枕草子を聴く2022/05/28 22:28

 本題に入る前に、まずは F1 ―― いよいよ、モナコである。ルクレール!勝てよ!絶対勝てよ!!
 打倒フェルスタッペンとして、どうしてもルクレールには勝ってほしい。彼はちょっと運のないところがある。チャンピオンには強運も必要なのだ。その強運を自分で引き寄せて欲しい。
 私の贔屓たちの動向は…まず、ボッタス。絶好調。この移籍は大正解だった。ルイスは去年の最終戦に受けた心の傷が癒えていない気がする。どうか折れずに粘って欲しい。リカルドはどうしちゃったかな…あの笑顔もドッカン・ブレーキ・ぶち抜きもすっかりご無沙汰だ。
 ノリスが、体調不良をおしてスペインで出走したのには、ハラハラさせられた。それでも上位入賞するのだから、やはり彼が次世代のエース候補ではないだろうか。頑張れ。
 やたらと話題を振りまく、ベッテル君。マシンの調子は良くないが、マイアミでは入賞圏内を走っていた ―― ところにミックがぶつかる。おいおい、それ、去年キミがやらかしたのと一緒じゃん!どうしてセブが大事にしている人がちゃんとミラー見てないかねぇ。しかもセブは「ふたりとも馬鹿だった」とか言って、ミックを庇うから親馬鹿認定されてるし。そういう所も好きだけどね。極めつけは、スペインでひったくり犯をスクーターで追いかけたというとんでもない話。やめて!面白いけど、やめて!危ないじゃない!セブが強盗に何かされたら、本当に耐えられない!キミ、ちゃんと叱っておいてください。あ、そういえば、去年までキミのフィジオだったマークだっけ?彼は今年からセブについたそうだ。仲良きことは良いことかな。
 セブが今年で引退するんじゃないかとか、またヒソヒソ言う人がいるけど(毎年のことだ)、私が思うに今年のセブはそれほど悪くない。むしろ、マクラーレンがリカルドに見切りをつけた場合、セブを呼び寄せる可能性もなくない。若いランドーがエースで、セブがコーチ&サポート役。ありだなぁ…もしそうなったら、私とってはフェラーリ時代に次ぐ、超ドリーム・チームだわ。

 前置きが長くなった。F1 についてはもっと早くコメントする予定だったが、今週はひどく忙しく、連日夜の11時、12時まで働いていたので、ブログをアップできなかったのだ。もっとも、ここまで凄いのはめったにないし、どうせ自宅だし、給料はちゃんと出るから、苦痛ではない。

 忙しさの中の一瞬を突いて、伶楽舎の雅楽コンサートに行った。題して「枕草子を聴く」これは面白いテーマだ。
 COVID-19 以来、伶楽舎の演奏会には行けなかったので、今回はとても久しぶり。四谷区民ホールが改修中のため、今回は中野ZERO 小ホール。うーん、大ホールは音響が良いと評判らしいけど…いかんせん、古い。ぼろい。演奏会に来たときの特別感がないんだよな … 早く四谷に戻って欲しいというのが本音。

 さて、清少納言は美しいもの、イケてるもの、素敵なもの、イマイチなもの、様々な物を自分の感性で書き記している。その中に、雅楽にまつわる記述もいくらかあり、まず楽器そのものについてコメントしている。
 彼女は横笛(龍笛など)がお気に入りだった。これは彼女特有というわけではなく、今も昔も、横笛というのはなぜか魅力的なのだと思う。私が小学生から中学時代にフルートを、大学から社会人時代に龍笛を吹いていたのも、そういう横笛マジックにかかってのことだ。
 演奏は、芝先生が復曲した「獅子乱声」を会場を歩き回りながら演奏するという、面白い指向。枕草子でも、遠くで聞こえたり、近くで聞こえたりするのが良いと言っている。
 笙はなにか面倒そうで、不思議な楽器だと言っている。これは鋭い。笙というのは複雑な構造で、メンテナンスにも手が掛かる。その割にか弱い音がするし、演奏者の顔は見えない。それでいて、雅楽最大の音色的特徴を担当しているのだ。こちらも芝先生の復曲で「狛犬乱声」で単数,複数の笙の音色を堪能できた。
 篳篥は、枕草子ではとにかくうるさいと言われている。急に凄い音を出して、びっくりさせられる。悪い意味ではなく、その「びっくりする感じ」は分かる。龍笛と笙が神秘的な空気を作ったところに、猛烈な勢いで飛び込んでくる篳篥のパワフルな音は、これまた雅楽には欠かせないし、同時に弦や打楽器も一斉に飛び込んでくるのだから、その力強さも当然だろう。曲は黄鐘調調子。
 箏の調弦の違いと、「想夫恋」のことが枕草子で言及されているため、演奏されたので、これを管弦で演奏することになった。
 雅楽には歌もあるが、その一つである東遊をやってくれてのも良かった。途中で和琴の柱が倒れてびっくりしたが、よくあることのようだ。

 後半は舞楽。枕草子で言及されてる、「抜頭」と、めずらしい二人舞の「納曽利」。うーん、今回はどうかな…どちらもちょっといまいち。特に「納曽利」での二人の舞人の息が合っていないような感じがして、改善の余地あり。
 私はどうも、芝先生の文化勲章叙勲祝いで上演された「瑞花苑」があまりにも良すぎて、あれを越える舞楽があるだろうかという価値判断になってしまっている。舞楽といえば、まずお薦めなのは「陵王」なのだろうが、私は同時に「瑞花苑」をもっとたくさん上演して、入門演目に加えるといいと思う。ご検討いただきたい。