Fillmore 1997 ― 2022/11/26 22:18
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのライブアルバム、[Fillmore 1997] が発売になった。私は4枚 CD のボックスセットを注文している。
もっとも、現物がいつ手元に届くかはわからない。しかし、ダウンロードも商品に含まれているので、さっそく今日から聞いている。
有名なブートレグが耳なじみだが、やはりそれよりもずっと音が良い。特にトムさんやスコットのアコースティックギターの音、一粒一粒が弾けていている。そしてベンモントのピアノもはっきりと浮き立っている。
思えば1997年といえば、[Full Moon Fever] や [Into the Great Wide Open] から10年経っていない。[Echo]以降の重厚でハードなライブ・バンドとは、またひと味違う感じがする。若く弾けるような青いハートブレイカーズが、いぶし銀になろうとする、その端境期が [Fillmore 1997] と言えるだろう。
即ち、若さ、もしくは重厚さへの偏りが少なくて、とてもバランスのとれているライブ・パフォーマンスということだ。全20公演で取り上げた曲目数も多く、ゲストも豪華。様々なカバー・ソングも楽しめる。これからTP&HBを聴こうとしている人にも、お薦めできるライブ版ではないだろうか。
このライブ・アルバムを語ろうとしたらいくら記事があっても足りないのだが、今日は2曲とりあげる。両方ともカバーだ。
まずは、"Johnny B. Goode" なんと刷り物(ジャケットやスリーブなど)には、誤って "Bye Bye Johnny" と記載されてしまったというレアなエピソードつきだ。
確かに、TP&HB というと、"Bye Bye Johnny" を歌っている印象が強いくて、誰も間違いに気付かなかった可能性がある。演奏が始まってもしばらく違和感なく "Bye Bye Johnny" のノリでいたら、あれ?これ、"Johnny B. Goode" だ!というオチ。ちょっと面白くて、こういうハプニングは好きだ。
サビでのハウイ、スコット、ベンモントのシンプルなコーラスが格好良いし、マイクのギターソロもやり過ぎない手加減が絶妙。
もう一曲は、このアルバムの発売が発表されてから一番楽しみにしていた、"Knockin' on the Heaven's Door" である。ディラン様とのライブでも披露されているが、あれは女声コーラスがちょっとうるさい。マッドクラッチの名演も素晴らしいが、こっちはドラマーが上手くないし、上手くない癖におかずを入れすぎなのが耳に付く。
そういう意味で、純粋にトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの演奏が公式でずっと聴きたかったのだ。
ディランとのツアーですっかり馴染んでいる曲なので、演奏に余裕が感じられる。ディランのようにハーモニカのソロが無いぶん、ロック・バラードっぽさが強調されていて良い。
注目は、サビの歌詞。"Knock knock knockin' on the heaven's door" を4回繰り返すのが、ディランのオリジナル録音だが、ディランとトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのツアーから、四回目を "Just like so many times before" と歌うようになり、それがディランの通例となった。このアレンジ詞をライブで歌う人と言えば、ディラン自身以外には、トムさんくらいしかいないのである。マッドクラッチの演奏でも、アレンジ版だった。
では、この1997年 Fillmore ではどうだったかというと?なんと、1番と2番では"Knock knock knockin' on the heaven's door" を四回繰り返し、3番になって初めて最後に "Just like so many times before" と歌うのだ。コーラスもちゃんと合っているので、これはハプニングではなく、前もってそのようにリハーサルをしていたのだ。
ああ、やはりトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズは、このディランの名曲をディラン以外で最高に演奏してみせる唯一無二の存在だなと、再実感した。
もっとも、現物がいつ手元に届くかはわからない。しかし、ダウンロードも商品に含まれているので、さっそく今日から聞いている。
有名なブートレグが耳なじみだが、やはりそれよりもずっと音が良い。特にトムさんやスコットのアコースティックギターの音、一粒一粒が弾けていている。そしてベンモントのピアノもはっきりと浮き立っている。
思えば1997年といえば、[Full Moon Fever] や [Into the Great Wide Open] から10年経っていない。[Echo]以降の重厚でハードなライブ・バンドとは、またひと味違う感じがする。若く弾けるような青いハートブレイカーズが、いぶし銀になろうとする、その端境期が [Fillmore 1997] と言えるだろう。
即ち、若さ、もしくは重厚さへの偏りが少なくて、とてもバランスのとれているライブ・パフォーマンスということだ。全20公演で取り上げた曲目数も多く、ゲストも豪華。様々なカバー・ソングも楽しめる。これからTP&HBを聴こうとしている人にも、お薦めできるライブ版ではないだろうか。
このライブ・アルバムを語ろうとしたらいくら記事があっても足りないのだが、今日は2曲とりあげる。両方ともカバーだ。
まずは、"Johnny B. Goode" なんと刷り物(ジャケットやスリーブなど)には、誤って "Bye Bye Johnny" と記載されてしまったというレアなエピソードつきだ。
確かに、TP&HB というと、"Bye Bye Johnny" を歌っている印象が強いくて、誰も間違いに気付かなかった可能性がある。演奏が始まってもしばらく違和感なく "Bye Bye Johnny" のノリでいたら、あれ?これ、"Johnny B. Goode" だ!というオチ。ちょっと面白くて、こういうハプニングは好きだ。
サビでのハウイ、スコット、ベンモントのシンプルなコーラスが格好良いし、マイクのギターソロもやり過ぎない手加減が絶妙。
もう一曲は、このアルバムの発売が発表されてから一番楽しみにしていた、"Knockin' on the Heaven's Door" である。ディラン様とのライブでも披露されているが、あれは女声コーラスがちょっとうるさい。マッドクラッチの名演も素晴らしいが、こっちはドラマーが上手くないし、上手くない癖におかずを入れすぎなのが耳に付く。
そういう意味で、純粋にトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの演奏が公式でずっと聴きたかったのだ。
ディランとのツアーですっかり馴染んでいる曲なので、演奏に余裕が感じられる。ディランのようにハーモニカのソロが無いぶん、ロック・バラードっぽさが強調されていて良い。
注目は、サビの歌詞。"Knock knock knockin' on the heaven's door" を4回繰り返すのが、ディランのオリジナル録音だが、ディランとトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのツアーから、四回目を "Just like so many times before" と歌うようになり、それがディランの通例となった。このアレンジ詞をライブで歌う人と言えば、ディラン自身以外には、トムさんくらいしかいないのである。マッドクラッチの演奏でも、アレンジ版だった。
では、この1997年 Fillmore ではどうだったかというと?なんと、1番と2番では"Knock knock knockin' on the heaven's door" を四回繰り返し、3番になって初めて最後に "Just like so many times before" と歌うのだ。コーラスもちゃんと合っているので、これはハプニングではなく、前もってそのようにリハーサルをしていたのだ。
ああ、やはりトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズは、このディランの名曲をディラン以外で最高に演奏してみせる唯一無二の存在だなと、再実感した。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。