Rough and Rowdy Ways2020/06/25 20:32

 ボブ・ディランの新譜 [Routh and Rowdy Ways] が届いた。
 [Tempest] 以来、実に8年ぶりの自作曲のオリジナル・アルバムである。

 長かった!―― この8年!ディラン作の曲に飢え、フランク・シナトラに耐え(正直な気持ちだ)―― やっぱりディラン様はこうでなきゃ!
 自宅で仕事をしている間、ずっと聞いていたのだが、心地良いディランの詩の世界と、ちょっと斜めに構えた、ロックを秘めた音楽の世界。

 私のお気に入りは、"False Prophet" ―― 特に詩が良い。歌われているのは、偽善者か、独裁者か?それともこの曲を聞く誰かか、ディラン自身なのか。想像の膨らむ、豊かな世界だ。



 クレジットを見ると、フィオナ・アップルや、ベンモント・テンチの名前がある。この曲にも参加しているのではないだろうか。

 面白かったのは、ジョン・F・ケネディの死を描いた [Murder Most Foul] は、1曲だけ別盤にしていることだ。
 ウェブ上に公開されたときにも思ったのだが、この作品は音楽というより、「朗読詩」だ。ディラン自身もそういうふうに考えて、わざわざ別にしたのではないだろうか。

 ロック・ファン、ディラン・ファン、音楽ファン、そのときは来た。ボブ・ディランの、ボブ・ディラン作の、新譜がやってきた。
 なんて素晴らしいことだろうか。