Shenandoah2019/02/14 21:40

 最初に "Shenandoah" という曲を知ったのは、ボブ・ディランのバージョンだ。アルバム [Down in the Groove] に収録されている。かなり長い間、このディランのバージョンしか知らなかった。
 ロジャー・マッグインのアルバム [Limited Edition] で、また "Shenandoah" を聞いて、どうやらこちらの方がオリジナルに近いと言うことを知った。

 オリジナルと言っても、"Shenandoah" をだれが作ったのかは、はっきりしていない。アメリカの民謡という位置づけで、19世紀前半にはすでに歌われていたようだ。
 古くから広く流布し、愛されてきた。ヴァージニア州の州歌 "Our Great Virginia" は、"Shenandoah" のメロディを使っている。

 動画でもいろいろなバージョンがあるのだが、どれも何となく大げさで、いまいち。このステイトラー・ブラザーズのバージョンなどは、まだ素朴な方かもしれない。



 ロジャー・マッグインのバージョンは、すっかりザ・バーズだと思い込むほど、バーズ調。倍音の美しいギターに、マッグイン特有のちょっと頼りないようで、でも美しい声が映える。

 一方でディランの方は、かなりクセの強いアレンジをしている。クレジットも、「トラディショナルで、かつディランのアレンジ」としている。Aメロはほぼオリジナルなのだが、展開するとすっかりディラン節。
 ディランは、ノーベル文学賞なんぞ贈られるほどなので、その詩人としての価値を非常に評価されているが、私はまずミュージシャンとして素晴らしいと思う。この "Shenandoah" などは、カバーであり、アレンジを加えているだけに、その音楽的才能がよく発揮できているのではないだろうか。

 どうして "Shenandoah" の話になったかというと、自分で演奏したからだ。
 アイルランド音楽のティン・ホイッスルを習っているが、そこで演奏した。
 ただし、この曲はアイルランド発祥ということではない。ケルト発祥の音楽かどうかも不明。ただ、その美しさ、素朴さが、アイルランド音楽に通じるものがあるのだろう。ティン・ホイッスルで演奏しても、とても良い曲だった。