Right Hand Man2014/12/26 22:11

 Rolling Stone Magazine のトム・ペティ・スペシャル・コレクターズ・エディション、まずはマイク・キャンベルのインタビューから読み始めた。
 このインタビュー、最後の方に [Hypnotic Eye] のヒットに関する話題が出ているので、今年の ― たぶん、ツアーが始まる少し前のものではないだろうか。
 よく見る質問も多い ― 「子供の頃のギターヒーローは?」― 一方で、なかなか微妙な、ちょっと訊きにくいことにも言及しているのが面白い。



 マッドクラッチが頓挫し、ハートブレイカーズ結成となる経緯に関して、
 「レーベル(レコード会社)はトムをソング・ライターとしてキープすることにした。トムは『いいか、マイクは一緒にいて欲しい。それにベンも。』と言った。トムはぼくらと一心同体だったからね。」
 …とコメントしている。しかし有名な話、この時トムさんはマイクだけをがっちり掴んで、ベンモントは置き去りにしてしまっている。今となっては「まとめて」ってことで。

 「同じバンドの一メンバーから、トムのバックバンドの一員になったことに関して、嫌な気持ちはしませんでしたか?」とは、なかなか訊きにくい質問。
 多少、細かいレベルでは色々あったけど、トムが曲を作り、歌い、リーダーなのだから、それで良いかと思えば、それ以降は問題無かったとのこと。

 さらにこの質問。「あなたは多くのアルバムでトムとともにプロデュースをし、たくさんの曲を一緒に書いてきました。他のメンバーはそのような機会を得ていません。彼らは嫌な気持ちにはならなかったでしょうか。」 ― これは思いつかなかった。
 「みんなに訊いてみるといいよ。バンドっていうのは複雑な物なんだ。訊いてみれば、こう返ってくる。『いや、全然。何ともないよ』でも、心の底では嫉妬を感じたりしている。ぼくには分からない。ぼくらがトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズになったときと同じ感じじゃないかな。でも、ここは自由の国だ。だれがどうバンド以外の活動しても構わない。とにかく、ぼくには分からないから、みんなに訊いてみてよ。」
 私の感覚ではマイクあってのトムさんだから(マイクが居ないところでのトムさんが駄目すぎた)、二人がパートナーであることに、ほかのメンバーが嫉妬を感じるかどうかなんて、気にしたことがなかった。
 マイク自身は「分からない」とは言っているけど、かと言って完全否定もしない。キャリアの長い大人のバンドとは言え、人間だから色々な感情があるのだろう。

 同じような質問になるが、「トムが [Full Moon Fever] を作ることにしたときは、どんな気持ちでしたか?」
 「そのことに関しては、本当にまったくどうということはなかった。一緒に作っていなかったら、嫉妬もしたかも知れないけどね。(中略)誰がソロ・レコードを作るにしても、ねたんだりはしないな。ベンだって作ってる!」
 問題無しと言っておきながら、一緒に作っていなかったら別問題という本音がちらっと出ていて面白い。でも想像するに、もしマイクが [Full Moon Fever] の制作に加わっていなかったら、ジェフ・リンの力をもってしても、あれほどの名盤にはなっていなかったと思う。それはそれで、嫉妬とはまた別の感覚を持つのではないだろうか。

 あとは細かいところだが、ハウイが亡くなったあと、ベーシストをどうするかという話になった時、オーディションをすれば良いのだけど、「歯医者に行くみたいな感じで…」という表現が良かった。やらなきゃいけないけど、できれば避けたい。

最後の方で、[Hypnotic Eye] がナンバー・ワンになったことについて、驚いたかと訊かれ、こうコメントしている。
 「うん、驚いたよ。だって、最近のナンバー・ワンってどうなの?チャートの他のアーチストを見ると、ビヨンセとか、そういうのの中にいるんだよ?とにかく嬉しい驚きだったね。」

 このマイクのインタビューの他にも、新しい発見があるだろうか。時間をかけてじっくり読んでいきたい。

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