Tears2013/05/24 23:15

 まずは、訃報から。
 狂言大蔵流の四世茂山千作さんが亡くなった。当代一の名人の死去だった。
 私にとっては、千作さんがまだ千五郎さんだったころの印象が強い。西日本が拠点の狂言師さんだったため、残念ながら直接舞台を見ることは出来なかったが、映像で見る狂言は、本当に素晴らしかった。特に「彦一ばなし」のお殿様役は、千作さん以外には考えられないほどだ。
 何年か前に、西日本の大蔵流若手楽師さんがテレビに出ているのを見たが、びっくりするほど下手なので、ちょっとショックだった。名人亡き後、彼らが成長してゆくのを祈るばかりだ。

 さて、ディラン様ラジオこと、[Theme Time Radio Hour] は、何事もなかったかのように、アメリカでのエピソード39,日本でのエピソード8 [Tears] が放送された。そして、今日はディラン様の誕生日!72歳おめでとう!
 相変わらず面白い番組で、重ね重ね、飛ばされたエピソードがどうなるのか気になる。

今回の[Tears]は、とりわけ興味深い選曲が多かった。
まずは、ソロモン・バークの、"Cry to me"。



 私にとっては、もちろんトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ若かりし頃のカバーで覚えている曲。TP&HBのカバーは、バークのカバーというよりは、やはりバークをカバーした、ストーンズのそのまたカバーと言うべきだろう。

 と、言う訳で、TP&HBの "Cry to me"。この動画のトムさんは若い。若いぞ、可愛いぞ。
 2分24秒くらいに出てくる写真の左のお兄さんは、誰だろう?TP&HBのファンなら絶対に分かっていなければいけない人のような気がするが、ピンと来ない。忘れているのかも知れない。お分かりになる人、教えて下さい。(「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」と言うし…)



 今回のディラン様ラジオでは、スモーキー・ロビンソンのべた褒めコーナーがあり、大喜び。マーティン先生!ディラン様が、スモーキー最高って言ってます!
 スモーキーに "Tears" と来れば、当然 "The tears of a clown" かと思ったら、そこはさすがディラン様。韻の踏み方が凄い(と、コステロも言っている)、マーヴェレッツの "No More Tear-Stained Makeup" をかけた。マーサ&ヴァンデラスではないところにも、こだわりがあるのだろうか。

 ううむ、私としては、やはり "The tears of a clown" を推したい。ねぇ、マーティン先生?



 もう一つ、気になったのは、ジェイ・ガイルズ・バンドの "Cry One More Time"。凄く格好良い演奏なのだが、YouTubeにはアルバム収録版がアップされていないようだ。
 私はこの曲をどこかで聴いたような気がしていた。ザ・バンドのような、違うような…なんだか分からないでいると、最後の解説でピーター・バラカンさんが教えてくれた。グラム・パーソンズだ。彼のカバーで聞いていたらしい。
 でも、私の好みとしては、グラム・パーソンズよりは、ジェイ・ガイルズ・バンドの方が格好良い。

 最後に、バラカンさんがテーマに沿った、ディラン様自身の曲をかけることになっている。
 毎回、何をかけるのか予想するのが楽しみで、今回どういう訳か、"The Lonesome Death of Hattie Carroll" 以外が思い浮かばなかった。
 バラカンさんが「tears といえば、ほとんどのディラン・ファンが思い浮かべる曲」というので、ドキドキしたのだが、なんと、ビンゴ。"The Lonesome Death of Hattie Carroll" だった。悲しい歌ではあるが、とても美しい。
 次回のテーマは、"Laughter"。バラカンさんがかけるディランの曲は、"Bob Dylan's 115th Dream" と予想。さぁ、どうだろう?

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