日本列島KISSだらけフェス2020/09/17 19:45

 先週のタモリ倶楽部は面白かった。いつも面白いが、特に面白かった。
 ファイナル・ツアーがキャンセルになってしまった、キッスのファンたちの失意の思いを埋めるべく、日本のトリビュート(コピー)・バンドが全国から集まる(リモート)という趣向。
 私はキッスの「キの字」も知らないのだが、やはりこういう本気のファンが集まって、楽しく盛り上がる様子というは、見ていて面白い。

 まず興味深かったのが、ゲスト出演したマーティ・フリードマンに、キッスのギタリストのオーディションの声が掛かった時の話。
 条件があって、「長髪であること,金髪ではないこと,痩せていること」―― までは満たしていたが、身長が180cm 以上なかったために、ダメだったのだという。
 うわぁ…キッスになるって大変なんだなぁ… あんなにギター上手いのに。

 北海道、鹿児島、神戸のキッス・バンドマンたちは、涙ぐましい知恵と工夫でキッスの再現に挑み、そしてお国言葉が混じるのがイカしている。
 衣装が凝っているので、それなりの難しさもあるが、思えば顔は塗ってしまえば良いので、キッスは意外とコピーしやすいのかも知れない。
 演出にも力が入っており、ドラムがせり上がる、ギターを毎回壊す、花火を焚くなどなど、ただ音楽をやっていれば良いわけではないらしい。「音楽では敵わないので、そこに力を入れている」とまで言っていたのには、笑った。
 火を吹く人もいて、夜の駐車場で練習するとのこと。… ステージ上で火を吹くのって、違法じゃなかったっけ?炎の長さに規定があるんだっけ?下手にテレビなんか出ると、次のステージでは消防からストップがかかるのではないだろうか(数年前、その手の騒ぎで公演が中断・強制終了させられたアメリカのバンドがあった…)。

 それから、心底大変だなぁと思ったのは、ジーン・シモンズ役の人は、血を吐く演出をしなければならないこと。トマトジュースだの、イチゴヨーグルトだの、床を汚すのでやらないだの、とにかく大変なのだ。
 ポール・スタンレーの人は胸毛がなきゃいけないらしいのだが、日本人には辛い。思えば、ハゲのビートルズ・コピーバンドなんて、あってはならないのだから、ただバンドをやるだけではなく、「コピー,再現」を目指すバンドって凄いと思う。
 私はグレン・グールドを目指して速弾きチャレンジをすることはあっても(成功しない)、椅子を極端に低くしたりとかは、やろうとも思わない。

 それでこのブログ記事に、どんなキッスの動画を貼り付けるか考えたのだが、キッスのことを知らなさすぎて、見当もつかない。
 適当に貼り付けて、キッス・ファンに失礼なことをするのもあれなので、ザ・マイティ・ブーシュから、「グラム・フォーク」(ヴィンスが新しい音楽の方向性を見いだそうとして、結成したシロモノ)を貼ることにした。