歴史 / KATOKU2019/11/06 21:12

 私は歴史が好きだ。音楽ほどではないが、けっこう好きだ。

 音楽大学の同級生に、T という友人がいる。T の大学生活の初日、緊張しながら教室で待っていると、そこに同じく新入生の私が入ってきた。15人しかいない同学科の仲間である。T と私は、やぁ、よろしくという会話を始めた。
 その流れで、どこに住んでいるのかという話になり、T は「千葉県の流山」と言った。すると私が即座に、
「近藤勇が処刑されたところだね」と応じた。
 T は「えらい所へ来てしまった ――」と思ったという。
(実は T もかなりのもので、私にシェイクスピアの「リチャード三世」を勧めた人だ。)

 私の知識は正確ではなかった。流山は近藤勇が捕らえられた場所(投降?)であり、処刑されたのは板橋だ。

 今でこそ特に新選組好きというわけではないが、中学から高校の頃はかなり好きだった。そんな話をいま持ち出したのは、久しぶりに司馬遼太郎の「燃えよ剣」を読んで、中学生でこんなものを読んでいたのかと、驚くというか、呆れてしまったからだ。
 中学生の私はビートルズを夢中になって聴きつつ、いっぱしの歴史通気取りだった。思えば、ただ土方歳三と沖田総司のキラキラした(?)やりとりが、ティーンエイジャーの琴線に触れただけだったかも知れない。
 「燃えよ剣」はもちろんフィクション小説なのだが、「歴史」そのものだと思わせる筆者の才能はさすがだ。それにしても、話が終盤にきて、会津戦争がすっとばされたのには驚いた。

 話は、飛ぶ。(司馬風)
 テレビで野球を見ていると、ジャーニーの "Separate Ways" を耳にする時期になった。あの史上最もダサいミュージック・ビデオで有名な曲だ。褒め言葉である。
 数年に一度は、あのビデオを見て笑わないとね ―― と思って YouTube を見る。



 この有名なビデオは、そのパロディも多く作られることでも有名。
 そんなパロディの中に、こんなものまであった。
 題して「KATOKU」



 レキシという人が歴史関係の音楽をやっていることは知っていたが、こんな無駄に面白い物も作っているとは、知らなかった。曲も無駄に良い。
 これ、オリジナルのジャーニーを知らなくても笑えるし、知っていたら、さらに笑える。
 べつに世襲制は歌にしなくても知識として持ち得るから、あまり歴史の勉強にはならないだろう。たぶん、「世襲制」と "What do you say" の音が似ていて、そこから発生した曲ではないかと想像する。

Swing Low Sweet Chariot2019/10/27 21:26

 連日、ラグビー,F1,フィギュアスケートの観戦のために時間調整が必要だ。野球が早々に終わって助かった(ただし、ワシントン・ナショナルズは応援している)。

 さて、ラグビーは準決勝。基本的に弱いと見なされている方を応援するので、イングランド対ウェールズという決勝を期待していた。その期待は半分だけ現実になった。
 こうなったら、決勝は断然イングランドを応援する。

 準決勝の試合中に、イングランド・サポーターが "Swing Low Seet Chariot" を合唱する様子は感動的だった。次の試合でも聴きたい。



 "Swing Low Sweet Chariot" は、19世紀に成立した黒人霊歌。エリック・クラプトンのカバーも有名だ。
 たくさんの動画があるが、このザ・プランテーション・シンガーズの演奏が格好良く、感動的だった。
 前半はしっとりと深く歌い上げ、後半は力強いビートにのせて熱気を高めてゆく。血と魂の歌声だ。

The Third Man2019/09/03 19:32

 明日から、五泊でウィーンに行く。三年ぶり、二回目。

 今回の目的は、オペラ。「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「こうもり」「ホフマン物語」の四本。日本で見るよりずっと安いので、お得感がある。
 本当は何か ―― できればピアノの曲を、楽友協会で聴きたかったのだが、ちょうどよい物が無かったので、今回はパス。

 五泊のうち四夜オペラ鑑賞というのは、なかなかのハード・スケジュール。体力を温存しながらとなるだろう。そのような訳で、今回はウィーンにとどまるつもり。

 ウィーンを舞台とした有名な映画に、「第三の男」がある。数ある映画の中でも最高傑作の誉れ高い ―― ということになっている。
 私は一度しか見たことがないが、カフェ・モーツァルトで待ち合わせとか、プラーターの観覧車での対面などが印象深かった。それから、ラストシーン。

 テーマ音楽は、ツィターが奏でるメロディがあまりにも有名だ。有名すぎて、いまやビールのCMから、JRの発車メロディにまでなっている。



 さて、この曲をカバーしているといえば、ザ・バンド。これはジャムセッションの間に、なんとなくやったものがレコーディングされて、残ったのではないだろうか。



 ジャムの合間に ―― で、ビートルズも「第三の男」のテーマを残しているのは、初めて知った。たしかに、冒頭に聞こえるのはジョンの声だ。
 今年の [Abbey Road] もさることながら、来年の [Let It Be] も気になるところだが、この手の音源も拾われるのだろうか。

Dancing Queen2019/08/24 19:42

 シンガポールでの会議から帰国。
 初めてナイト・フライト ―― シンガポールを23時に発って、東京に7時に着く ―― を体験したが、きついものだ。
 あちらにいる間、頭痛がひどくて四六時中鎮痛剤を飲んでいたが、ずっと英語で通さなければならなかったからではないだろうか。

 ディナーも仕事のうちである。
 アメリカの会社なのだが、宴会のノリは日本風で、カラオケ大会になる。
 私はカラオケをしないので眺めていたのだが、女子チームみんなで歌うぞ!という流れになり、さぁみんなが知っている曲は?というわけで、アバの "Dancing Queen" が選ばれた。
 「マンマ・ミーアの曲ですね」といった人がいて、可笑しかった。

 さて、"Dancing Queen"。私はアバに関して門外漢なので改めて調べたのだが、1976年の曲とのこと。ディスコ・ミュージックにも分類されている。メロディのやや甘いところが、ポップスとしての質を高めている。



 カラオケは始まってみると、サビはみんな歌えるが、Aメロは知らないという感じ。
 そして低音が難しい。サビのハーモニーも低音がどっしりしているところが良いのだろう。
 曲の構成として優れているのは、なんと言ってもサビが二つあり、しかもその二つ目から曲が始まっている点。これもまた、この曲をただのディスコ・ミュージック以上のものにしているのだろう。

聴音2019/07/01 21:23

 聴音というと、私にとっては音楽を耳で聞き取り、五線譜にうつすことを言う。
 子供の頃に訓練すると、これができるようなりやすいのだが、私もその伝で、その質は劣悪ながら、ある程度の聴音はできる。
 質が悪いというのは、音がとれる種類に非常に限りがある。まずピアノが一番聞き取りやすい。あと、調性が分かっていれば、当然取りやすい。
 自分がやらない楽器や、人の声はほとんどとれない。

 ともあれ、最近はティン・ホイッスルの曲を五線にする必要に迫られ、時々聴音をする。
 そして、Heartbreaker's Japan Partyさんの Project X の一環として、けっこう乱暴な聴音をすることに・・・



 今は、コンピューターで処理すれば、簡単に五線譜ができるそうだが、どうもそういうハイテクは性に合わない。楽譜もパソコンで打てるはずだが、どうしても手書きしかやる気が起きない。
 この写真の譜面は草稿なのだが、まだきれいな方。学生のころは、もっとひどい楽譜を書いていた。おたまじゃくしの玉なんて書かず、短い斜め線だけで済ましていたのだ

 不思議なもので、ウクレレの先生にコードだけ習ってジャカジャカ弾いているうちは気にならないのに、単音楽器用に聴音をし始めると、細かい箇所の半音が気になる。
 やはり自分は、クラシック出身のピアノ弾きなんだなぁと、改めて実感した。

The Doors Sing "Reading Rainbow" Theme2019/06/17 20:16

 前から言っているが、私はジミー・ファロンが好きだ。やることなすこと、いちいち面白い。
 この間は、日本帰りの料理人のラーメン(?)を食べまくっていた。



 ジミー・ファロンの動画を漫然と見ていると、いくらでも時間を潰せるというか、時間の無駄というか。しかし凄く楽しい。
 このたびはまったのは、こちら。
 だめだ、笑いすぎてつらい。



 [Reading Rainbow] というのは、アメリカの教育的な子供番組だそうだ。
 このドアーズのマネ、最初は笑うのだが、だんだん普通に格好良くなってきた。ドアーズのファンは怒るのだろうか?私はファロンがディラン様のマネをするのも大好きだ。
 本当に、合成で一人ウィルベリーズやればいいのに。

Mick and Boosh are Back !2019/05/16 20:30

 先月心臓の手術を受けたミック・ジャガーが、ダンスのレッスンをする動画をアップしたとのこと。どれどれ。



 ああ、元気そう。良かった。
 何の映像だったか、ミックがインストラクターの指導を受けながらダンスの練習をしていて、それを見た人が一斉に、「ダンスの先生がいるの?!」と突っ込んだものだ。
 ミックのダンスは、ミックが自ら作り出して、完全な世界に仕上げたのだと思う。たぶんあのダンスの先生は、ミックのダンスを徹底的に研究して、ミック以上にミックらしいダンスを熟知しており、ミックをさらにブラッシュアップする役割の人だったのだと思う。

 ミックのダンスというと、ノエル・フィールディング!UKの人気コメディアンの彼は、ミックの大ファンで、ものまねもうまい。そのコメディ作品「ザ・マイティ・ブーシュ」にも何度か登場した。
 これは、「ミック祭壇」のシーン。「誓うか?本当だな?!ジャガーに誓え!」



 マイティ・ブーシュと言えばなのだが、なんとUKにおける今年の Record Store Day のアンバサダーを、ザ・マイティ・ブーシュのコンビ,ジュリアン・バラッドとノエルが務めたというのだ。
 うわぁ、この二人の揃った姿、久しぶりじゃない?さすがに年を食ったなぁ・・・二人とも・・・ジュリアンは五十代だもんね・・・
 でも二人が揃うと、相変わらずの息の合いっぷり!さすがだ。
 やっぱりまた、二人で何かやるといいと思う。ジュリアンの音楽、ノエルのデザイン、二人のセンスで笑わせてほしい。

Wolfgang Niedecken2019/05/08 19:39

 ドイツ人のシンガー・ソングライターに、ヴォルフガング・ニーデッケンという人がいるそうだ。
 Wolfgang Niedecken と書くのだが、発音に自信はない。Wolfgang というのはモーツァルトと同じ名前だが、ドイツ語圏ではポピュラーなファースト・ネームだ。
 1951年ケルン生まれ。70年代後半あたりから、ロックバンド,BAPとして、またソロシンガーとして活躍している。

 その存在を知ったきっかけは、ディラン様。
 何となく "Seven Days" を聴いていて、"Seven Days" と言えばロニー・ウッドだよね、ほかにもカバーはあるのかしら・・・と思ってググったら、引っかかったのがニーデッケンというわけ。
 その名も "Sibbe Daach" ―― ニーデッケンはただのドイツ語ではなく、ケルン地方のドイツ語を歌う人でもある。
 彼は、1995年にディランのカバーアルバムを発表しているのだ。ちょっと試聴するだけでもけっこう面白い。"Highway 61" が、ニュルブルクリンクになっていたりする。

napstar "Sibbe Daach"

 ディランの曲をドイツ語(もしくはケルン語)にするだけではなく、英語で歌ったりもするし、ストーンズや、スプリングスティーンもありのようだ。

 こちらは、名曲 "Forever Young" のニーデッケン・バージョン "Für immer jung" ライブ。
 オーストリアのシンガー・ソングライター,Wolfgang Ambros の何か偉い賞の、受賞セレモニーでの一幕のようだ。最後に、Ambros 本人も登場する。
 ただのディラン・ドイツ語バージョンではなく、普通に音楽として格好良い。

Gyllene Tider2019/04/18 21:31

 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの公式 Twitter が4月15日につぶやいたことには、1978年、"I Need to Know" が録音されたのだという。
 トムさん曰く、ウィルソン・ピケットの "Land of 1,000 Dances" っぽく作り始めて、なんだか全然違うものができたとのこと。

 さて、Wikipedia によると、"I Need to Know" にもいくつかのカバーが存在する。中でも、1981年にスウェーデンのバンド Gyllene Tider (なんと発音するのかは皆目見当がつかない)は、独自にスウェーデン語の歌詞をつけてカバーしたのだとか。
 どれどれ、聴いてみよう。・・・べつに、ハートブレイカーズのカバーバンドじゃないよね?金髪マッシュルームがいるんだけど・・・



 あああ・・・ごめん、なんか残念。何だろう、けっこうオリジナルに近いアレンジだが、そこはかとなく・・・ださい。キーが高いせいもあるか。ちょっとスティーヴィー・ニックスが歌ったときに似ている。
 "I Need to Know" は確かに格好良いけど、彼らには固すぎたのではないだろうか。TP&HBは70年代後半のデビューだが、音楽は60年代前半のものに近いので、80年代ポップスには難しい。特にこの曲はそうだ。

  Gyllene Tider、どうやら代表曲は "Leva livet" というらしい。ビートルズっぽいリッケンバッカーや、ストーンズっぽいケーキが出てくる。やがて、美しいスウェーデンを旅する、みたいなノリになる。



 ああ、これなら分かる。これならしっくりくる。ちょっと「真夜中の煙突」っぽい?
 TP&HBというよりは、チープトリックとかの方が近いだろう。ポップでスウィート、ちょっと安っぽい感じがいかにも80年代で、これはこれで良いと思う。

Shenandoah2019/02/14 21:40

 最初に "Shenandoah" という曲を知ったのは、ボブ・ディランのバージョンだ。アルバム [Down in the Groove] に収録されている。かなり長い間、このディランのバージョンしか知らなかった。
 ロジャー・マッグインのアルバム [Limited Edition] で、また "Shenandoah" を聞いて、どうやらこちらの方がオリジナルに近いと言うことを知った。

 オリジナルと言っても、"Shenandoah" をだれが作ったのかは、はっきりしていない。アメリカの民謡という位置づけで、19世紀前半にはすでに歌われていたようだ。
 古くから広く流布し、愛されてきた。ヴァージニア州の州歌 "Our Great Virginia" は、"Shenandoah" のメロディを使っている。

 動画でもいろいろなバージョンがあるのだが、どれも何となく大げさで、いまいち。このステイトラー・ブラザーズのバージョンなどは、まだ素朴な方かもしれない。



 ロジャー・マッグインのバージョンは、すっかりザ・バーズだと思い込むほど、バーズ調。倍音の美しいギターに、マッグイン特有のちょっと頼りないようで、でも美しい声が映える。

 一方でディランの方は、かなりクセの強いアレンジをしている。クレジットも、「トラディショナルで、かつディランのアレンジ」としている。Aメロはほぼオリジナルなのだが、展開するとすっかりディラン節。
 ディランは、ノーベル文学賞なんぞ贈られるほどなので、その詩人としての価値を非常に評価されているが、私はまずミュージシャンとして素晴らしいと思う。この "Shenandoah" などは、カバーであり、アレンジを加えているだけに、その音楽的才能がよく発揮できているのではないだろうか。

 どうして "Shenandoah" の話になったかというと、自分で演奏したからだ。
 アイルランド音楽のティン・ホイッスルを習っているが、そこで演奏した。
 ただし、この曲はアイルランド発祥ということではない。ケルト発祥の音楽かどうかも不明。ただ、その美しさ、素朴さが、アイルランド音楽に通じるものがあるのだろう。ティン・ホイッスルで演奏しても、とても良い曲だった。