Cure For This2013/06/08 22:19

 テレビで、映画「プラダを着た悪魔 The Devil Wears Prada 」を放映していた。
 私はハイファッションには興味が無いが、こういう華やかで軽くて楽しい映画は良い。そして何と言っても、アメリカで唯一好きな町、ニューヨークの雰囲気が楽しめる。

 この映画の出演陣は、メリル・ストリープやアン・ハサウェイが話題だったが、私が好きなのは、第一アシスタント役の、エミリー・ブラント。彼女はこの役で、いくつもの賞にノミネートされ、ブレイクした。
 私が最初にブラントを見たのは、2004年テレビドラマ「ナイルに死す」でのリネット・リッジウェイ役で、当時21歳だった。まさに、イメージ通りのリネット。
 そして、もう一つ印象的だったのは、2009年の「サンシャイン・クリーニング Sunshine Cleaning」。犯罪や事故など特殊な「死の」状況での清掃業を始める姉妹の物語。ブラントは、妹のノラ。人生は楽ではなく、上手く行くかと思えばつまづき、それでも人生は続く ― そういう映画で、私はけっこう好きだ。
 ブラント演じるノラは定職もなく、不器用でダメな妹。しかし、不確かな不安と悲しみを抱え、それでも意地を張って生きる姿が共感を呼ぶ。



 この予告編には登場していないが、映画の冒頭で流れる音楽で、私はぐっと引き込まれた。いきなり、この曲を確認しなければならないと思った。それが、ゴールデン・スモッグの、"Cure for This",2006年のアルバム [Another Fine Day]に収録されている。



 この曲を聴くまで、ゴールデン・スモッグを知らなかったため、てっきり女性ソロアーチストか、女性がリードボーカルのバンドの曲だと思っていた。
 実際のゴールデン・スモッグは、ウィルコ,ソウル・アサイラム,ジェイホークスなどのメンバーが寄り集まってできた、いわゆるスーパーグループで、"Cure for this" は、プロデューサーの奥さん,Muni Locoが歌っている。
 彼女が有名な、メジャーなシンガーかどうかは知らないが(たぶん、そうではないのだろう)、さりげなく、でも美しく、そっと歌う感じがとても良く合っていて好きだ。

 ゴールデン・スモッグを構成するメンバーについてはあまり詳しくないし、それぞれのアルバムもジェイホークスしか持っていない。しかしサウンドはとても気に入ったので、ゴールデン・スモッグのアルバムはほぼ買いそろえることになった。
 さりげなくて、格好良くて、やっぱりロックは良い音楽だと実感させるその作品は、時々無性に聞きたくなるものだ。"Cure for this" 以外の名曲に関しては、いずれまた記事にするだろう。