King's Road 19812019/07/15 16:11

 1981年、トム・スナイダーの番組に出演した、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ。4枚目のアルバム [Hard Promises] を発表したばかりの、若TP&HBである。
 デビュー5年目ではあるけど、今からしてみれやっぱりまだ初々しい彼らの姿からまずはじっくり鑑賞。



 トムさんの髪が短い!髪を短くしている時期というのは、時々あらわれるのだが、この時期はもみあげをすこし伸ばして、そして短髪。ブライアン・ジョーンズみたいなマッシュルームを狙ったのだろうか。それにしては、毛量とハリ・コシがイマイチだね。ブロンドにハリ・コシを求めるのも厳しいけど。
 ついでにベンモントも髪が短い。うーん、ハートブレイカーズは時々、トムさんに合わせて誰かがかならず短くする習慣でもあったのだろうか?2000年ごろにはトムさんとマイクが動じに超短かった頃があるのだが。

 演奏は格好良くてクール!それに尽きる。ギターブレイクに向かってどんどん熱量をあげていくのに、飽くまでも控えめでバンドとの調和を第一にする、そして、ヴォーカルのためにすべてを捧げるようなマイクのギター。その控えめながら、唯一無二の存在が良い。
 ベンモントのピアノ・ソロがあるのも良い。この時代にして、シンセサイザーではなく、アコースティックのピアノ。こういう自分を貫くところがハートブレイカーズは格好良い。

 どうしてトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズは日本ではそれほどメジャーにならなかったのかというのは大きな、そして永遠の謎だが、結局日本はロックンロール・ミュージックの本場ではないということも、理由の一つではないだろうか。
 ハートブレイカーズは、この演奏に見られるように、徹頭徹尾自らが愛した、60年代のロックンロールの体現者であり、70年代末から80年代にかけての時代の潮流に乗っかったバンドではなかった。サウンドも、スタイルも、ビジュアルも。
 時代の「最先端」、「潮流系」の手のバンド,グループの需要なら、日本にも一定の受け皿があっただろう。

 一方で、ロックの本場には純粋に60年代からのロックンロールを貫き通すバンドの受け皿も、十二分にあった。TP&HBは「時代の最先端」ではなくても、大事なロックンロールそのものだった。その大事なロックンロールは、やがて「ハートランドロック」と名付けられ、永遠のロックの魂として大事にされてきたし、これからもそうだろう。

 若いTP&HBが炸裂させる "King's Road" を聴くと、彼らがどれほど最高かがわかり、同時にちょっとした謎が解けるような気がする。

 それにしても、演奏後、マイクとハグするトムさん。二人とも、可愛いね!!

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