Bohemian Rhapsody2019/02/25 19:05

 タイのチェンマイに来ている。
 仕事なので疲労困憊なのだが(まだ序盤)、ただマンゴーは食べ放題である。

 直行便がないのでバンコクでのトランジット。これがきつい。つくづく、旅には向いていないと思う。
 ともあれ、まずはバンコク行きの飛行機でできるだけ映画を見ることにした。
 ローワン・アトキンソンの「ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲」。前作の方が面白かったけど、こっちも楽しかった。エマ・トンプソン、大好き。
 「天才小説家の妻」。まぁ、想定内かなぁ。脇役で気になる人がいて、どこかで絶対見たことがある、と思っていたら、クリスチャン・スレイターだった。プライベートでは色々問題があるようだが、改めて良い役者だと思った。

 そして、「ボヘミアン・ラプソディ」。私の周囲でも「もう見たか?」と話題だった。映画館に足を運ぶほどクイーンのファンというわけではないので、飛行機で見られてラッキー。
 映画作品としてはけっこう普通で、若者が夢を抱いてバンドを結成し、大スターへと成長し、傑作を作り、危機を迎え、再起して父の理解を得て、集大成を作り上げるという、想定の範囲内だった。
 この映画の肝心なところは、おそらく壮大な「再現ドラマ」にあるのだろう。特にクイーンの四人は、ファンが抱いているイメージ、そして明らかにされた実像、双方を融合した最終的なクイーンの姿を、見事に再現して、再体験させてくれるところこそ、重要だったのだと思う。

 大きな話題となった、フレディ・マーキュリーを演じるラミ・マレック。ひげを生やすまで、どうもこの人が、ミック・ジャガーに見えて仕方がなかった。それこそミックを演じたら面白いだろう。
 ほかの三人は最初、似ていないような気がしたのだが、終盤になると慣れてきたのか、クイーンに見えてきたから面白い。
 すでに二回見たという友人によると、「ボブ・ゲルドフが笑えるほど似てる」とのことだったが、私はゲルドフに関してはオン・タイムで知っているわけでも、ファンでもなかったので、ちょっとインパクトは薄かった。

 壮大な再現ドラマは、まじめで偉大なるそっくりさん大会ともいえる。
 本物ではなく、再現だとしても、音楽はクイーン自身だし、大画面に大音響で鑑賞すると、ファンにはたまらなく、それこそ複数回見るというのも理解できる。好きなバンドを永遠に失ってしまったという喪失感は、よくわかる。ある意味、クイーンのファンが羨ましくもある。

 私が好きな曲の中で、話題にこそ出たが実際には流れなかったのが、"You're my best friend"。ちょっと割を食った感じ。
 ジョン・ディーコン贔屓としては、ぜひとも上手く使ってほしかった。