The Dirty Knobs / Wreckless Abandon2020/01/21 21:22

   マイク・キャンベルのバンド、ザ・ダーティ・ノブズがファースト・アルバム [Wreckless Abandon] を3月20日に発売するにさきだち、アルバムのタイトル・トラック動画を公開した。
 ビートルズのようなインド風のイントロに、ストーンズ風のギターが鳴り響き、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのようなロックンロールがほとばしる。マイクがこの三者が本当に好きなのだと実感できる一曲。
 こういうロックンロールを待っていた!



 最初に聴いたとき、両手で顔を覆って、突っ伏してしまった。涙がにじんでくる。
 ああ、なんてこと!なんてことだろう!!
 トム・ペティ!トーマス・アール・ペティ!!あなたはこれを、この音楽を、この人をこの世に残して、旅立ってしまったのだ!なんてことをしたんだ!なんて取り返しのつかないことをしたんだ!

 あまりにも良すぎて、嬉しくなるより、かえって悲しくなってしまった。
 すさまじくトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの魂を内包し、どきっとするほど爽快で、尖って、新しい命を得て駆けだしたような音楽。怒濤のような、すさまじいロックンロールの格好良さが、ここに溢れている。

 私の知っているマイク・キャンベルという人は、二回「変わったな」と思わせる。
 最初は、シャイで控えめでトムさんの後ろにそっと隠れているような青年だった。それがジョージ・ハリスンが亡くなって以降、派手な髪型や服装をするようになり、ステージでも前に繰り出し、トムさんの良き Co-Captain, Right-hand man ぶりを発揮し始めた。
 そして、トム・ペティが亡くなって以降、彼はもう一つの人生を歩み始めたようだ。真っ赤なリッケンバッカーをひっさげ、振り回し、声を張って堂々たるロックンローラーぶりを見せつけている。

 マイクは、二度目の青春を生きようとしている。
 ロックンロールが若者たちの魂の音楽であることを、実年齢とは関係なく証明し続けているのだ。

 いまから新譜が楽しみだ。本当に楽しみだ。