1970 with Special Guest George Harrison がやってきた、ヤァ!ヤァ!ヤァ!2021/03/09 21:00

 お待ちかねの、ボブ・ディランの [1970 with Special Guest George Harrison] が届いた。仕事の間中、ずっと聴いている。



 1970年3月から8月までの、[Self Portrait] や、[New Morning] などのアルバムにつながるセッションで、5月1日にはジョージがセッションに参加している。
 今回の公式発売における、最大の目玉は、「ジョージが参加している!」という一点だったのだが…これが、笑えるくらい、ジョージの存在が薄い。特徴的なギターを前面で弾いているわけでもないし、ディランとがんがん絡んで歌いまくっているわけでもない。
 ちょっとはにかみながら、遠慮がちに、でもディランと一緒に過ごせる幸せをかみしめる、26歳のジョージの密やかな存在感を堪能するのが、このアルバムではないだろうか。
 そう、ジョージ・ファンは謙虚なので、ジョージがいる空気さえ記録されていれば、それで良いのである!

 もう一つ強く思ったのは、このアルバムのタイトルは [If Not For You] にするべきだったということ。
 それくらい、何度も何度も演奏して、練りに練って、つかみ取ろうとするディランがいる。この時期のディランにとって、"If Not For You" が、いかに重要な曲だったのかが、よく分かる。
 ディスク3になって、タンバリンがじゃらじゃら鳴るゴスペル風になったのは、さすがに可笑しかった。

 "If Not For You" は、ジョージの方がモノにした感じで、[All Things Must Passs] の収録バージョンはとても良い。
 それから、やはり [Concert for Bangla Desh] 。じいっと見つめう二人の、幸せな瞬間。1970年5月、こういう空気が流れていたんだな。