Soul Man2019/08/30 21:54

 "Soul Man" のオリジナルは、1967年ソウル・デュオであるサム&デイヴだが、私にとっては、圧倒的にブルース・ブラザーズだ。
 このSNLの映像は何度でも繰り返し見ていられる。



 そもそも、ブルース・ブラザーズの見た目からして大好き。二人で作り上げる世界がちょっと間抜けなような、可愛いげがあって、スマートになりきれないけど、格好良い。大人だか、子供だかわからないようで、稚気としゃれっ気がある。それがある程度、彼らの意図だということも分かるので、なおさら格好良い。

 歌はそれほどうまいわけではなく、ダン・エイクロイドもそれは認めていた。ただ、彼曰く「華がある」。どんなに上手い歌手でも、こういう華がみじんも無かったら、聴く気が失せる。
 ダンスの振り付けも凄い。これは専門の振付師がいたのか、彼らの創造なのか知らないが、力の入れ方、抜き方が絶妙だ。特にイントロで不機嫌そうに突っ立っていたと思うと、突然ガチャガチャ動き出すのは、ロックの(私にとっては完全にロック)名シーンのはずだ。

 それにしても、改めて認識するのだが、ブルース・ブラザーズ・バンドの演奏の上手さ ―― こちらは本当の意味で「巧い」のだが、クオリティの高さには感動する。一種のコメディのネタに、これだけの上手いメンバーが集結したのだから、このユニットの引きがいかに強かったのかがわかる。
 特に良いのが、スティーヴ・クロッパーのギターと、ダック・ダンのベース。バンド界でも最高峰だろう。それから、このバンドでは四人編成の、ホーンズ。軽くて、アクセントが明確で、鋭利な響き。

 動画サイトで "Soul Man" を検索すると、サム&デイヴはもちろん、ロックの殿堂のジャムもある。豪華な面々だが ―― ちょっとグダグダ過ぎ。もともと、ロックの殿堂のジャムにはリハ不足の傾向があるのだが、これはかなりだめな方。
 やはりSNLのブルース・ブラザーズを見ているのが、一番良さそうだ。