I Believe in You2024/05/30 20:41

 引き続き朝ドラにはまっている。私としては本当に希なことで、よほど良く出来ているのか、私が弱っているのか、その両方か。
 今日も例の "You are so amazing" が使われて、大泣きしてしまった。

 "You are so Amazing" が最初に使われたとき、私は既存の何かの曲だと思った。どこかで聴いたような曲に思えたからだ。
 音楽を聴いて「良い」と感じるときは、大抵じぶんが慣れ親しんだ、好きな音楽に類似しているということは、音大時代に音楽心理学講義で習った。親しみが好印象と結びつく一方、耳慣れないものの連続は冗長と感じられるからだ。音大の作曲科の学生がピアノの弦を棒で叩く的な「オリジナリティ豊かな曲」を作ると、聴いていられないシロモノであるのはそういうわけだ。

 "You are so amazing" を鼻歌で歌って、私の記憶の中のメロディは何だろうかと思ったら、存外簡単にボブ・ディランであることが分かった。
 1979年のアルバム [Slow Train Comming] の収録曲 "I Believe in You" がそれだ。もちろん、"You are so Amazing" の方が繊細で複雑な曲の作りをしているが、メロディラインの所々が、ディランに似ているようだ。

 [Slow Train Comming] はディランの「キリスト教時代」の作品で、"I Believe in You" の "You" がキリストのことなのか、愛する人なのか(キリスト教徒にとってはイエスこそが愛する人なのだろうが)。私は平均的な日本人の宗教観なので、この曲の "you" は身近な誰かだと解釈している。
 ディラン様、Aメロは優しく、ブリッジは絶叫系。格好良い。ジョージを彷彿とさせるスライド・ギターを弾いているのはマーク・ノップラーだろうか。



 ライブでのパフォーマンスとなると、"You are so Amazing" のかけらもないようなド迫力なので共通点が薄れる。
 とはいえ、私はあるメロディを聴くと、けっこうすぐに「アレに似ている」と言い当てる名人らしいので(ティン・ホイッスルの先生曰く)、この二曲は同類項として整理しておくことにする。