My Favorite Melodies Vol.22014/12/29 21:14

 アイリッシュ・フルート,ティン・ホイッスル,リコーダー奏者であり、指導者としての活躍している安井マリさんが、2枚目のアルバムを発表した。
 去年発表した[My Favorite Melodies] に続き、第二弾 [My Favorite Melodies Vol.2]。今回もアイリッシュ・フルートとティン・ホイッスルをメインに据えて、穏やかでスローな曲を揃えている。



 前作との違いは、まずバックがギターではなく、ハープであること。前作のギターより、存在感があり、ソロを奏でることもある。
 さらに大きな違いは、主に日本で親しまれてきた曲でアルバムが構成されていること。アイルランドの曲に限らず(むしろアイリッシュの方が少ない)、スコットランドやイングランド、アメリカで作られ、明治時代以降日本に入って日本語の歌詞がつけられ、愛唱されてきた曲を多く収録している。「春の日の花と輝く」や、「庭の千草」がその代表だろう。
 最近テレビでも、「埴生の宿」や「ザ・ウォーター・イズ・ワイド」などがよく流れているらしい。  さらに、純粋に日本の曲である「夏は来ぬ」や、「浜辺の歌」、「揺籃のうた」も収録されている。

 前作に続き、豊かで叙情性に満ち、しかし甘くなりすぎない絶妙な美しさの演奏にが揃っている。
 曲に関しては、はまる人は、はまる。日本人の愛唱歌という意味では、豪華で満足の行くラインナップ。
 ただし、私には完璧にマッチするというわけにはいかなかった。せっかく安井マリさんのフルートやホイッスルを堪能するなら、アイリッシュ,せいぜいスコットランド,ウェイルズ。ケルト系の曲の方が性に合っている。日本の曲は私にはピンとこない。

 超のつく有名曲が並ぶ中で、実は「庭の千草」という曲は、あまり馴染みがないことを白状しておく。まったく聴いたことがないわけではないが、ちゃんとは知らなかった。
 そして、「とねりこの木立」という曲は、全くの初めての曲だった。日本で有名なのだろうか。原題は "The Ash Grove" といい、Wikipedia によると、ウェイルズのトラディショナル・ソングで、さまざまな詞をつけられてきたとのこと。もっとも有名なのは、19世紀にイングランド人のジョン・オクセンフォードの詞だそうだ。
 知らない曲なので、どのバージョンをはれば良いかわからないが、素朴で美しくて、バックがそこらの教室みたいでよかったので、こちら。



 ウェイルズの曲とは言え、あまりケルトっぽい雰囲気はなく、半音の使い方がモダン・クラシックの香りを漂わしている。
 ともあれ、安井マリさんの今回のアルバムの中では、この曲が一番好き。

 アルバムは、銀座山野楽器の管楽器コーナーや、東京古楽器センターで入手可能。私と直接知り合いなら、私からも入手できるが。もっと沢山のところで、手軽に手に入ると良いのだが。
 今回の [Vol.2] のみの入手はお勧めしない。ぜひとも、[Vol.1] と一緒に聴くことを推奨する。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの制作者名最初のアルファベット半角大文字2文字は?

コメント:

トラックバック