You've Really Got A Hold On Me2022/01/16 20:30

 ウクレレは、いつも私と先生が一緒に曲を選び、先生がコードやメロディの弾き方を教え、私が楽譜に起こして練習するという流れになっている。既存のウクレレ楽譜はまったく用いない。
 曲は私の好みなので、ジャンル的にロック的なものが多く、当然ギターの使用が前提になっている。そうするとウクレレでの再現は色々制約がある。しかも先生と私は、"No Low G" 派なので(Low G を張るのは、ウクレレの特性を無視しているから)、その制約がさらに大きく、先生にとっても、けっこうチャレンジングである。
 一方で、私はウクレレとして望める最高品質であるコリングス使用者なので、普通のウクレレだったら不可能な音域までカバーできたりもする。

 今回の選曲は、"You've Really Got a Hold on Me" ―― もちろん、ビートルズのバージョンである。
 1962年にスモーキー・ロビンソンが作った曲なので、正統的な味わいのする曲だが、いざ自分で演奏し、譜面を書こうとすると、意外とトリッキーなので驚いた。
 まず、イントロがちょっとおかしい。一拍一拍は三拍子で刻んでいるくせに、出だしが7音なのだ。計算が合わない。厳密に言えばイントロ2拍だけは16分音符刻みで、冒頭が1休符+7と、とらえるか、もしくは大きな1拍に、7連符と考えてもいい。
 Aメロに入ると一見、4小節が二回の繰り返しのようだが、実はAメロの冒頭3小節だけが、後ろにくっついてから、本当のAメロに戻る、もしくはコーラスに進む ―― つまりは、Aメロが11小節あるという、クラシック人間的にはかなり妙な構成になっているのだ。モーツァルトには「冗談の音楽」といって、故意に小節数を狂わせている曲があるくらいだから、私は Aメロ11小節を理解するまで、ちょっと時間が掛かった。
 そのため、まだサビには進んではいないが、こちらも変拍子を使っているので、すんなりとは行かないだろう。

 オリジナルはスモーキー・ロビンソンの美声、ビートルズはジョンとジョージのツイン・ヴォーカルがイカした、シンプルな曲かと思いきや、実は様々なフレーズ、リズム上の工夫のある、興味深い曲なのだ。
 改めて聞いてみると本当に名曲で、ビートルズのカバー曲の中では、"Twist and Shout" に次ぐか、肩を並べるくらい好きだ。



 アルバム "with the beatles" のジャケットの素晴らしさも、象徴的だ。アストリッド・キルヒアの手法をビートルズのリクエストで再現したものだが、あまりの格好良さに、似たようなジャケットが雨後の竹の子のように出現した。
 しかしそういうコピーのいずれも、ビートルズには遠く及ばなかった。それは、ビートルズの四人の容姿の良さが群を抜いているからである。
 特に、ジョージの美形加減ときたら!若いし、モノクロだし、影があるしで、もう言うことないほどの素晴らしい造形。ギリシャ彫刻のような美しさとは、コレのことを言うのだろう。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの制作者名最初のアルファベット半角大文字2文字は?

コメント:

トラックバック