Desert Island Guitars2021/04/07 19:58

 2月、Guitar Center のYouTubeにマイク・キャンベルのインタビュー動画がアップロードされた。
 題して、"Desert Island Guitars & The Dirty Knobs"「無人島ギター&ダーティ・ノブズ」いわゆる、「無人島に持って行ける物があるとしたら、何にする?」のギター版である。



 まずよく言われるのが、「ギタリストには一体何本のギターが必要なんだ?」という話。確かに、有名ギタリストたちは無闇に大量のギターを持っている。マイクもその例外ではない。私はクラシック出身のピアニストなので、楽器をそんなに大量に持ちたがる気持ちがイマイチ分からない。
 マイク曰く、「一本よりは多く」だそうだ。

 無人島ギターとして最初に挙げたのが、1950年フェンダー・ブロードキャスター。ハートブレイカーズの最初のアルバムを作るとき、マイクはストラトキャスターを持っていたが、トムが弾いていたので代わりが必要となり、入手したのがこのブロードキャスターというわけ。
 出た、トムさんの物か、マイクの物かはっきりしないギター。複数のギターがそういうギターで、ふたりで共有していたのかと思っていたのだが ―― どうやら、本来の所有者はマイクだけど、トムさんが弾いているというケースがかなりあるようだ。
 [Damn the Torpedoes] のアルバム・ジャケットでトムさんが自慢げにもっているリッケンバッカーだって、本来はマイクの物である。だがすっかりトムさんの物みたいになって、シグネチャー・モデルまで製造された。
 そういうヴォーカル・フロントマンと、ギタリストって他にあるのだろうか。ジョージ所有のギターをジョンが弾くとか、想像できない。ハートブレイカーズの二人は、ちょっと特殊なようだ。
 このブロードキャスターは、ハートブレイカーズの音を決めた重要な存在で、まず無人島ギターに選ぶとしたら、これだと言う。音色は bright (明るい)でありながら、brittle (脆い,金属的に鋭い)ではない。性能や、愛着の面でも納得の一本だろう。

 次に挙げたのが、1959年ギブスン,レス・ポール。60年代にマイクに影響を与えた偉大なギタリストたち ―― ジミー・ペイジ,エリック・クラプトン,ジェフ・ベックなどが弾いていた物と同じだという。まさにギター界の Holy Grail 聖杯。
 手に入れたのは意外と最近で、2010年の [Mojo] 制作時に持ち込んだという。トムさんがその音に惚れ込んで、アルバム全体に使うことになった。ダーティ・ノブズのアルバムにも使用している。

 無人島ギターかどうかはともかく、もう一本出してきたのが、これも最近 ―― マックのツアー中に手に入れた、白いファイアーバード。ジョニー・ウィンターのサイン入りだが、真偽は不明。その後のツアーのメインギターとなり、ノブズのライブでも弾いているという。
 そもそも、マイクはオリジナル・マッドクラッチの頃から、ファイアーバードを持っていた。しかし、あるときトイレか何かに立ったときに、置いておいたそのファイアーバードの上にトムさんが座ってしまい、ネックが折れた。ご愁傷様。その時の二人のやりとりが見てみたい。
 とにかく、ギターを置くときは、ちゃんとケースに入れて蓋をするか、スタンドに立てましょうという教訓だ。

 今回の「無人島ギター」に真っ先に選ばれた、ブロードキャスターをマイクが弾いている動画を一つ、あげておく。
 もっとも、つい最近もアップロードした動画だ。チョコミント・シャツのトムさんが、ダブルネックのリッケンバッカーを弾いている。ブロードキャスターと、マイクはまさに一体になったかのようだ。

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