伶倫楽遊/伶楽舎第十六回雅楽演奏会2023/01/28 22:14

 今日は紀尾井ホールで、伶楽舎の雅楽演奏会に行ってきた。
 紀尾井ホールだから、すこし格式のある感じの演奏会で、特別感を体験できる。
 それにしても、入場者制限をしていたのだろうか。それにしては、計画的に席を空けているようには見えず…それでいて入りは六割程度だろうか。なんだか心配になってきた。

 前半は、古典楽曲の演奏。これが目当てである。
 管弦は太食調(たいしきちょう)なので、私も演奏したことのある楽曲もある。まずは仙遊霞(せんゆうが)。斎宮が伊勢に向かう途中、琵琶湖の勢田の橋を通るときに楽人が同行してこの曲を演奏したと伝わっている。この斎宮が伊勢むかうことを「群行」というそうだ。楽人も引き連れていたというのだから、かなり荘厳、かつ華麗な物だったのではないかと想像する。
 管弦のもう一曲は「合歓塩」(がっかえん)。これは学生の時に演奏したことがあり、とても親しみ深い一曲だった。

 舞楽は、春を迎えようとする今にふさわしく、「春庭花」(しゅんていか)。四人で舞われる優雅な舞楽で、平安の春を彷彿とさせる、駘蕩とした雰囲気がまず良かった。さらに、二回繰り返しに入ると、舞人が回りながら位置を変えて舞う。その様がまた華麗で印象的だった。

 さて、後半は「いわゆる」現代雅楽である。
 現代の作曲家に、雅楽の楽曲を作ってもらって演奏するという活動を、伶楽舎はずっと続けており、これはこれで音楽的活動としてとても重要だ。ただし、私が鑑賞するという意味においては、評価がとても低い。「現代雅楽」というもので感動したこともないし、良いなと思ったこともない。例外は芝先生の古典に即した楽曲だけ。
 今回も二曲演奏された。一曲目はオノマトペをふんだんに用いた楽曲だったが。うむ、はぁ、それだけ。
 二曲目は、作曲者みずからなんとも言えない身体表現もみせてくれたが、ああ、やっぱり残念な雅楽の現代楽曲の一つに過ぎず、とっても残念。
 こればっかりは付き合いとはいえ、聞いているのが面倒ください。ただし、演奏している伶楽舎の面々の努力はたいそうな物で、そこは高く評価する。ただ、その音楽に感動しないだけである。

 もらったパンフレットによると、5月の伶楽舎雅楽コンサートは、芝祐靖先生の作品演奏会とのこと。これは期待できそうなので、いまからとても楽しみだ。

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