Mick Ronson2021/02/24 21:05

 ボブ・ディランの「ローリング・サンダー・レビュー」を見ていたら、ギタリストのミック・ロンソンが目に付いたので、彼の伝記映画である [Beside Bowie: The Mick Ronson Story](2017) を見た。
 ロンソンのことが分かりやすくまとまっていて、良かった。
 だが、前半の三分の二ほどは、デイヴィッド・ボウイの成功を描いた伝記でもある。



 これを見ていたら、ロンソンの生涯は、ニッキー・ホプキンズと重なる物があると思った。才能豊かなロック・プレイヤーが、大きな役割を担って活躍するが、それに見合うほどの報酬を得られずに苦しみ、病気で早く亡くなる。
 ロンソンの場合、卓越したギタリストであるのみならず、サウンドクリエイター,編曲家,プロデューサーとしての才能にも恵まれていたと言う点において、特筆されるべきだろう。ただ、その才能こそ音楽仲間たちに認知されておきながら、彼を絶対に離さずにおこうとする、相棒の存在を欠いた。
 ボウイとは、確かに不離の間柄で、ボウイ自身、ロンソンの重要性を分かっていたが、結局一緒に歩むことは止めてしまったのだ。惜しいことをしたのではないだろうか。

 さて、肝心のディランの話となると、映画ではボウイから離れた後の、ロンソンの「迷走」の一つという扱いだった。
 「ディランなんて全然好きじゃないのに!」―― の一言で終わり。
 好きじゃないにしては、ローリング・サンダー・レビューでの活躍は、素晴らしかったけどなぁ。

 映画を見ながら、どうもロンソンの美男子ぶりに、既視感があると思った。
 どうやら、ロッド・スチュワート、ロジャー・テイラー辺りや、金髪にしていた頃のノエル・フィールディングとかが、被るようだ。時々、トム・ペティも混じる。

 ボウイにはあまり興味をひかれないが、この曲は良い曲で好き。
 ボウイ曰く、ロンソンの肩に腕を回して、ワン・マイクで歌った色っぽい姿が、衝撃を与えたとのこと。今にすればたいしたことないが、当時はボウイの容姿も相まって、それなりのインパクトだったろう。