Rolling Thunder Revue2021/02/20 21:56

 Netflix が配信している映画,[Rolling Thunder Revue: A Bob Dylan Story by Martin Scorsese] を、Netflix に加入せずに見る方法。それは、Blu-ray ディスクを買うことである。ただし、アメリカ版なので、日本語字幕無し、パソコンでのみ再生可能だ。
 1975年夏、ボブ・ディランのライブツアー,「ローリング・サンダー・レビュー」の模様を描くドキュメンタリー ―― ということになっている。タイトルに、"A Bob Dylan Story by Martin Scorsese" 「マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説」と、但し書きが付いているところが重要だ。



 これはまた…微妙な映画だ…。

 ライブシーンは、間違いなく傑作。ブートレグ・シリーズ Vol 5. の映像を見ることが出来るのだから。白塗りのディランは、叩きつけるように歌いまくり、ツイン・ドラムスに引っ張られたバンドが、重量感抜群に迫ってくる。
 ディランの容姿も格好良い。花で飾った帽子をかぶり、ジーンズが似合っていて、笑顔が目立つ。  ジョーン・バエズとの息ぴったりのデュエットシーンも良いし、当時の最新アルバム,[Desire] の曲とともに、"Hattie Carroll" や "Hard Rain" のような古い曲を、ロック・バージョンで聴かせてくれるところも、堪能できる。
 容姿の目立つ ―― 要は美しいギタリストがいて、それがミック・ロンソンであることを初めて知った。名前は聞いたことはあるが、どういう人かは知らなかったのだ。
 ロジャー・マッグインの迫力のある見た目が、ちょっと笑えた。衣装がダサく、白塗りや、アイメイクが似合わない。でも聴かせてくれるのは、これぞマッグインと言う、繊細なギターと歌声だ。
 行く先々で加わるゲストも豪華。パティ・スミスやジョニ・ミッチェルが、若く溌剌としていたのが印象的だ。

 しかし、この素晴らしいライブシーンを堪能するだけでは、監督は満足しなかったようだ。たびたび演奏がぷっつり切れて、インタビューや、舞台裏のシーンが挿入される。
 ツアーの様子を描くのだから、そういうシーンも必要なのだろうが、私にとっては、なくても良かった。
 しかもそう言ったインタビューシーンが、いわゆる普通の「ドキュメンタリー」ではなくて、様々な仕掛けが施されている。それを示唆するように、まったく関係ない、古い映画のシーンが挟まれたりする。
 私が期待したのは、[Shine a Light] のように、コンサートを堪能するような映画なので、かなり微妙な評価にならざるを得ない。

 そのうち、日本語の字幕の入ったソフトが発売されるだろうか。そうなったら、もう一度日本語で見て、ドキュメンタリー部分の良さを認識出来るようになるかも知れない。
 私が好きなのは、ディランの「伝説」ではなく、「音楽」なのだということを、再確認した映画だった。

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