おばさんっぽいと言った人もいる。多分、動きのない感じが悪いんだろうな。特にサイドに流れがない。トムさんの金髪にはやはり流れが必要なのだ。
ジャケットも私もあまり好きではない。丈が長すぎる。トムさんには丈の短いジャケットの方が似合うと思うのだが。素材も重そうで良くない。もっと軽やかじゃないと。足技は軽くきまっているので(クルクルクルクル…)、やはりトップスをもっと軽くコーディネートしてほしい。
マイクも、髭をちゃんと染めなきゃだめだよ。
だめだめなキャプテン二人に比べて、スコットのスマートで格好良いこと!
やはりこの曲は、ライブ映像のほうが格好良い。これは、TP&HBのデビュー30周年ライブ。ベンモントの連打からのグリッサンドが格好良い。エンディングのギターブレイクをもう少しだけ長くしてくれても良かった。
私が持っているスティーヴ・ミラー・バンドのアルバムは、[The Joker] や、[Fly Loke an Eagle], [Sailor] で、それ以前のものを持っていなかった。ちょうど良い機会なので、ニッキーが参加しているアルバム、[Your Saving Grace] を買ってみた。
これと言って強烈なヒット曲があるわけではないのだが、聞いていて心地良いアルバム。タイトルになっているのが、最後の収録曲 "Your Saving Grace"。印象的なオルガンは、ニッキーが弾いている。
"Saving Grace" という言葉は、私にとっては何と言ってもトム・ペティの楽曲。2006年彼のソロ作品 [Highway Companion] のシングル曲になっている。
どうやら、「取り柄」という意味らしい。しかも、いろいろ良くないところはあるもの、「救いになる点」とのこと。
ソロとは言っても、そこはトムさんのこと。ビデオはハートブレイカーズと一緒に作っている。
クールで格好良い曲なのだが…いろいろ突っ込みたくなるのはトムさんのスタイル。
まず、髪型が女子たちに不評。おばさんっぽいと言った人もいる。多分、動きのない感じが悪いんだろうな。特にサイドに流れがない。トムさんの金髪にはやはり流れが必要なのだ。
ジャケットも私もあまり好きではない。丈が長すぎる。トムさんには丈の短いジャケットの方が似合うと思うのだが。素材も重そうで良くない。もっと軽やかじゃないと。足技は軽くきまっているので(クルクルクルクル…)、やはりトップスをもっと軽くコーディネートしてほしい。
マイクも、髭をちゃんと染めなきゃだめだよ。
だめだめなキャプテン二人に比べて、スコットのスマートで格好良いこと!
やはりこの曲は、ライブ映像のほうが格好良い。これは、TP&HBのデビュー30周年ライブ。ベンモントの連打からのグリッサンドが格好良い。エンディングのギターブレイクをもう少しだけ長くしてくれても良かった。
She's My Baby ― 2013/10/03 20:49
2005年から始まった、サテライト・ラジオ曲の番組、[Buried Treasure] は、トム・ペティが自分のコレクションからセレクトした曲を流すという番組。ディラン様の[Theme Time Radio Hour] に似ていなくもないが、後者の方がテーマ性が強く、ディラン様の語りも多い。
[Buried Treasure] は、TP&HBのファンクラブに入っていると、インターネット経由で聞くことが出来る。今はシーズン8の放送中。いつも、だいたいビートルズや、ストーンズ、バーズ関係、ザ・フー、キンクス、それからクラシカルなブルース、カントリーなども聞けるが、最新のShow8では、非常に珍しい選曲があった。
トラベリング・ウィルベリーズの、"She's My Baby" !ウィルベリーズとは言え、トムさん自身の声がする曲が流れるのは本当にレアだ。時間さえあれば、[Buried Treasure] の曲目とアーチストをデータ化したいなどと思うが、トムさん自身の曲が流れた例はほかにあるのだろうか?
改めて見ると、みんな若い!キラキラしている!ライトとは別に若さがキラめいている!トムさんなんてまだ四十そこそこで、この時代のルックスが一番好きだという女子ファンも多いという、奇跡の美トムさんである。
ムスッとしているように見せかけて、実はかなりニヤニヤしているディラン様が幸せそうで泣きそう。そして、三人のだみ声をひとしきり聞かされた後に降ってくる、あのジョージのラブリー・ヴォイス!久しぶりに聞くと新鮮すぎて震えが来る。
みんな着ている物もカラフルで可愛いし、楽しそうで、幸せそうで、胸が一杯になる。トムさんはラジオでかけたのは「リクエストだ」と言っていたが、トムさんにとってもリクエストしなくなる曲なのだろう。
ちなみに、"She's My Baby" の次にトムさんが流したのは、トラフィックの "Who Knows What Tomorrow May Bring"。これまた、「大好きなグループ!」…とのこと。
[Buried Treasure] は、TP&HBのファンクラブに入っていると、インターネット経由で聞くことが出来る。今はシーズン8の放送中。いつも、だいたいビートルズや、ストーンズ、バーズ関係、ザ・フー、キンクス、それからクラシカルなブルース、カントリーなども聞けるが、最新のShow8では、非常に珍しい選曲があった。
トラベリング・ウィルベリーズの、"She's My Baby" !ウィルベリーズとは言え、トムさん自身の声がする曲が流れるのは本当にレアだ。時間さえあれば、[Buried Treasure] の曲目とアーチストをデータ化したいなどと思うが、トムさん自身の曲が流れた例はほかにあるのだろうか?
改めて見ると、みんな若い!キラキラしている!ライトとは別に若さがキラめいている!トムさんなんてまだ四十そこそこで、この時代のルックスが一番好きだという女子ファンも多いという、奇跡の美トムさんである。
ムスッとしているように見せかけて、実はかなりニヤニヤしているディラン様が幸せそうで泣きそう。そして、三人のだみ声をひとしきり聞かされた後に降ってくる、あのジョージのラブリー・ヴォイス!久しぶりに聞くと新鮮すぎて震えが来る。
みんな着ている物もカラフルで可愛いし、楽しそうで、幸せそうで、胸が一杯になる。トムさんはラジオでかけたのは「リクエストだ」と言っていたが、トムさんにとってもリクエストしなくなる曲なのだろう。
ちなみに、"She's My Baby" の次にトムさんが流したのは、トラフィックの "Who Knows What Tomorrow May Bring"。これまた、「大好きなグループ!」…とのこと。
and on piano... Nicky Hopkins ― 2013/09/27 23:59
ジュリアン・ドーソン著、ニッキー・ホプキンズの伝記 [and on piano... NICKY HOPKINS] を読み終わった。

前半がだんぜん面白かった。音楽活動を始め、天才ピアニストとして名を馳せ、病気でいちど表舞台から退くが、60年代後半にカムバックすると、状況が一変したあたりは特に面白い。
ビートルズやストーンズの登場によって、ポップ・ミュージックは巨大で、最先端で、そしてかなり狂った世界へと変貌を遂げていたのだ。
その世界に「帰ってきた」若きニッキー。30歳直前まで両親の家に住み、スケジュールの管理もお母さん。ビスケットと紅茶の大人しくて気の良い青年。
この時期のエピソードで、一番面白かったのは、キース・リチャーズの話。キースがあるとき運転している車を民家の植え込みに突っ込ませてしまい、途方に暮れていると、その家の住人らしき夫婦がでてきて、こう言った。「今日は。リチャーズさん。」…ニッキーの両親の家だった。
ストーンズと仕事をするのは、想像以上に大変だったようだ。とにかく、べらぼうに非効率的。彼らが怠け者というわけではないのだが、キースのドラッグ次第で、何日も待ちぼうけを食らうし、ミックはそういうことをコントロールする気がない。ストーンズで「まともでいる」ビルとチャーリーによると、ストーンズでいる秘訣は、「辛抱強さ」だそうだ。
ピート・タウンゼントは比較的真面目で、理論的に仕事をする方で、ニッキーも仕事がしやすそうだったが、キンクスのレイ・デイヴィスや、ジェフ・ベックには少なからず不快な思いをさせられた模様。
ジョージとは以前にも書いたとおり、とても気持ちよく仕事をしたようで、音楽以前に「会ったその時からまるで兄弟のような」関係だった。
良い事ばかりではない。バンドの正式メンバーではなく、「セッション・マン」であることの辛さが、特に後半から目立った。あれほど貢献したストーンズでも、特に金銭的に良い思いをしたわけではないし、ビートルズの "Revolusion" に至っては、たったの『6ポンド10シリング』で終わりだったというのだ。当時の物価は知らないが、そうは言っても『6ポンド10シリング』は驚きだ。
良くも悪くも、60年代流だったのだろう。ビートルズなどは特に顕著だが、あれで意外とバンド外のミュージシャンを極力入れないようにしている。ジョージ・マーティンはピアノがある程度弾けるし、ポールも器用な方なので、そこそこのピアノで済ましてしまう。
バンドとしての結束力と愛情が強いのは良いが、一方でニッキーのようなセッション・マンへの好待遇にはつながらず、そこが辛い。
もちろん、ニッキーへの敬意は最高で、言葉を尽くして、誰もが彼を褒め倒す。でも、それに金銭がともなわず、なんとも言えない気持ちになる。
ニッキーが70年代に居をアメリカ西海岸に移すのは、「季候が良いから」などと言っているが、結局は仕事が多く、払いもましだったからではないだろうか。
70年代以降は、ドラッグに溺れ、経済的にもきつく、ドラッグの悪夢から脱しても、かつてのような輝きは取り戻せなかった。ドラッグは多分に本人の問題だが、経済的にはもっと報いられても良いのにと思う。
90年代初頭、ニッキーは激しい痛みを伴う体の変調を訴えて入院するのだが、そこでアメリカの現実を体感することになる。保険に入っていないニッキーを、どの医者も診ようとしないし、もちろん手術もしないというのだ。お金を払う見込みのない患者は診ないというわけ。さすがにUK人や、日本人にとっては別世界。
ニッキーの妻(二人目の妻。悪名高き最初の奥さんではない)は、ニッキーを見てくれる医者を探すのに苦労したし、1994年に彼が50歳で亡くなったのはこのような状況のせいだとも考えている。
ニッキーの経済的苦境の話から、意外なエピソードが登場した。
ニッキーは、1970年に購入した、1924年製造のメイソン&ハムリンのピアノを愛用していた。しかしその後、医者にかかるために、ドゥービー・ブラザーズの、ジョン・マクフィーに売却した。
ニッキーはお気に入りだったこのピアノを、いつか買い戻すつもりだったが、それも叶わないまま他界。10年ほどした2005年9月、マクフィーは、このピアノをeBay に出品し、13000ドルを目安とした。これはグランドとは言え、古いピアノとしては、かなりのお値段。
ニッキーの友人がこれを競り落とし、ロックの殿堂へ寄付するつもりでいたのだが、出品者のマクフィーから、こんな連絡があったのだ。「トム・ペティのバンドの、ベンモント・テンチに取られちゃったよ。彼がニッキーの大ファンだったっていうのが、せめてもの慰めだね。」
ここに突如、登場するベンモント・テンチ!そもそも、TP&HBとニッキーは殆どつながりがない。ハートブレイカーズに天才ピアニストが居るのだから当然だが…。わずかにつながりがあるとしたら、ニッキーがある時期、トムさんのお隣に住んでいたことがあるという程度。
そのベンモント自身のコメントはこうだ。
彼のピアノの広告がネットに載っていると、リック・ルービンが教えてくれたんだ。ぼくがニッキーの大ファンだったっていうのもあるけど、それだけじゃなくて、メイソン&ハムリンも大好きなんだ。ジョン・マクフィーはSolvangのスタジオにこのピアノを置いていて、ちょっと寄って弾いたことがあった。
そもそも、ぼくは1873年のべーゼンドルファーのミニ・グランドを持っていたし、スタインウェイや、ヤマハのアップライトもお気に入りだった。だから「もうこれ以上ピアノは必要ないな」と思っていた。でも、あのピアノを弾いたら、気が変わった。「やっぱりもう一台必要だな。」
ぼくが手に入れて良かったと思うよ。ニッキーのことをよく知らない人が購入して、あれこれデコレーションなんてされるよりはね。
ぼくはニッキーと特に親しいというわけではなかった。会ったのは1回か2回。それから、数回電話で話したことがある。妙は話なんだけど、彼がナッシュヴィルへ引っ越す前に、ぼくにピアノを引き取らないかって、電話してきたんだ。その時は置く場所がなかったからパスしたんだけど、結局めぐりめぐって、ぼくのところにたどりついたわけだ!
まさに、ピアノは天下の回り物。二人の天才ピアニストの元に行ったこのメイソン&ハムリンこそ、幸せなピアノだろう。

前半がだんぜん面白かった。音楽活動を始め、天才ピアニストとして名を馳せ、病気でいちど表舞台から退くが、60年代後半にカムバックすると、状況が一変したあたりは特に面白い。
ビートルズやストーンズの登場によって、ポップ・ミュージックは巨大で、最先端で、そしてかなり狂った世界へと変貌を遂げていたのだ。
その世界に「帰ってきた」若きニッキー。30歳直前まで両親の家に住み、スケジュールの管理もお母さん。ビスケットと紅茶の大人しくて気の良い青年。
この時期のエピソードで、一番面白かったのは、キース・リチャーズの話。キースがあるとき運転している車を民家の植え込みに突っ込ませてしまい、途方に暮れていると、その家の住人らしき夫婦がでてきて、こう言った。「今日は。リチャーズさん。」…ニッキーの両親の家だった。
ストーンズと仕事をするのは、想像以上に大変だったようだ。とにかく、べらぼうに非効率的。彼らが怠け者というわけではないのだが、キースのドラッグ次第で、何日も待ちぼうけを食らうし、ミックはそういうことをコントロールする気がない。ストーンズで「まともでいる」ビルとチャーリーによると、ストーンズでいる秘訣は、「辛抱強さ」だそうだ。
ピート・タウンゼントは比較的真面目で、理論的に仕事をする方で、ニッキーも仕事がしやすそうだったが、キンクスのレイ・デイヴィスや、ジェフ・ベックには少なからず不快な思いをさせられた模様。
ジョージとは以前にも書いたとおり、とても気持ちよく仕事をしたようで、音楽以前に「会ったその時からまるで兄弟のような」関係だった。
良い事ばかりではない。バンドの正式メンバーではなく、「セッション・マン」であることの辛さが、特に後半から目立った。あれほど貢献したストーンズでも、特に金銭的に良い思いをしたわけではないし、ビートルズの "Revolusion" に至っては、たったの『6ポンド10シリング』で終わりだったというのだ。当時の物価は知らないが、そうは言っても『6ポンド10シリング』は驚きだ。
良くも悪くも、60年代流だったのだろう。ビートルズなどは特に顕著だが、あれで意外とバンド外のミュージシャンを極力入れないようにしている。ジョージ・マーティンはピアノがある程度弾けるし、ポールも器用な方なので、そこそこのピアノで済ましてしまう。
バンドとしての結束力と愛情が強いのは良いが、一方でニッキーのようなセッション・マンへの好待遇にはつながらず、そこが辛い。
もちろん、ニッキーへの敬意は最高で、言葉を尽くして、誰もが彼を褒め倒す。でも、それに金銭がともなわず、なんとも言えない気持ちになる。
ニッキーが70年代に居をアメリカ西海岸に移すのは、「季候が良いから」などと言っているが、結局は仕事が多く、払いもましだったからではないだろうか。
70年代以降は、ドラッグに溺れ、経済的にもきつく、ドラッグの悪夢から脱しても、かつてのような輝きは取り戻せなかった。ドラッグは多分に本人の問題だが、経済的にはもっと報いられても良いのにと思う。
90年代初頭、ニッキーは激しい痛みを伴う体の変調を訴えて入院するのだが、そこでアメリカの現実を体感することになる。保険に入っていないニッキーを、どの医者も診ようとしないし、もちろん手術もしないというのだ。お金を払う見込みのない患者は診ないというわけ。さすがにUK人や、日本人にとっては別世界。
ニッキーの妻(二人目の妻。悪名高き最初の奥さんではない)は、ニッキーを見てくれる医者を探すのに苦労したし、1994年に彼が50歳で亡くなったのはこのような状況のせいだとも考えている。
ニッキーの経済的苦境の話から、意外なエピソードが登場した。
ニッキーは、1970年に購入した、1924年製造のメイソン&ハムリンのピアノを愛用していた。しかしその後、医者にかかるために、ドゥービー・ブラザーズの、ジョン・マクフィーに売却した。
ニッキーはお気に入りだったこのピアノを、いつか買い戻すつもりだったが、それも叶わないまま他界。10年ほどした2005年9月、マクフィーは、このピアノをeBay に出品し、13000ドルを目安とした。これはグランドとは言え、古いピアノとしては、かなりのお値段。
ニッキーの友人がこれを競り落とし、ロックの殿堂へ寄付するつもりでいたのだが、出品者のマクフィーから、こんな連絡があったのだ。「トム・ペティのバンドの、ベンモント・テンチに取られちゃったよ。彼がニッキーの大ファンだったっていうのが、せめてもの慰めだね。」
ここに突如、登場するベンモント・テンチ!そもそも、TP&HBとニッキーは殆どつながりがない。ハートブレイカーズに天才ピアニストが居るのだから当然だが…。わずかにつながりがあるとしたら、ニッキーがある時期、トムさんのお隣に住んでいたことがあるという程度。
そのベンモント自身のコメントはこうだ。
彼のピアノの広告がネットに載っていると、リック・ルービンが教えてくれたんだ。ぼくがニッキーの大ファンだったっていうのもあるけど、それだけじゃなくて、メイソン&ハムリンも大好きなんだ。ジョン・マクフィーはSolvangのスタジオにこのピアノを置いていて、ちょっと寄って弾いたことがあった。
そもそも、ぼくは1873年のべーゼンドルファーのミニ・グランドを持っていたし、スタインウェイや、ヤマハのアップライトもお気に入りだった。だから「もうこれ以上ピアノは必要ないな」と思っていた。でも、あのピアノを弾いたら、気が変わった。「やっぱりもう一台必要だな。」
ぼくが手に入れて良かったと思うよ。ニッキーのことをよく知らない人が購入して、あれこれデコレーションなんてされるよりはね。
ぼくはニッキーと特に親しいというわけではなかった。会ったのは1回か2回。それから、数回電話で話したことがある。妙は話なんだけど、彼がナッシュヴィルへ引っ越す前に、ぼくにピアノを引き取らないかって、電話してきたんだ。その時は置く場所がなかったからパスしたんだけど、結局めぐりめぐって、ぼくのところにたどりついたわけだ!
まさに、ピアノは天下の回り物。二人の天才ピアニストの元に行ったこのメイソン&ハムリンこそ、幸せなピアノだろう。
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