Healer2017/09/01 21:13

 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのツアーは、ここにきてトムさんの喉の調子が悪く、数公演が延期になった。
 すっかり話題にもせず、自分の薄情さにあきれる。マイクが倒れたときは、「マイクにもしもの事があったら、トムさんを殺して私も死ぬ!」とぬかしたくせに。

 トムさんの喉頭炎はめずらしいことではない。声質からして、もともと鼻や喉の粘膜が強い方ではなさそうだ。
 若い頃には扁桃腺を切っている。その手術の時期に、初めてローリングストーン誌の表紙を飾り、声を出して喜びたかったのにそれが出来なかったというエピソードがある。



 このカバー写真で、トムさんがビートルズ柄のベルトをしているのは、有名…だろうか。どこで買ったのやら。もらったのかも知れない。
 このカバーでは、同時にポールが日本で逮捕されたことも載っている。これも何かの縁だろう。

 ビートルズとトムさんの喉頭炎ついでに、"I won't Back Down" の録音時に、風邪をひいていたトムさんをジョージが生姜湯で癒やしたというエピソードを聴いて、はて、その話はどこにでていたのだろうかと思った。
 確認してみると、2010年MOJO誌でのインタビューだ。

At the session George Harrison sang and played the guitar. I had a terrible cold that day, and George went to the store and bought a ginger root, boiled it and had me stick my head in the pot to get the ginger steam to open up my sinuses, and then I ran in and did the take.

 録音から20年以上たってからこんな話が出てくるのだから、みんなのジョージ・エピソードたるや、尽きることのない泉のようだ。
 ジョージにはそういう才能があるのか、よく人を癒やしている。そういうことをされると、誰でもジョージに「落ちる」わけだ。
 心が傷ついても、ジョージと一緒に居るだけで心が癒やされる。そう証言する人が多い。クラウス・フォアマンは映画でそれを非常に意味深に語っていて、ドキっとした。ボブ・ディランがジョージのことをとても愛していたのにも、そういう理由があったと思う。トムの鼻をどうにかしたのは、オマケに過ぎないだろう。

Alfa Romeo Guitar (ugly)2017/09/07 20:52

 辛い週末を終えつつも、F1レーサーは忙しい。次のお仕事は、フェラーリと縁の深い、アルファ・ロメオの試乗(スポンサーでもあるかな?)。
 ジュリア ― Giulia Quadrifoglio ― 二人とも、タイヤに優しくないドライビングでどうぞ!



 アルファ・ロメオほど格好良いエンブレムの車はない。このエンブレムは、ミラノの紋章が元になっている。私は高校生のときに一目惚れし、それ以来アルファ・ロメオ・エンブレムのキーホルダーを愛用している。もうすっかり摩滅してしまっているが、替える予定は無い。




 アルファ・ロメオはF1の初代チャンピオンマシンであり、伝説のレーサー,ファンジオも乗っていた。1950年代以来、撤退と参加を繰り返しつつ、1980年代以降はF1から遠ざかっている。

 アルファ・ロメオでググっていると、世にもダサいものが引っかかった。
 格好良いはずのアルファ・ロメオと、エレクトリック・ギターがコラボして、どうしてここまでダサいものが出来るのか…



 ギターとレーシングカーのコラボレーションといえば思い出すのは、ジョージが所有していた謎のギターのプレート。マクラーレンF1チームの、ものに見える。記事にもしている。



The Apple Years 1968-75がやってきた ヤァ!ヤァ!ヤァ! ― 2014/10/16

 ダニーと知り合う機会があったら、是非ともこのギターとプレートの正体を教えて欲しい。

Here She Comes Again2017/09/10 13:32

 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの公式 twitter が、Guitar World のツイートをリツイートし、クリス・ヒルマンの新譜紹介,新曲を聴こう!…と言う。ええ、もちろん行ってみましょう。

Chris Hillman Premieres "Here She Comes Again," Featuring Roger McGuinn

 ロジャー・マッグインにデイヴィッド・クロスビーが参加しているのも大事だが、ハートブレイカーズも関わっている、ヒルマンの新譜[Bidin' My Time] 。9月22日が発売日なのでまだ手元には届いていないが、まずは "Here She Comes Again" がフルで公開された。

 新譜のトレイラーにも使われていたこの曲だが、フルで聴くとさらにその素晴らしさに衝 撃を受ける。



 何て美しいギター・サウンド、何て温かなメロディとハーモニー。曲全体を包む光彩、1960年代の青春の息吹。満を持して迸るギター・ソロ。私の大好きなザ・バーズの良さが再現されている。
 私はデイヴィッド・クロスビーが居た頃までのバーズが好きで、カントリー色が強くなると、それほど魅力を感じない。ヒルマンの新曲 "Here She Comes Again" はまさに、「好きなバーズ」そのものだ。
 もちろん、サウンド的には60年代よりずっとゴージャスで、その点はTP&HBの影響でうまく頭の中ではブレンドされている。

 Guitar Worldの記事によると、"Here She Comes Again"は、70年代後半にヒルマンとマッグインが共同で作っていた。1978年のライブ音源も残っている。



 ヒルマンの新譜[Bidin' My Time] については、手元についてから記事にするつもりだったが、この曲をフルで聴いたら、いてもたってもいられなくなった。

 タイトルの "Here She Comes Again" と言えば、ザ・スタンズの同名曲のことも、記しておきたい。本当に素晴らしい曲だし、「バーズ愛」に溢れている。

Here She Comes Again / The Stands ― 2012/02/20

The Head and the Heart2017/09/16 20:40

 テレビでミュージック・ビデオを見て、少し気になっていたのだが、バンド名と曲名を記憶していなかったために、私の中で行方不明になっていたバンドが、インターネットのおかげでわかった。
 シアトル出身の6人組 ”インディ・フォーク・バンド”,The Head and the Heart ザ・ヘッド・アンド・ザ・ハート 。私が見たのは、彼らの3枚目にして、メジャー・レーベルとしては最初のアルバムである [Signs of Light] からのシングル、"All We Ever Knew" だった。



 聞き直すと、やはり良い曲だったので、iTunes store でアルバムを購入した。
 後悔した。
 これはダウンロードではなく、ディスクを買うべきバンドだった。そのようなわけで、デビュー作からアルバム3枚を、先ほど注文したところ。

 シンプルで美しいメロディに、アコースティックとエレクトリックの上手いブレンド、厚みのある豊かなコーラスなどが目一杯詰まっており、[Signs of Light] には、ほぼ捨て曲が無い。一曲だけ、"Oh My Dear" だけは素の作りすぎて退屈だったが、それ以外は粒ぞろいで、素晴らしいロック楽曲ばかりだ。
 フィドルを入れているところが、バンドの特徴になっているが、別にこのフィドルが、もの凄く上手いというわけでもないし、彼女のヴォーカルもさほどのものではない。しかし、そういう絶妙な加減での「親近感」が、ロックの良さには必要なのだ。

 こういう、最近の音楽らしくオーバープロデューシング気味ながらも、フォークロックの要素が強く、「強さ」よりも「弱さ」に対する共感や、押しつけではない「美しさ」への憧れ、近所の若者たちが、既に巨大音楽産業の中心ではなくなっているロックンロールへの、忠誠心を表すような音楽 ― そういうものに、どうしても心を奪われてしまう。
 ジェイホークスや、ウォールフラワーズ、ルビーホース、シスター・ヘイゼルなどが好きになる感覚に、絶妙にマッチしてくるのだ。彼らに共通することは、ビートルズや、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのファンであり、実際の関わりもあるところだ。
 要するにFab やTP&HBファンである私と好みが同じなのだから、彼らが作るの音楽を好きになって、当然だろう。
 アルバム [Signs of Light] のプロデューサーは、ジェイ・ジョイスという人物なのだが、この人はウォールフラワーズとルビーホースとも仕事をしているので、彼らの音楽に共通する肌触りを感じるのは頷ける。

 散々 [Signs of Light] をヘヴィ・ローテーションして、さっきやっと知ったのだが、このザ・ヘッド・アンド・ザ・ハートというバンド、TP&HBと縁の深いバンドだった。
 今年2月、トム・ペティがMusiCareを受賞したときのトリビュート・ライブに出演して、"You Got Lucky" を演奏していたのだ。
 何たる迂闊さ!ジェイコブ・ディランや、アイルトン・ウィルベリー、ジェフ・リンなどに目を奪われて、全く気づいていなかった。
 しかも、7月のハイドパークでもルミニアーズ,シェルターズと共に、名を連ねているではないか。
 偶然テレビでMVを見て、気になるには当たり前すぎるバンドだった。

 こうなると、MusiCare トリビュート・ライブの映像のソフト化を速く実現してほしい。
 ザ・ヘッド・アンド・ザ・ハートは、彼ら自身のライブでも "You Got Lucky" をレパートリーに入れており、そのオーディエンス・ショットで、いまは我慢して、彼らの最初の2枚のアルバムの到着を待っている。

(期間限定)フェラーリファンのみなさんへ2017/09/18 11:30

 本来、投稿する気はなかったが、昨夜のシンガポールGPがあまりにも衝撃的過ぎたので、F1とフェラーリ、ベッテル、ライコネンのファンの方への、気持ちの共有として、この記事を投稿する。
 期間限定。そのうち削除する予定。

 私はセナが生きていた頃からのF1ファンですが、ベッテルほど応援しているレーサーは、ヒル以来です。もちろん、ライコネンも大好きです。
 別にティフォシではありません。もちろん、フェラーリが強いと嬉しいのですが、どちらかというと、レーサーを贔屓にする方で、今、フェラーリを一番応援しているのは、一番すきなドライバーが二人とも所属しているからです。

 昨夜のレースは本当に残念でした。かろうじて最後まで見たのは、ベッテル,ライコネン,フェラーリだけではなく、F1のファンだからだという意地に近かったです。それにしても、あれほどショックで、落胆したのはセナが死んだとき以来かも知れません。
 昨日のクラッシュは誰も悪くないでしょう。沢山のレースのあいだには、あんなこともあります。強いて言えば、セブはマックスを警戒しすぎた。マックスはスタートが悪すぎ、キミは良すぎて、互いに行き場所がなかった。そんなところでしょうか。

 ティフォシには酷ですが、はっきり言えば、今年もメルセデスの優位は変わりません。シューマッハが下地を作り、若かったハミルトンとロズベルグが切磋琢磨し、あのメルセデス・ベンツが作りあげたマシンです。そう簡単には王座を譲らないでしょう。
 フェラーリは、今までよくも上に行ったり、食らいついたりしたものです。ともあれ、あと6レース、何が起こるか分かりません。本当にハミルトンが勝つのか、彼自身が一番警戒しているでしょう。メルセデス,フェラーリ、双方とも決して油断も絶望もしていないはずです。
 最近は、「圧倒的なチームの強さ」が目立ちますが、異なるチームで三つどもえや、1ポイント差なんて、よくあったものです。まだ分かりません。

 私はF1というスポーツが好きですが、あの情け容赦のなさ、奇跡なんて起きない、全ては愚かな人間の業の末の、それでも欲望と歓喜を求める、政治,経済,技術、エゴの渦巻く複雑な競技だからかも知れません。その中で、人間的な魅力のあるレーサーに出会うと、とても入れ込んでしまう。ヒルや、ベッテル、ライコネンがそうです。(他にも、現役ではマッサやグロージャン,リカルドが好きです。)

 キミが来年の契約をしたと聴いたとき、私は「キミは、フェラーリとセブをチャンピオンにして、F1を去るつもりだ」と思いました。それは今年じゃない、来年なのだという、キミの思いが分かったような気がしました。
 セブはまだ30歳です。今年がどうなろうが、まだまだ続くであろう、セブのF1人生のために、キミはあと1年、側で何かをしてあげたいのだと思います。そしてもちろん、自分の稼ぎも、勝利も、栄誉も欲しいでしょう。

 勝負の世界で、普通に友情を保つのは、なかなか難しいことです。元々友人同士だったハミルトンとロズベルグだって、互いを「あっち」などとは、本当は呼びたくはなかったはずです。
 その点、固い友情で結ばれたセブとキミは、幸運にも年齢が離れており、レーサーとしてのキャリアの放物線も、ずれています。二人はこの幸運に感謝しているでしょう。昨夜以降、チームや、レーサー同士でどんな話があったかは分かりませんし、まだ話していないかも知れません。 少なくとも、フェラーリのツイートに載ったこの写真を見る限り、互いの顔は見たようです。



 昨夜以来、私も心の整理が付きません。フェラーリの "Grill the grid"でも見て、心を安らげます。(10チームで最長5分以上… イチャイチャ 楽しそうにし過ぎ)



 くり返すようですが、まだレースは6戦あります。フェラーリが勝っても、負けても、何かしらのドラマが待っています。シンガポールの予選のように、ハンガリーの「盾」のように、スパのトウのように。
 それらのドラマの末に、ハミルトンがチャンピオンになれば、彼の栄誉を称えましょう。F1はスポーツなのですから。

Handle with Care / Stills & Collins2017/09/23 19:27

 クリス・ヒルマンの新譜 [Bidin' My Time] の発売日は9月22日なので、今日には届く物だと思って、ワクワクしていたのだが、一向に届かない。確認してみると、どうやら輸入の都合らしく、届くのは再来週以降だというのだ。
 ここはぐっと我慢。いちいち、ディスクとダウンロード両方で購入していたら、破産してライブ遠征ができなくなってしまう。

 一方、スティーヴン・スティルスとジュディ・コリンズの新譜 [Everybody Knows] もまた、22日が発売日だった。
 こちらは購入予定ではないが、さすがにトラヴェリング・ウィルベリーズの "Handle with Care" のカバーは気になる。ダウンロードで1曲買いした。



 音楽は決してパソコンのスピーカーで聴いてはいけない。高性能のスピーカーを備えている機種もあるだろうが、大抵はそうではない。きちんとした外付けスピーカーか、ヘッドホンで聴くべきだ。
 このスティルスとコリンズのカバーでは、重いベースラインがまず印象的なので、スピーカーの良さは必須。

 オリジナルの "Handle with Care" と言えば、アコギサウンドと、滑らかなスライドギター、そしてハーモニカがサウンドの特徴のフォーク・ロック調。一方、スティルスとコリンズのカバーでは、まず重いベースとドラム、そして熱いオルガンが鳴り響き、よりソウルフルな仕上がりになっている。
 このソウルフルでパワフルなアレンジも格好良い。
 それに乗るスティルスとコリンズの声だが、こちらはちょっとパワー不足。そもそもが男の友情の曲なので(歌詞がという意味ではなく、曲そのものの存在が)、コリンズの声は曲をリードする方ではなく、ロイ・オービソン・パートだけにフォーカスしても良かっただろう。
 もしくは、スティルスの [Love the One You with] のようにもっと大勢を揃えてきたら、このソウルフルなバージョンの良さが生きたに違いない。

 今回のカバーで改めて思ったのが、ジョージ独特の節回しの妙だった。ジョージはAメロのほとんどで、拍の頭を一瞬空けて、後ろへつんのめるように、言葉の頭を歌う。一方、スティルスとコリンズは、たびたび言葉の頭を拍にぶつけている ― オン・タクトなのだ。こちらの方が簡単だが、オリジナル独特の軽やかさと爽やかさが損なわれてしまう。
 ジョージのあの歌い方はもちろん、ディランの影響が強い。オリジナルはディランとジョージの、一瞬間を取る歌い方と、オン・タクトなロイ・オービソンの歌い方とのコントラストが、鮮やかに発揮されていたのだと、再認識させられた。

 ともあれ、スティルスとコリンズのカバーは、"Handle with Care" の新しい解釈として、とても面白い。そして原曲の良さがさらに分かる。
 友情というものを思うとき、いつもこの曲が思い浮かぶ。損得でもないし、何かを目指すわけでも無い。ただ、友人の事が好きだと思うとき、この曲がぴったりくるのだ。スティルとコリンズも、きっとそうだと思ったに違いない。

6th Avenue Heartache2017/09/28 20:24

 9月16日に記事にしたザ・ヘッド・アンド・ザ・ハートが思いの外良くて、何度もリピートしている。特に3枚目のアルバム [Signs of Light] が良い。
 そんなつながりで、同様のテイストのアルバムを聴いているうちに、ザ・ウォールフラワーズの [Bringing Down the Horse] に回って来た。

 名作 [Bringing Down the Horse] が発売されて、もう20年以上経つ。
 2曲目の "6th Avenue Heartache" を聴いて、思わずため息が出た。あの冒頭の、マイク・キャンベル ― まるで、ジョージ・ハリスンが憑依したようなあのスライドギター、至高のサウンドと言うべきだろう。



 ジェイコブ・ディラン、さすがに若い。

 マイク・キャンベルはこの曲でリードギターを弾くに至った経緯について、2003年にSong Facts のインタビューに答えている。

 T-ボーン・バーネット( [Bringing Down the Horse] のプロデューサー)がある日電話してきて言ったんだ。「こういう曲があるんだけど、ギターを入れてくれるか?」
 ぼくは答えた。「今は、本当にスタジオに行って録音する時間が無いんだ。」そしたら彼は、「テープを送ったら、きみの家でオーバーダブしてもらえる?」と言うので、ぼくはOKした。
 それでバーネットがテープを送ってきて、そいつには、いくつかのリズムトラックに乗ったオープン・トラックが入っていた。ぼくはある日の午後、何時間かでギターを持ってきてつなぐと、幾つかのパートに、複数のオーバー・ダブをしていった。良さそうなのができたので、テープをバーネットに送り返した。ぼくは一度も(ウォールフラワーズの)連中には会わなかったよ。
 そうしたら、バーネットがぼくに電話をよこして言った。「やぁ、すごく良かったよ。」それで、あの曲がラジオで流れるようになった。

 この曲のあるギターのラインが、ほんとうに好きなんだ。すごくジョージ・ハリスンっぽいサウンドで。スタジオであのサウンドをモノにしたとき、すごく誇りに感じたよ。バーネットたちがあれを採用してくれたのが、とても嬉しかった。
 可笑しいのは、その後なんだ。ぼくはジョージに偶然会って ― ジョージっていうのは、本当に気まぐれで、シニカルな人なんだけど、ぼくを見て、クスクス笑いながらこう言ったんだ。「やぁ、あの曲をラジオで聞いたよ。今度は、ぼくっぽくやる事にしたの?」


 ジョージはどうして、あのギターがマイクと分かったのだろうか。ラジオでコメントがあったのか、例によって電話魔の彼のことだから人に訊いたのか。もっともジョージらしいとしたら、「マイクだと、分かってしまう」のかも知れない。
 ジョージを知る人たちには、それぞれに「俺のジョージ・エピソード」がある。それを語る彼らは幸せそうで、誇らしげだ。
 マイクにも、初めてジョージに会った時、両手で握手してもらったことが嬉しかったことをはじめ、色々な「俺のジョージ・エピソード」があり、この "6th Avenue Heartache" の話は、すごく素敵だと思う。
 クラプトンも言っていたが、ジョージのスライド・ギターは本当に独特で、彼の演奏だとすぐに分かる。そしてなかなか真似できる人が居ない。マイクはその数少ない、ジョージに限りなく近づく領域のギタリストだ。

 ウォールフラワーズのことだから、もしバーネットがジョージにテープを送っても録音してもらえたかも知れない。
 かなえられない夢を見るなら、ジョージとマイクのスライドギター共演を、夢に見たい。