Let It Down2021/09/05 20:44

 ジョージの名作アルバム [All Things Must Pass] は名曲揃いなのだが、今回50周年のリマスターで、特に良いと思った曲の一つが、"Let It Down" だった。
 いままで、それほど注目したことのない曲だったが、今回のリマスターで、厚い霧が晴れ、ギターの一本一本、オルガンの響き、コーラスの重なりがすごく立体的に繰り出されるようになり、その迫力が増したのだ。
 この演奏には、ジョージとデレク&ザ・ドミノス,バッドフィンガーの面々が揃っており、そこにブラス隊が加わっている。クラプトンはもちろんギターでの活躍が目立つだろうが、実はバッキングボーカルもこなしている。ここで声でのジョージとクラプトンの共演も見物だ。
 ジョージはまだこの時期、彼のスライドが他の誰とも違う、優れた「武器」であるという自覚が、まだ薄かっと思う。それでもジョージ独特のスライドが控えめに聞こえるのが嬉しい。
 本格的にジョージがスライドをトレードマークとして押し出すのは、"Give Me Love" からではないだろうか。



 [ATMP] の50周年リマスターを何度も聞いているうちに、[George Fest] の音が聞きたくなった。ダニーが中心となった、若い世代の多い「ジョージ祝祭」での、"Let It Down" は、このコンサート最高潮の一つではないだろうか。



 激しいイントロに、美しい A メロ、さらにサビでもう一度爆発する熱気 ―― この劇的でちょっとイカれた展開が、ダニーの妖しい魅力と相まって、凄く良く調和し、弾けていた。

 [ATMP] 50周年リマスターは、本作の素晴らしさを再認識させるのみならず、これに続いて開催された [Concert for Bangladesh] を聞き直したい気持ちにもしたし、[George Fest] の良さも、また違う形で分かったような気がする。
 さらに、ジョージのソロワークの変遷を追い、ダークホース、ウィルベリーズ、そして [Brainwashed] へ至るジョージの生涯への、道しるべとなる。やっぱり、これは買いだなと思う。

 ジョージのソロには興味があるけど、[ATMP] は大作過ぎるし、劣化したフィル・スペクター・サウンドがどうも…という人にも、今回の50周年リマスターはお勧めだ。
 実のところ、おまけのジャムを除けばそれほど曲数が多いわけでもないし、劣化したスペクターサウンドは、きれいさっぱり洗い流されて、くっきりとしたロックサウンドが手に取るように感じられる。

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