Yesterday2022/11/18 22:08

 フィギュアスケート、NHK杯の季節がやってきた。本命は、(世界ランキング的にも、わたし的にも)女子が坂本、男子が宇野。そしてアイスダンスの日本勢の争いに注目。なにせ村元・高橋組のリズム・ダンスがイケているので、小松原組も油断はできない。それから、個人的に贔屓にしているのが友野一希。あの表情ができるスケーターは本当に少ないので、推しなのだ。
 さて、金曜日、第一ラウンド終了。本命の二人がいきなり軽く躓いたのだが、まぁ、明日のフリーで逆転する流れなんだろうなぁ…と思う。坂本も、宇野も準備段階であまり良い手応えがしていなかったらしく、あれくらいになると自己分析も精密になる。でもそこは百戦錬磨の世界チャンピオンズである。フリーでは充分に魅せてくれるだろう。
 村元・高橋組が後半グループに残ったのはびっくり。最初はおっかなびっくり、昨シーズンは派手にミスってたりしたのに。やはり高橋大輔という希有なスケーターには本当に驚かされる。大谷翔平以上の驚異である。

 もうひとつびっくりしたのは、私が不覚にも "Yesterday" で感動してしまったことである。山本草太のSP, 歌っているのはマイケル・ボルトン。曲目もさることながら、この歌手で感動するというのもまたびっくり。すべて山本君のスケートの良さのおかげである。
 山本君、怪我に悩まされ、ジャンプがきまらず、なかなかトップ・オブ・トップには届かないスケーターだったが、独特の優雅さがあって、とても好かれている。今年はそこにジャンプの調子の良さも相まって、曲と歌手の重さに負けていない。
 何せ、"Yesterday" は「あまり好きでは無いビートルズの曲」のうちの一つである。なんというか… [Help!] というロック色の強いアルバムの中で浮いている。バラードとしては "I Need You" の方が上等だと思っている。しかもマイケル・ボルトン…私との接点がなさ過ぎで、意外な取り合わせだが、山本君のおかげで素晴らしい作品になったと言えるだろう。



 そういえば、フィギュアスケートの曲にビートルズを選ぶということを、かなり先進的にやったのは高橋大輔だ。まだヴォーカル入りが使えなかった頃に、インストゥルメンタルのビートルズ・メドレーを使ったのだ。あれもまた、高橋という希代の表現者だからチャレンジできたのであって、その後たくさんの人がビートルズやストーンズを使うきっかけになった。

 マイケル・ボルトンだけでこの記事を終わらせるのもどうかなぁと思ったが、かといってディラン様の "Yesterday" は、台無し感が半端ない。でも載せる。ディラン様とジョージの楽しい時間だからね。