Hohner Harmnicas ― 2018/03/24 21:59
何気なく雑貨屋の棚を見ていたら、4cmほどの小さな黒い箱がたくさん皿に載っていた。でかでかと "HOHNER" と書かれている。パカっと開けると、中には小さなハーモニカが入っていた。
ホーナーの小型ハーモニカ、Little Lady ― チェーンをつけてネックレスにつけたり、キーホルダーにつけることができるようになっている。以前、これを身に着けていた人がいて、私も欲しくなったのだが、ここで出会ったいうわけ。さっそく購入。
私は三つのハーモニカを持っている。

一番大きいのは、ホーナーの Puck。これはTP&HBファンの間で、「プレゼント交換会」なるものが行われたときに、もらったもの。音域は1オクターブ半あるが、ボブ・ディランやジョン・レノンが使うようなものよりは小さいだろう。
二番目の大きさのものは、ヤマハ。これは浜松の楽器博物館の売店で買った。当時は世界最小のハーモニカだった。Cで1オクターブ出せて、楽器としてもそれなりに立派。装飾も綺麗なので、気に入っている。
そして、最少が今回入手したホーナーの Little Lady。楽器としては分が悪く、完全にアクセサリー。ケースが良い。
ハーモニカの中には、おもにブルース・ハープ称される物もある。そのため、よくロッカーもハーモニカのことを「ハープ」と呼ぶことがある。
「ハーモニカ」が一般的なため、ときどき「ハープ」という言い方が混乱を呼ぶことがある。
ビートルズが出演したテレビ番組 ― たしか、"Ready Steady Go" だったと思うが ― で、ジョンがインタビューで「どんな楽器を弾きますか?」と聞かれて、「ギターとハープ」と答えたところ、インタビュアーが驚いて、「ハープ?冗談でしょう?」「本当だよ」というやりとりがあった。
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのドキュメンタリー番組でも、最初のハートブレイカーズセッションに、「トムはハープ」を持ってきたというスタン・リンチのコメントを、そのまま日本語字幕にしていたことがある。これも撥弦楽器のハープと取り違えていたと思われる。
ハーモニカの演奏といえば、真っ先に思いつくのは、ディランの "Tangled up in Blue"。私が初めて見たディランであり、魅入られてしまったディランだった。
ホーナーの小型ハーモニカ、Little Lady ― チェーンをつけてネックレスにつけたり、キーホルダーにつけることができるようになっている。以前、これを身に着けていた人がいて、私も欲しくなったのだが、ここで出会ったいうわけ。さっそく購入。
私は三つのハーモニカを持っている。

一番大きいのは、ホーナーの Puck。これはTP&HBファンの間で、「プレゼント交換会」なるものが行われたときに、もらったもの。音域は1オクターブ半あるが、ボブ・ディランやジョン・レノンが使うようなものよりは小さいだろう。
二番目の大きさのものは、ヤマハ。これは浜松の楽器博物館の売店で買った。当時は世界最小のハーモニカだった。Cで1オクターブ出せて、楽器としてもそれなりに立派。装飾も綺麗なので、気に入っている。
そして、最少が今回入手したホーナーの Little Lady。楽器としては分が悪く、完全にアクセサリー。ケースが良い。
ハーモニカの中には、おもにブルース・ハープ称される物もある。そのため、よくロッカーもハーモニカのことを「ハープ」と呼ぶことがある。
「ハーモニカ」が一般的なため、ときどき「ハープ」という言い方が混乱を呼ぶことがある。
ビートルズが出演したテレビ番組 ― たしか、"Ready Steady Go" だったと思うが ― で、ジョンがインタビューで「どんな楽器を弾きますか?」と聞かれて、「ギターとハープ」と答えたところ、インタビュアーが驚いて、「ハープ?冗談でしょう?」「本当だよ」というやりとりがあった。
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのドキュメンタリー番組でも、最初のハートブレイカーズセッションに、「トムはハープ」を持ってきたというスタン・リンチのコメントを、そのまま日本語字幕にしていたことがある。これも撥弦楽器のハープと取り違えていたと思われる。
ハーモニカの演奏といえば、真っ先に思いつくのは、ディランの "Tangled up in Blue"。私が初めて見たディランであり、魅入られてしまったディランだった。
The Waiting ― 2018/03/21 21:29
8弦ウクレレを手に入れて、何を弾こうかとあれこれ思いをめぐらしていると、当然のようにトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの "The Waiting" が候補にあがった。
"The Waiting" で検索していると、カバー・バージョンで、ナタリー・インブルーリアがあがってきた。ナタリー・インブルーリア…ちょっと意外。
原曲のロックな雰囲気皆無の、脱力系。それこそ、ウクレレが使われているような感じがする。
ちなみに、私にとってナタリー・インブルーリアと言えば、まずこれで全てである。"Torn" (デイヴィッド・アーマンド)
アカデミー賞授賞式で "Room at the Top" を歌ったエディ・ヴェダーは、ハートブレイカーズのライブにゲスト参加して、"The Waiting" を歌っており、その動画も有名だ。
やはり、ロックバンドによる演奏は抜群に良い。
ブリッジのところで、トムさんが歌い出さなきゃいけないのに、彼はどうやらミスったようだ。入り損ねてしまったので、ちょっと抜けた感じのソロギターを弾いて、改めてブリッジを歌い出したと思われる。
最後に、オリジナルの "The Waiting"。ネット動画が一般的になる前、「動く色つきバーズ」と呼ばれていたような気がする。
マイクがこのビデオを嫌っていようがどうしようが、名曲に素敵なビデオ。とてもお気に入りだ。何せトム・ペティが少女のように可愛らしい。やはり、いつか8弦ウクレレでこの曲をやろう
"The Waiting" で検索していると、カバー・バージョンで、ナタリー・インブルーリアがあがってきた。ナタリー・インブルーリア…ちょっと意外。
原曲のロックな雰囲気皆無の、脱力系。それこそ、ウクレレが使われているような感じがする。
ちなみに、私にとってナタリー・インブルーリアと言えば、まずこれで全てである。"Torn" (デイヴィッド・アーマンド)
アカデミー賞授賞式で "Room at the Top" を歌ったエディ・ヴェダーは、ハートブレイカーズのライブにゲスト参加して、"The Waiting" を歌っており、その動画も有名だ。
やはり、ロックバンドによる演奏は抜群に良い。
ブリッジのところで、トムさんが歌い出さなきゃいけないのに、彼はどうやらミスったようだ。入り損ねてしまったので、ちょっと抜けた感じのソロギターを弾いて、改めてブリッジを歌い出したと思われる。
最後に、オリジナルの "The Waiting"。ネット動画が一般的になる前、「動く色つきバーズ」と呼ばれていたような気がする。
マイクがこのビデオを嫌っていようがどうしようが、名曲に素敵なビデオ。とてもお気に入りだ。何せトム・ペティが少女のように可愛らしい。やはり、いつか8弦ウクレレでこの曲をやろう
You're an Ocean ― 2018/03/06 21:20
ファストボール Fastball というアメリカのバンドがある。
1990年代後半にかなりヒットしたバンドで、私も当時好きになった。その後、何年かおきに、「ファストボールって、解散したのかな」などとふと思ってはチェックし、そのたびに「新譜出しているんだ…」と思うバンドだ。
メンバー三人の顔ぶれは変わらず、これまでに6枚のアルバムを発売。去年も出している。
ファストボールで好きな曲というのは、色々あるが、"You're an Ocean" は特に好き。冒頭のピアノからして最高だ。メンバーのいずれもピアノの専任ではないが、とても格好良い。
良い曲だが、ミュージックビデオがダサいというのは、よくあること。どうしても映像が音楽の良さに追いつかないからだろう。
2017年10月2日、ファストボールの公式ツイッターには、こう投稿された。
Oh my God, Tom Petty is gone. Such an amazing songwriter. I'm totally gutted.
トム・ペティとファストボールの直接のつながりは知らないが、フォロワーであろうことは音楽を聴けば分かる。TP&HBのファンにも勧められるバンドだ。
1990年代後半にかなりヒットしたバンドで、私も当時好きになった。その後、何年かおきに、「ファストボールって、解散したのかな」などとふと思ってはチェックし、そのたびに「新譜出しているんだ…」と思うバンドだ。
メンバー三人の顔ぶれは変わらず、これまでに6枚のアルバムを発売。去年も出している。
ファストボールで好きな曲というのは、色々あるが、"You're an Ocean" は特に好き。冒頭のピアノからして最高だ。メンバーのいずれもピアノの専任ではないが、とても格好良い。
良い曲だが、ミュージックビデオがダサいというのは、よくあること。どうしても映像が音楽の良さに追いつかないからだろう。
2017年10月2日、ファストボールの公式ツイッターには、こう投稿された。
Oh my God, Tom Petty is gone. Such an amazing songwriter. I'm totally gutted.
トム・ペティとファストボールの直接のつながりは知らないが、フォロワーであろうことは音楽を聴けば分かる。TP&HBのファンにも勧められるバンドだ。
CRT ジョージ・ハリスン生誕祭 ― 2018/02/28 21:29
リイシュー版「コンサート・フォー・ジョージ」も届いて、一安心。[CFG] はいくつ持っていても構わない。

リマスターではないので、画質も何もまったく変わらない。国内版はまだ出ていないと思うが、日本語の字幕もあるので、今回のリイシュー版で十分だ。
そのような訳で、また見ている。
日曜日は、毎年恒例、レココレ・プレゼンツ CRT ジョージ・ハリスン生誕祭だった。これまた例年の如く、参加する。
今年の本秀康さんは、「インドに行く!」だそうだ。以前にも行って野犬に襲われていたが、今回は数日リシケシュに滞在して、修行プログラムみたいなものを実践するそうだ。
ジョージ・ファンを極めると、インドに行くことになるのだろうか。もっとも、私はインドに行こうという気は今のところ起きていない。
さて、これまた毎年恒例、本さんの妄想タイム。いろいろ楽しい想像をめぐらして、面白い。
今年面白かったのは、「CFGでのジェフ・リンの服装がダサすぎる」だった。
細身のスーツに身を包んで格好良いと思っていたので、ちょっとビックリした。本さん曰く、あの帽子はおかしいとのこと。なるほど、絵を描くひとは違う。そこで本さんが言い出したのが、
「あの帽子は、ジョージの遺品ではないのか?」ということ。2000年 [All Thing Must Pass] のプロモーション映像で、ジョージが被っていた帽子と似ているのだという。
私も確認してみたが…どうも、違うようだ。ジョージの帽子の方が深いだろう。それにしても、そういう想像は楽しい。年中友達にプレゼントをしていたジョージのことだから、何かの拍子に帽子をくれてもおかしくない。
[CFG] の話になり、これがどれほど良いか ― まったく無駄な人が居ないと言う。「なんでこの人?」という人が一人もいないというのだ。同感だ。
ゲイリー・ブルッカーがジョージの親しい友人だということを、クラプトンがどう知ったかということを、本さんはこう想像していた。
「クラプトンとジョージが一緒にメシ食ってるときに、ゲイリー・ブルッカーから電話がかかってきて、ジョージが15分くらい電話し続けて、クラプトンが『この俺と一緒にいるのに、こんなに放置されるほどの相手って一体何もんだ?!』となる」
もちろん、そんなことはないだろう。ブルッカーとジョージは古い付き合いだろうから、クラプトンとも長いだろう。…いや、ひょっとして?70年くらいにそういうことがあったかも知れない…
[CFG] の映像もたくさん見た。"Handle with Care" と、"I Need You" を大画面で見られたことはとても幸せなことだった。
あのポールが聞き分け良いなんて希有な機会で、演奏も最高だった…ということで、[For You Blue], [Something] と続けて観賞。後者は、リハーサルを見ていたマイク・キャンベルが、「ポール・マッカートニーと、エリック・クラプトンの高音ハーモニーだなんて!」と鳥肌モノに感動していた演奏だ。私もこの演奏は名演だと思う。
ポールはあのメンバーの中でも、ジョージの十代を知っている数少ない人の一人で、振り返るとそこにいるダニーの姿に、ドキっとして、思うところがあるだろうという話にもなった。もっとも、[CFG] の時ダニーは二十代だが。
そして、本さんはこうも言った。「ジョージが死んじゃったのは悲しいけど、この時期で良かったですよ。トム・ペティも、ビリー・プレストンも出てくれて」
その通りだ。あのときでないと、あのメンバーは揃わなかった。
色々な成り行きと、幸運、友情と愛情と、最高の音楽とで、「コンサート・フォー・ジョージ」は出来ている。
さぁ、今こそ、[CFG] を買うのです、見るのです、人にプレゼントするのです!

リマスターではないので、画質も何もまったく変わらない。国内版はまだ出ていないと思うが、日本語の字幕もあるので、今回のリイシュー版で十分だ。
そのような訳で、また見ている。
日曜日は、毎年恒例、レココレ・プレゼンツ CRT ジョージ・ハリスン生誕祭だった。これまた例年の如く、参加する。
今年の本秀康さんは、「インドに行く!」だそうだ。以前にも行って野犬に襲われていたが、今回は数日リシケシュに滞在して、修行プログラムみたいなものを実践するそうだ。
ジョージ・ファンを極めると、インドに行くことになるのだろうか。もっとも、私はインドに行こうという気は今のところ起きていない。
さて、これまた毎年恒例、本さんの妄想タイム。いろいろ楽しい想像をめぐらして、面白い。
今年面白かったのは、「CFGでのジェフ・リンの服装がダサすぎる」だった。
細身のスーツに身を包んで格好良いと思っていたので、ちょっとビックリした。本さん曰く、あの帽子はおかしいとのこと。なるほど、絵を描くひとは違う。そこで本さんが言い出したのが、
「あの帽子は、ジョージの遺品ではないのか?」ということ。2000年 [All Thing Must Pass] のプロモーション映像で、ジョージが被っていた帽子と似ているのだという。
私も確認してみたが…どうも、違うようだ。ジョージの帽子の方が深いだろう。それにしても、そういう想像は楽しい。年中友達にプレゼントをしていたジョージのことだから、何かの拍子に帽子をくれてもおかしくない。
[CFG] の話になり、これがどれほど良いか ― まったく無駄な人が居ないと言う。「なんでこの人?」という人が一人もいないというのだ。同感だ。
ゲイリー・ブルッカーがジョージの親しい友人だということを、クラプトンがどう知ったかということを、本さんはこう想像していた。
「クラプトンとジョージが一緒にメシ食ってるときに、ゲイリー・ブルッカーから電話がかかってきて、ジョージが15分くらい電話し続けて、クラプトンが『この俺と一緒にいるのに、こんなに放置されるほどの相手って一体何もんだ?!』となる」
もちろん、そんなことはないだろう。ブルッカーとジョージは古い付き合いだろうから、クラプトンとも長いだろう。…いや、ひょっとして?70年くらいにそういうことがあったかも知れない…
[CFG] の映像もたくさん見た。"Handle with Care" と、"I Need You" を大画面で見られたことはとても幸せなことだった。
あのポールが聞き分け良いなんて希有な機会で、演奏も最高だった…ということで、[For You Blue], [Something] と続けて観賞。後者は、リハーサルを見ていたマイク・キャンベルが、「ポール・マッカートニーと、エリック・クラプトンの高音ハーモニーだなんて!」と鳥肌モノに感動していた演奏だ。私もこの演奏は名演だと思う。
ポールはあのメンバーの中でも、ジョージの十代を知っている数少ない人の一人で、振り返るとそこにいるダニーの姿に、ドキっとして、思うところがあるだろうという話にもなった。もっとも、[CFG] の時ダニーは二十代だが。
そして、本さんはこうも言った。「ジョージが死んじゃったのは悲しいけど、この時期で良かったですよ。トム・ペティも、ビリー・プレストンも出てくれて」
その通りだ。あのときでないと、あのメンバーは揃わなかった。
色々な成り行きと、幸運、友情と愛情と、最高の音楽とで、「コンサート・フォー・ジョージ」は出来ている。
さぁ、今こそ、[CFG] を買うのです、見るのです、人にプレゼントするのです!
Concert for George (not reissue) ― 2018/02/24 22:04
さぁ![CFG] こと、「コンサート・フォー・ジョージ」リイシュー版の発売!見るぞ!…と思ったら、まだ手元に届かない!!
……………!!
よし、旧版のBlu-rayを見よう!
我ながら何をやっているのか、分からなくなってきた。
しかしまぁ、もう何十回見たか分からないし。泣きはしないだろうと。高をくくる。
駄目だった…やはり、パイソンのところと、エンディングで泣いてしまった…
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズで号泣するかと思ったら、それがそうでもない。なんだか凄くロックンロールなバンドが出てきて、"Taxman" を演奏するところなんて、ゾクゾクするほど格好良い。マイクの短いソロは、このコンサートの中でも最もイカした演奏だろう。
マイク・キャンベルといえば、ハートブレイカーズが演奏を始めようとするとき、トムさんと顔を見合わせ、「いいよ」と言う声が PA に拾われている。待てよ、もしかしてステージ上でマイクが出した声が、PAに拾われて聞こえるって…これが初めてのことではないだろうか?
トムさんももちろんだが、マイクも出てきたときから笑顔全開で、ジェフ・リンやダニーの顔をみると、さらに笑顔が輝く。このコンサートに参加したことが本当に誇らしく、嬉しく、幸せなことだったのだろう。
"I Need You" で、泣きはしなかったが、トムさんの美しいグレイッシュ・ブルーの瞳が印象的だった。ほんとうに、美しい目をしていた。
[CFG] を見ていると何から何まで、細かいことがいちいち素敵に思える。
アヌーシュカのピアスが最高。あれ、欲しい。
ジム・ケルトナーのシャツはボブ・ディラン。
"Handle with Care" でトムさんのカウントに続いて一発目のドラムが鳴るとき、背後でマイケル・ケイマン(ストリングスの編曲・指揮者)が手を「パン!」と叩いている。
リンゴが出てきたとき、とっさにクラプトンが振り返って、「ちょっと待った!」をやっている。そしてビートルめがけて、ジェリー・ビーンズが飛んでくる。ダニーがびびる。
ポールが歌っている間も、後ろで大熱唱するクラプトン。
花びらの散る "I'll See You in My Dream" でダニーの肩を抱くクラプトン。ダニーがオリヴィアと抱き合うと、ウルウルした目をして、小さく "Yeah" と呟くクラプトン。
クラプトンは、本当に、本当に素晴らしい仕事をした。"While My Guitar Gently Weeps" の最後で、演奏と終わらせるために振り返った姿は、クラプトン史上もっとも格好良い。燃え尽きたみたいに、うつむいてしまうクラプトン。それに声をかけるダニー。美しい。
そしてジェフ・リン。彼のヴォーカルの良さがすごく味わえる。"Something" などはサポート役に徹しているが、その存在感、美しさ。彼はソングライティングや、プロデューシングなどで高評価だが、そのヴォーカルも素晴らしいと思う。
そして共演者と顔を合わせると、「テヘッ」と笑ってみせる。素敵。
編集も良い。最後の方になると総立ちになる観客に視界が阻まれる感じに、臨場感がある。
そして、相変わらず感心するのが、"Wah-Wah" におけるトムさんの位置取りの妙。あれほど完璧な立ち位置があるだろうか。クラプトンの顔を見て大笑い、ダニーを見てニコニコ。見事な金髪を輝かせ、ややいい加減にギターを弾くトム・ペティ。彼がもうジョージのところへ行ってしまった悲しみよりも、あの輝くばかりの存在に幸福感が溢れる。
[CFG] を見ると、何もかもが素敵で、まとまりがなく、爽やかな感動と満ち足りた気持ちが残る。そして人間は捨てたもんじゃないし、友達っていいな、そう思う。
……………!!
よし、旧版のBlu-rayを見よう!
我ながら何をやっているのか、分からなくなってきた。
しかしまぁ、もう何十回見たか分からないし。泣きはしないだろうと。高をくくる。
駄目だった…やはり、パイソンのところと、エンディングで泣いてしまった…
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズで号泣するかと思ったら、それがそうでもない。なんだか凄くロックンロールなバンドが出てきて、"Taxman" を演奏するところなんて、ゾクゾクするほど格好良い。マイクの短いソロは、このコンサートの中でも最もイカした演奏だろう。
マイク・キャンベルといえば、ハートブレイカーズが演奏を始めようとするとき、トムさんと顔を見合わせ、「いいよ」と言う声が PA に拾われている。待てよ、もしかしてステージ上でマイクが出した声が、PAに拾われて聞こえるって…これが初めてのことではないだろうか?
トムさんももちろんだが、マイクも出てきたときから笑顔全開で、ジェフ・リンやダニーの顔をみると、さらに笑顔が輝く。このコンサートに参加したことが本当に誇らしく、嬉しく、幸せなことだったのだろう。
"I Need You" で、泣きはしなかったが、トムさんの美しいグレイッシュ・ブルーの瞳が印象的だった。ほんとうに、美しい目をしていた。
[CFG] を見ていると何から何まで、細かいことがいちいち素敵に思える。
アヌーシュカのピアスが最高。あれ、欲しい。
ジム・ケルトナーのシャツはボブ・ディラン。
"Handle with Care" でトムさんのカウントに続いて一発目のドラムが鳴るとき、背後でマイケル・ケイマン(ストリングスの編曲・指揮者)が手を「パン!」と叩いている。
リンゴが出てきたとき、とっさにクラプトンが振り返って、「ちょっと待った!」をやっている。そしてビートルめがけて、ジェリー・ビーンズが飛んでくる。ダニーがびびる。
ポールが歌っている間も、後ろで大熱唱するクラプトン。
花びらの散る "I'll See You in My Dream" でダニーの肩を抱くクラプトン。ダニーがオリヴィアと抱き合うと、ウルウルした目をして、小さく "Yeah" と呟くクラプトン。
クラプトンは、本当に、本当に素晴らしい仕事をした。"While My Guitar Gently Weeps" の最後で、演奏と終わらせるために振り返った姿は、クラプトン史上もっとも格好良い。燃え尽きたみたいに、うつむいてしまうクラプトン。それに声をかけるダニー。美しい。
そしてジェフ・リン。彼のヴォーカルの良さがすごく味わえる。"Something" などはサポート役に徹しているが、その存在感、美しさ。彼はソングライティングや、プロデューシングなどで高評価だが、そのヴォーカルも素晴らしいと思う。
そして共演者と顔を合わせると、「テヘッ」と笑ってみせる。素敵。
編集も良い。最後の方になると総立ちになる観客に視界が阻まれる感じに、臨場感がある。
そして、相変わらず感心するのが、"Wah-Wah" におけるトムさんの位置取りの妙。あれほど完璧な立ち位置があるだろうか。クラプトンの顔を見て大笑い、ダニーを見てニコニコ。見事な金髪を輝かせ、ややいい加減にギターを弾くトム・ペティ。彼がもうジョージのところへ行ってしまった悲しみよりも、あの輝くばかりの存在に幸福感が溢れる。
[CFG] を見ると、何もかもが素敵で、まとまりがなく、爽やかな感動と満ち足りた気持ちが残る。そして人間は捨てたもんじゃないし、友達っていいな、そう思う。
CFG: Fashion Check ! ― 2018/02/16 22:31
何度でも言うが、私は [CFG] こと、「コンサート・フォー・ジョージ」が大好きだ。
どのくらい好きかと言うと、[CFG] のポスターを1万円で買ったくらいだ。
ビートルズグッズ専門店に問い合わせた当初は、無いとのことだった。その後、店から入手できたが、1万円でどうかというオファーが来たのだ。即購入。5万円でも買っただろう。
さて、今日は [CFG] のファッション・チェック!
まず女性陣から言えば、サム・ブラウンの圧勝だろう。大胆なドレスで、圧倒的な歌唱力。帽子も格好良いし、それを拾う仕草、小さい頃からよく知っているダニーの手を取る仕草、どれも姐さん、貫禄十分です。
オリヴィアはこのコンサートのために、ドレスをあつらえたのだろう。雰囲気に合っていて、とても素敵だ。
さて、男性陣。
一番多いのは、スーツでびしっと決める面々。ジェフ・リン,ポール、そしてトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズは細身のスーツで格好良い。マイクがちょっと怪しい感じだが、でも格好良い。
アメリカのツアー中にロンドンに飛んでくれたハートブレイカーズ。そういえば、トムさんの脂肪吸引疑惑が囁かれたのはこの頃だったか。
アメリカからびしっとスーツで、気合い十分で乗り込んできたハートブレイカーズ、その前に現れたのは…
カジュアル勢。
まず、クラプトン。…ユニクロ…?ユニクロ?そして覚えておかなければならないのは、クラプトンのソックスは、白いということ。どこで分かるのか?それは見てのお楽しみ。ヒント、前半。
そしてダニー。インド風の上下でとても清楚で可愛い…すごくセンスのあるチョイス。哀れな感じなんて微塵も無くて、天使…?!というか、ジョージ…?彼の佇まいも、このコンサートを温かく、心地よいものにしている一つの要素だろう。
そして、なぜかひとり南国気分の、ジョー・ブラウン。娘とは正反対の、アロハー!な、リラックス・スタイル。このアロハがコンサートのトリで、号泣させる。
そして、どう分類すれば良いのか分からない、大ボス。それがリンゴ。
追悼コンサートなのに、真っ赤なジャケットにハデハデ刺繍、カジュアルなボトムズ。リンゴだから合っているファッションなのだろう。
若い頃からそうだが、リンゴは何を着ても様になる。
さぁ、「コンサート・フォー・ジョージ」を買うのです…見るのです!ジョージ・ファンならずとも、ぜひ。
どのくらい好きかと言うと、[CFG] のポスターを1万円で買ったくらいだ。
ビートルズグッズ専門店に問い合わせた当初は、無いとのことだった。その後、店から入手できたが、1万円でどうかというオファーが来たのだ。即購入。5万円でも買っただろう。
さて、今日は [CFG] のファッション・チェック!
まず女性陣から言えば、サム・ブラウンの圧勝だろう。大胆なドレスで、圧倒的な歌唱力。帽子も格好良いし、それを拾う仕草、小さい頃からよく知っているダニーの手を取る仕草、どれも姐さん、貫禄十分です。
オリヴィアはこのコンサートのために、ドレスをあつらえたのだろう。雰囲気に合っていて、とても素敵だ。
さて、男性陣。
一番多いのは、スーツでびしっと決める面々。ジェフ・リン,ポール、そしてトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズは細身のスーツで格好良い。マイクがちょっと怪しい感じだが、でも格好良い。
アメリカのツアー中にロンドンに飛んでくれたハートブレイカーズ。そういえば、トムさんの脂肪吸引疑惑が囁かれたのはこの頃だったか。
アメリカからびしっとスーツで、気合い十分で乗り込んできたハートブレイカーズ、その前に現れたのは…
カジュアル勢。
まず、クラプトン。…ユニクロ…?ユニクロ?そして覚えておかなければならないのは、クラプトンのソックスは、白いということ。どこで分かるのか?それは見てのお楽しみ。ヒント、前半。
そしてダニー。インド風の上下でとても清楚で可愛い…すごくセンスのあるチョイス。哀れな感じなんて微塵も無くて、天使…?!というか、ジョージ…?彼の佇まいも、このコンサートを温かく、心地よいものにしている一つの要素だろう。
そして、なぜかひとり南国気分の、ジョー・ブラウン。娘とは正反対の、アロハー!な、リラックス・スタイル。このアロハがコンサートのトリで、号泣させる。
そして、どう分類すれば良いのか分からない、大ボス。それがリンゴ。
追悼コンサートなのに、真っ赤なジャケットにハデハデ刺繍、カジュアルなボトムズ。リンゴだから合っているファッションなのだろう。
若い頃からそうだが、リンゴは何を着ても様になる。
さぁ、「コンサート・フォー・ジョージ」を買うのです…見るのです!ジョージ・ファンならずとも、ぜひ。
Multi-Format [Concert For George] Reissue ― 2018/02/10 20:12
2018年2月23日、[CFG] こと 「コンサート・フォー・ジョージ」のリイシュー版が、世界同時発売される。
さぁ、いまこそ!名作 [CFG] を買うときです!
今回のリイシューは、ジョージの生誕75年を記念してのもの。形態によって四つのバリエーションがある。これまでもBlu-ray化や、期間限定のフリー視聴などなど、様々なかたちでCFGは送り出されてきた。まるで "The Last Waltz" だ。それほどの価値のある、極上のコンサート、[CFG]。
今回は初めてアナログ盤が出る。私はアナログ盤を集める趣味がないのでこれは遠慮する。さらにデラックス・ボックスは、コンサート当日に飾られたタペストリーの断片が入るという、マニア向けのシロモノだ。
私は、CDとBRボックスを予約した。すでにDVDも、BRも、CDも持っているが、CFGはいくらあっても良い。買って人にプレゼントしたことも、一度や二度ではない。
そもそも、トレイラーからして既に名作。
クラプトン,ジェフ・リン,TP&HB, ポール,リンゴ,ビリー・プレストン,ゲイリー・ブルッカー,ジョー・ブラウン,サム・ブラウンなどステージの中心に立つミュージシャンたちのみならず、バンドを構成する大物ミュージシャン ― ジム・ケルトナー,レイ・クーパー,ジム・キャパルディ,ジュールズ・ホランド,マーク・マン,アルバート・リー,ジム・ホーン,そしてクラウス・フォアマン…その他大勢 ― 豪華すぎて舞台の床が抜けそうで、しかも若かりし頃のジョージとまったく同じ容姿(少し小さいだけ)のダニーがいる。
ついでに、客席にいるスティーヴ・ウィンウッドとビル・ワイマンを捜すという、おまけつき。
インド音楽のパートもかなり魅力的で、CFGのBRをウクレレの先生(ギタリスト)にプレゼントしたら、インドパートにはまっていた。
忘れてはいけない、モンティ・パイソン!私はこれでパイソン・ファンになった。
映像作品としては、コンサートの完全版はもちろんだが、劇場上映版のインタビューや、リハーサル風景なども必見だ。
「でも、ジョージ本人はいないじゃん?」と言った友達がいた。
私に騙されたと思って、とにかく見ろ!…と言ったら、次に会ったとき彼は「泣いちゃったよ…」と報告してきた。
そう、ジョージの追悼コンサートでジョージ本人はいないのに、ジョージはまちがいなく「いる」のだ。絶対そう確信できる。
何度見ても、ボロボロ泣ける。
今回のリイシューを見たら、今までとはまた違う感慨だろう。当時52歳だったトムさんと、ハートブレイカーズが「若手」として活躍している。
"Taxman" はこのコンサートで一番にロックな格好良さであり、"Handle with Care" はまさに夢の実現。そして、ここでは "I Need You" をあげておこう。CFGで演奏された中で、ジョージのもっとも初期の曲だ。
いわゆる、「ギタリスト声」というそうだ。ああいう、ジョージやトムさんのようなやや薄くて、儚げで、でも説得力のある声。ビートルズでの録音時、ジョージは23歳くらいだったと思うが、52歳のトムさんが、あの若さ、若さ故の苦さ、胸がいっぱいになるような切なさを、完璧に再現している。
ロイヤル・アルバート・ホールの天井 ― そしてその上の空を見上げ、歌を捧げるトム・ペティ。歌い終わり、ちょっとだけうつむくトム・ペティ。ああ、きっとジョージとトムさんは一緒に歌っていたのだろう。そして今もきっと、一緒に歌っている。
ことが [CFG] となると、もはや落ち着いてなどおられず、片っ端から人をつかまえて、勧めたくなる。ジョージや出演者のファンでもなくても、勧めたくなる。音楽が好きなら、きっと何かを得るはず。 ― いや、音楽に特に興味のない友人に、「パイソン物」として貸したら、「あのコンサート、いいね」という感想が返ってきたことすらある。
きっと、音楽を抜きにしても、人間が生きていること、友達がいるということ、友達への愛情を表現するということが、どれほど人の心を動かすのか ― そして、それをいきいきと、明るく、そして感動的に伝えきっているものこそ、[CFG] だからだろう。
さぁ、いまこそ!「コンサート・フォー・ジョージ」を買うのです!見るのです!本当に、本当に素晴らしいから!
さぁ、いまこそ!名作 [CFG] を買うときです!
今回のリイシューは、ジョージの生誕75年を記念してのもの。形態によって四つのバリエーションがある。これまでもBlu-ray化や、期間限定のフリー視聴などなど、様々なかたちでCFGは送り出されてきた。まるで "The Last Waltz" だ。それほどの価値のある、極上のコンサート、[CFG]。
今回は初めてアナログ盤が出る。私はアナログ盤を集める趣味がないのでこれは遠慮する。さらにデラックス・ボックスは、コンサート当日に飾られたタペストリーの断片が入るという、マニア向けのシロモノだ。
私は、CDとBRボックスを予約した。すでにDVDも、BRも、CDも持っているが、CFGはいくらあっても良い。買って人にプレゼントしたことも、一度や二度ではない。
そもそも、トレイラーからして既に名作。
クラプトン,ジェフ・リン,TP&HB, ポール,リンゴ,ビリー・プレストン,ゲイリー・ブルッカー,ジョー・ブラウン,サム・ブラウンなどステージの中心に立つミュージシャンたちのみならず、バンドを構成する大物ミュージシャン ― ジム・ケルトナー,レイ・クーパー,ジム・キャパルディ,ジュールズ・ホランド,マーク・マン,アルバート・リー,ジム・ホーン,そしてクラウス・フォアマン…その他大勢 ― 豪華すぎて舞台の床が抜けそうで、しかも若かりし頃のジョージとまったく同じ容姿(少し小さいだけ)のダニーがいる。
ついでに、客席にいるスティーヴ・ウィンウッドとビル・ワイマンを捜すという、おまけつき。
インド音楽のパートもかなり魅力的で、CFGのBRをウクレレの先生(ギタリスト)にプレゼントしたら、インドパートにはまっていた。
忘れてはいけない、モンティ・パイソン!私はこれでパイソン・ファンになった。
映像作品としては、コンサートの完全版はもちろんだが、劇場上映版のインタビューや、リハーサル風景なども必見だ。
「でも、ジョージ本人はいないじゃん?」と言った友達がいた。
私に騙されたと思って、とにかく見ろ!…と言ったら、次に会ったとき彼は「泣いちゃったよ…」と報告してきた。
そう、ジョージの追悼コンサートでジョージ本人はいないのに、ジョージはまちがいなく「いる」のだ。絶対そう確信できる。
何度見ても、ボロボロ泣ける。
今回のリイシューを見たら、今までとはまた違う感慨だろう。当時52歳だったトムさんと、ハートブレイカーズが「若手」として活躍している。
"Taxman" はこのコンサートで一番にロックな格好良さであり、"Handle with Care" はまさに夢の実現。そして、ここでは "I Need You" をあげておこう。CFGで演奏された中で、ジョージのもっとも初期の曲だ。
いわゆる、「ギタリスト声」というそうだ。ああいう、ジョージやトムさんのようなやや薄くて、儚げで、でも説得力のある声。ビートルズでの録音時、ジョージは23歳くらいだったと思うが、52歳のトムさんが、あの若さ、若さ故の苦さ、胸がいっぱいになるような切なさを、完璧に再現している。
ロイヤル・アルバート・ホールの天井 ― そしてその上の空を見上げ、歌を捧げるトム・ペティ。歌い終わり、ちょっとだけうつむくトム・ペティ。ああ、きっとジョージとトムさんは一緒に歌っていたのだろう。そして今もきっと、一緒に歌っている。
ことが [CFG] となると、もはや落ち着いてなどおられず、片っ端から人をつかまえて、勧めたくなる。ジョージや出演者のファンでもなくても、勧めたくなる。音楽が好きなら、きっと何かを得るはず。 ― いや、音楽に特に興味のない友人に、「パイソン物」として貸したら、「あのコンサート、いいね」という感想が返ってきたことすらある。
きっと、音楽を抜きにしても、人間が生きていること、友達がいるということ、友達への愛情を表現するということが、どれほど人の心を動かすのか ― そして、それをいきいきと、明るく、そして感動的に伝えきっているものこそ、[CFG] だからだろう。
さぁ、いまこそ!「コンサート・フォー・ジョージ」を買うのです!見るのです!本当に、本当に素晴らしいから!
It's Best Frend's Birthday ― 2018/02/01 21:51
マイク・キャンベルが自分のバンド、ザ・ダーティ・ノブズのライブで、友人であるトム・ペティのために、"Something Good Coming" と、Runnin' Down a Dream" を演奏したという。
ダーティ・ノブズのライブで、ハートブレイカーズの曲をやるのは初めて。
これはもう、多くを語る必要はないだろう。トムは世を去り、その親友であり、相棒だったマイクは、この世に生き、音楽を奏でている。
マイクの歌が、あまりにもトムさんに似ていて、言葉を失う。最初は他人だった夫婦が、長年連れ添うと、似てくるという現象と同じだろう。しゃべり方もそっくりだ。
そして生きる世界を異にしてもなお、二人は魂の親友であり、相棒であり続けている。いま、この瞬間も ―
マイク、お誕生日おめでとう。トムさんも、きっとそう言っている。
ダーティ・ノブズのライブで、ハートブレイカーズの曲をやるのは初めて。
これはもう、多くを語る必要はないだろう。トムは世を去り、その親友であり、相棒だったマイクは、この世に生き、音楽を奏でている。
マイクの歌が、あまりにもトムさんに似ていて、言葉を失う。最初は他人だった夫婦が、長年連れ添うと、似てくるという現象と同じだろう。しゃべり方もそっくりだ。
そして生きる世界を異にしてもなお、二人は魂の親友であり、相棒であり続けている。いま、この瞬間も ―
マイク、お誕生日おめでとう。トムさんも、きっとそう言っている。
When Prince Met Tom Petty ― 2018/01/27 22:33
「俺の二大スターは、デイヴィッド・ボウイと、プリンス」 ― と、いう同僚がいる。彼にとって、去年はショッキングなことが立て続けに起こったわけだ。
プリンスが亡くなってから少しして、彼が私にふと話しかけてきた。
「トム・ペティって……」
ああ、あれを見たなと悟った。
2004年、ジョージのロックンロール・ホール・オブ・フェイム授賞式。"While My Guitar Gently Weeps" ―
プリンスのファンとしてこれを見て初めて、まともにトム・ペティを認識したというわけだ。
何度見ても凄い。この曲に関して、クラプトンとジョージ以外のソロ奏者としては、プリンスが一番だろう。トムさんとジェフ・リン、プリンスがもの凄い存在感を発揮しているが、さらに贅沢なことに、スティーヴ・ウィンウッドとジム・キャパルディ,そして二人のハートブレイカーまで揃っている。特にウィンウッドのオルガンがふるっている。この曲はギターだけではなく、オルガンも非常に重要なサウンド・ファクターなだけに、最高の布陣だ。
ダニーもこういう豪華な場には慣れているだろうが、プリンスのファンだけに、とりわけ楽しそう。プリンスのソロが始まろうとするときに、彼の顔を見て顔一杯に笑うダニー。そしてプリンスが観客席へ倒れ込むのを圧倒されたような顔で見て、おそらくジェフ・リンに向かって「あれ、見てよ!」という表情をしている。
プリンスのギター・ソロもさることながら、私はこの演奏に関して、トム・ペティのヴォーカルも抜群だと思っている。これまた、ジョージっぽい憂いを帯びた、でも自信に溢れたヴォーカル。プリンスがソロを弾いている間にも、"Look at you all..." と歌っているのが最高にエレガントで、格好良い。
例の同僚は、実は去年10月3日の早朝、私の次にオフィスに入ってきた人だった。思わず呼び止め、トム・ペティの悲しいニュース(この時点では情報が混乱していた)を話さずにはいられなかった。
そして先日、その死因の公式発表があり、それがプリンスと同じであったことを話すと、「そう!俺も見ました!」との返事。
「記事で読んだんですけど、トム・ペティが、プリンスが亡くなる数日前に電話しようと思ったって言うんですよね…」
この話は初耳だったので、確認してみると、たしかにあった。トムさんがプリンスの死を受けて、Times紙に語っているのだ。
When Prince Met Tom Petty for ‘While My Guitar Gently Weeps'
"I almost told myself I was going to call him and just see how he was," he mused. "I’m starting to think you should just act on those things all the time."
「ぼくは、彼(プリンス)に、元気か、って電話しようかなと思っていたんだ。」彼(ペティ)は思いにふけった。「それからは、やろうと思ったことは、すぐにやろうって考えるようになったよ。」
賢者の言葉だ。
プリンスが亡くなってから少しして、彼が私にふと話しかけてきた。
「トム・ペティって……」
ああ、あれを見たなと悟った。
2004年、ジョージのロックンロール・ホール・オブ・フェイム授賞式。"While My Guitar Gently Weeps" ―
プリンスのファンとしてこれを見て初めて、まともにトム・ペティを認識したというわけだ。
何度見ても凄い。この曲に関して、クラプトンとジョージ以外のソロ奏者としては、プリンスが一番だろう。トムさんとジェフ・リン、プリンスがもの凄い存在感を発揮しているが、さらに贅沢なことに、スティーヴ・ウィンウッドとジム・キャパルディ,そして二人のハートブレイカーまで揃っている。特にウィンウッドのオルガンがふるっている。この曲はギターだけではなく、オルガンも非常に重要なサウンド・ファクターなだけに、最高の布陣だ。
ダニーもこういう豪華な場には慣れているだろうが、プリンスのファンだけに、とりわけ楽しそう。プリンスのソロが始まろうとするときに、彼の顔を見て顔一杯に笑うダニー。そしてプリンスが観客席へ倒れ込むのを圧倒されたような顔で見て、おそらくジェフ・リンに向かって「あれ、見てよ!」という表情をしている。
プリンスのギター・ソロもさることながら、私はこの演奏に関して、トム・ペティのヴォーカルも抜群だと思っている。これまた、ジョージっぽい憂いを帯びた、でも自信に溢れたヴォーカル。プリンスがソロを弾いている間にも、"Look at you all..." と歌っているのが最高にエレガントで、格好良い。
例の同僚は、実は去年10月3日の早朝、私の次にオフィスに入ってきた人だった。思わず呼び止め、トム・ペティの悲しいニュース(この時点では情報が混乱していた)を話さずにはいられなかった。
そして先日、その死因の公式発表があり、それがプリンスと同じであったことを話すと、「そう!俺も見ました!」との返事。
「記事で読んだんですけど、トム・ペティが、プリンスが亡くなる数日前に電話しようと思ったって言うんですよね…」
この話は初耳だったので、確認してみると、たしかにあった。トムさんがプリンスの死を受けて、Times紙に語っているのだ。
When Prince Met Tom Petty for ‘While My Guitar Gently Weeps'
"I almost told myself I was going to call him and just see how he was," he mused. "I’m starting to think you should just act on those things all the time."
「ぼくは、彼(プリンス)に、元気か、って電話しようかなと思っていたんだ。」彼(ペティ)は思いにふけった。「それからは、やろうと思ったことは、すぐにやろうって考えるようになったよ。」
賢者の言葉だ。
Pain no more ― 2018/01/23 21:15
先週半ばから、病気に伏してしまった。大した話ではなく、はやりの流感にかかっただけではあるが、快復したばかりで体力がない。昨日も、どうしても参加したいトム・ペティ関連のイベントがあったのだが、欠席せざるを得なかった。
私の場合、問題だったのは流感そのものよりも、その後だった。処方された薬はごく一般的なものだったが、その一つがアレルギー反応を起こし、体中が真っ赤に腫れ上がったのだ。これには参った。数日でおさまりはしたが、今後はその薬を避けなければならない。
そんな時期に、トム・ペティの死因に関する公式声明が出た。丁寧な翻訳をしてくれた、Heartbreaker's Japan Party さんに感謝。
Passed away due to an accidental drug overdose as a result of taking a variety of medications.
複数の薬物の偶発的な過剰摂取による死 ―
「オピオイド危機」と呼ばれる、鎮痛薬の多用が引き起こす問題が、アメリカでは深刻化しているという話を聞いたことはある。そういえば、あれやこれやの有名人が亡くなった時も、この手の薬のことが話題にのぼっていたような気がする。
トム・ペティという、心から愛して止まない人をこれで失って、はじめてその重大さを思い知らされた。
社会問題に関しては、まずおいておく。
とても悲しかったのが、トム・ペティがとても多くの痛みに耐えていたという事実だ。なんて辛いことだろう。なんて心の痛むことだろう。
トムさん、ごめん。
いつも、いつも求めてばかりいて。
新曲も、新譜も聴きたい、ライブも見たい、ツアーもしてほしい。あなたが必死に痛みに耐えていたときに、ずっとあなたの才能と寛容さに甘えていたんだ。ほんとうに、ほんとうにごめん。
「ファンが一人でもいれば、やり続けるさ」 ― あなたはいつかそう言っていた。そのままを実行していたトムさん。肺や喉が痛くても、膝が痛くても、股関節を骨折するまで、トムさんはステージに立ち、ギターを弾き、観客たちを全力で楽しませ、幸せにしてくれていた。
あなたはプロ中のプロであり、ロックンローラーとしての ― そしてきっと、人間としての誇りだ。
きっとあなたは笑って許すだろう。自分が愛していたことを、全力でやるためなら、どんな痛みにも耐えると、きっと言っただろう。
でも、いまだけは言わせて欲しい。ほんとうにごめん。そしてありがとう。心から、ありがとう。もう痛みに耐えることなく、静かに休んで。
トム・ペティに安らいで欲しいのに、トム・ペティの曲というのもおかしな話だが、どうしてもこの曲しか浮かばない。
私の場合、問題だったのは流感そのものよりも、その後だった。処方された薬はごく一般的なものだったが、その一つがアレルギー反応を起こし、体中が真っ赤に腫れ上がったのだ。これには参った。数日でおさまりはしたが、今後はその薬を避けなければならない。
そんな時期に、トム・ペティの死因に関する公式声明が出た。丁寧な翻訳をしてくれた、Heartbreaker's Japan Party さんに感謝。
Passed away due to an accidental drug overdose as a result of taking a variety of medications.
複数の薬物の偶発的な過剰摂取による死 ―
「オピオイド危機」と呼ばれる、鎮痛薬の多用が引き起こす問題が、アメリカでは深刻化しているという話を聞いたことはある。そういえば、あれやこれやの有名人が亡くなった時も、この手の薬のことが話題にのぼっていたような気がする。
トム・ペティという、心から愛して止まない人をこれで失って、はじめてその重大さを思い知らされた。
社会問題に関しては、まずおいておく。
とても悲しかったのが、トム・ペティがとても多くの痛みに耐えていたという事実だ。なんて辛いことだろう。なんて心の痛むことだろう。
トムさん、ごめん。
いつも、いつも求めてばかりいて。
新曲も、新譜も聴きたい、ライブも見たい、ツアーもしてほしい。あなたが必死に痛みに耐えていたときに、ずっとあなたの才能と寛容さに甘えていたんだ。ほんとうに、ほんとうにごめん。
「ファンが一人でもいれば、やり続けるさ」 ― あなたはいつかそう言っていた。そのままを実行していたトムさん。肺や喉が痛くても、膝が痛くても、股関節を骨折するまで、トムさんはステージに立ち、ギターを弾き、観客たちを全力で楽しませ、幸せにしてくれていた。
あなたはプロ中のプロであり、ロックンローラーとしての ― そしてきっと、人間としての誇りだ。
きっとあなたは笑って許すだろう。自分が愛していたことを、全力でやるためなら、どんな痛みにも耐えると、きっと言っただろう。
でも、いまだけは言わせて欲しい。ほんとうにごめん。そしてありがとう。心から、ありがとう。もう痛みに耐えることなく、静かに休んで。
トム・ペティに安らいで欲しいのに、トム・ペティの曲というのもおかしな話だが、どうしてもこの曲しか浮かばない。
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