Sleeprs Awake2015/07/04 22:32

 録りためていた [CSI] を見ていたら、ドラマの冒頭にバッハが流れた。
 バッハだということは分かったが、曲名がピンとこなかったので調べてみると、通称 "Sleeprs Awake"。BWV140 カンタータ140番 "Wachet auf, ruft uns die Stimme" 「目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声」の第4曲だった。

 Bach - Cantate BWV 140 - Wachet auf, ruft uns die Stimme

 ドラマで使用されたのはピアノ編曲バージョンなので、こちらの方が近い。アレッシオ・バックスの演奏で。編曲したのは、ヴェルヘルム・ケンプ。



 ちょっとペダルを踏みすぎだろうか。もう少し淡々と弾く方が好きだ。

 BWVというのは、バッハ作品主題目録番号 Bach-Werke-Verzeichnis の略で、バッハの作品を特定するのに便利な通し番号だ。モーツァルトのK.(ケッヘル)や、一般的な Op.(オーパス)が作曲順に着けられるのに対し、作品をジャンル別に分けているのが特徴。
 バッハの場合、宗教曲に若い番号をつけられており、BWVの1番はカンタータから振られている。そのため、カンタータ140番は、すなわちBWV140というわけ。

 英語での通称 "Sleepers Awake" は、カンタータの第4曲ではあるが、バッハ自身も気に入ったのか、オルガン・コラールとして再編している。この再編バージョンが、BWV645 シュープラー・コラール集第1曲。「コラール」ではあるが、器楽曲なので番号の若い方ではないのだ。
 どうやら、手では二声、そこにペダルのつく三声構成らしい。



 ピアノでの編曲のほかに、沢山の楽器向けに編曲されており、言うなれば「G線上のアリア」のようなもの。
 フルート,サックス,トランペット,オーケストラなどなど、様々なバージョンがあり、エレクトリック・ギターでやっている人もいるのだが、これがダメダメ過ぎるので、アップはしない。
 意外と良いと思ったのが、このおじさんのウクレレバージョン。



 シンプルだし、テンポも良い。もう少しだけコードを挟んで、華やかにしても良いかも知れない。これ、やってみて…できるだろうか?

Baba O'Riley2015/07/07 22:07

 前の記事で、米国ドラマの[CSI] を見たと書いたが、これがけっこう好き。ブームの時は見ていないが、地上派で再放送があると、録りだめたりする。
 [CSI]シリーズと言えば、いずれもテーマ曲は、ザ・フー。
 2009年スーパー・ボウルのハーフタイム・ショーでも、テーマになった三曲 "Baba O'Riley","Who Are You","Won't Got Fooled Again" が入っていた。アメリカ人にもお馴染み、大盛り上がり。



 このショーがあった当時も書いたと思うが、ピート・タウンゼントはもう少しで空を飛べると思う。たぶん、減量さえすれば飛ぶ。鼻で舵をを取れば良い。

 そして、やっぱりザックは格好良い。カメラワークも、ザックを一番良く撮ってはいないだろうか。赤いユニオンフラッグ柄もジャケットもきめて、素晴らしい勢い、豪快で、でも正確なドラムワーク。
 彼のように脇を締めずに叩く― というよりも、かなり大開きなスタイルで叩くというのは、ドラマー的にはどうなのだろう。私はまったくの門外漢なので良く分からない。
 ともあれ、ザ・フーのドラマーはこうでなきゃいけない。脇をあけ、自由に振り回すドラマーではなければいけないのだ。

 ここで、元祖ザ・フー。もちろん、キース・ムーンと、ジョン・エントウィッスルも居る、若きザ・フーの、 "Baba O'Riley"。



 これまた格好良い。キース・ムーンの代わりは、ザックが立派に果たせているが、ベースはやはり、エントウィッスルでないと物足りないかも知れない。
 そして、ピート・タウンゼントを見ると、エレクトリック・ギターというものが軽いものに見える。多分、彼の体格は私の倍ぐらいある。腕を振り回しすぎてシャツの脇の下が裂けているらしい。マエケン状態。
 ところで、タウンゼントのレス・ポールには「5」と白く、でかでかと書いてあるが、あれは何なのだろう。ザ・フーに詳しくないので分からない。誰か、お分かりのかたがいらしたら、教えて下さい。

May the Road Rise to Meet You2015/07/10 21:48

 7月初旬に予定されていたロジャー・マッグインの来日コンサートが延期され、いつに変更されるのかヤキモチしながら待っていたのだが、やっと知らせが届いた。
 11月25日,26日がそのまま東京二日間の代替になるとのこと。どうやら行けそうなので、一安心だ。

 ロジャー・マッグインのレパートリーの中に、 "May the Road Rise to Meet You" という曲がある。この曲、[Limited Edition] というアルバムに収録されている ― と、ここまで書いて、びっくり。もしかして、このアルバムを持っていない…?!
 そんな事があるだろうかと、CDの棚を確認したのだが、やはり無いらしい。
 何が「そんな事があるだろうか」なのかというと、このアルバムには、ビートルズの "If I Needed Someone" のカバーが含まれているのだ。そのロジャー・マッグインのアルバムを持っていない…?どうも記憶が定かではない。
 とにかく持っていないらしいので、ついさっき、注文した。後で出てきたらどうしよう…

 気を取り直して、"May the Road Rise to Meet You" の話。
 これはそもそも、アイルランドに古くから伝わる祝福の言葉だそうだ。「blessing,祝福の言葉」というと、多くの日本人には分かりにくいかもしれない。とにかくキリスト教で言うところの祈り,もしくは大切な誰かに、神の恩寵があらんことを願う言葉だ。
 マッグインの曲の元になっているのは、こんな言葉。

 May the road rise up to meet you.
 May the wind be always at your back.
 May the sun shine warm upon your face.
 The rains fall soft upon your fields.
 And until we meet again.
 May God hold you in the palm of His hand.

 ディランの "Forever Young" でもお馴染みの、"May..." 「…でありますように」という表現。

 あなたの行く先に道がひらかれますように
 いつも風があなたの背中を押してくれますように
 太陽があなたの顔をてらしてくれますように
 あなたのいる野に雨は優しく降りますように
 そしてまた会うその日まで
 神の御手があなたを抱きたまいますように

 この祝福の言葉に音楽をつけた作品もいくつかあり、動画を見たのだが…これがどれもイマイチ。言葉ほどには良くない。仰々しい曲が多く、私がアイルランド音楽に期待するようなシンプルな美しさがない。

 一方、マッグインは奥さんとこの言葉を見て感銘を受け、彼女と共にこの曲を書いたとのこと。先にこの祝福の言葉に曲がついて、サビになるのだが、Aメロが必要なので、"Summertime the sun would shine we'd lay across the field, Sheltered in the shadow of a tree" という詞をつけた。
 それでは、いよいよマッグインの "May the Road Rise to Meet You"



 なんだか、どの曲よりも良いではないか。
 さっき注文したばかりのCDが楽しみになった。そして、11月のコンサートが今から楽しみだ。

The Lost 1986 TP / MC Interview2015/07/13 20:56

 Something ELSE という音楽情報サイトに、1986年のトム・ペティと、マイク・キャンベルのインタビューが掲載された。
 なんでも、ビル・デヤングという人が1986年7月16日にニューヨークのトムさんの部屋でインタビューしたもので、部分的に引用した以外は、お蔵入りしていたとのこと。このたび、靴箱にしまっていたのを引っ張り出したそうだ。

 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズが、ボブ・ディランとツアーを始めた頃であり、ニュー・アルバムの準備もしていたという。その新譜というのは、後に [Let Me Up (I've Had Enough)] となる。

What About Bob Dylan?: The Lost 1986 Tom Petty / Mike Campbell Interview

 詳しくは読んでいただくとして…やっぱり一番印象的なのはこの写真!



 何か…飲んでるね?
 この二人の、こういうショットは意外に少ない。まぁ…比較対象にするミックとキースがベタベタし過ぎなんだけど。まぁいいや。35,36歳のトムさんとマイク。可愛い。

 インタビューでは、当初、新譜はダブル・アルバムになるほどの曲数があったとのこと。
 ディラン様との共作である "Got My Mind Made Up" にも言及している。
 マイクが「リビアの下りは、ボブが書いたんだ」というと、すかさずトムさんが
 「リビアは俺が書いたんだよ。」
 「そうだったの?」
 うふふふ。

 インタビュアーが「ボブ・ディランだって、あなただって、不出来な曲を作るころもあるだろう」と水を向けると、マイクがすかさず「ぼくはまずい曲なんて書いたことないね!」とひとこと。
 トムさんがこう続ける。「まぁ、誰になって不出来なことはあるものさ。ルートヴィッヒ・ヴァンにだって調子っぱずれな曲だってあるし、レノンだってしかりだ。」
 ここでちょっと考えてしまった。レノンはもちろん、ジョン・レノン。「ルートヴィッヒ・ヴァン」にはすぐ思い当たる人がいるが、まさかそうではあるまいと思って、検索したのだが…どうやら本当にベートーヴェンのことらしい。このベートーヴェンのことを、「ルートヴィッヒ・ヴァン」というのは、アメリカではポピュラーなのだろうか?

 インタビューの最後の方では、ボブ・ディランからの影響について質問されている。
 曰く、「ディランの slash-and-burn 的なアプローチ ― 『やれ、やってみよう』という手法は、影響していますか?」
 この "slash-and-burn" というのは「焼き畑農業」の事で、「あとは野となれ山となれ」という意味合いもあるらしい。ここでは、ディランの唐突な思いつき,もしくは気まぐれを、いきなり形にしてみる音楽手法のことを表現している。

 それにトムさんが答えている。
 「判断を下すには早すぎるな。1年もすればわかると思うよ。ボブと1年一緒に回る予定だからね。ぼくはむしろ、彼がぼくらに影響するよりも、ぼくらが彼に影響を与えていると思うな。たとえ思いつきでも、やってみたら上手く行くのだから。本当にすごいバンドなんだ。ずっと良くなり続けている。(以下略)」
 トムさんがハートブレイカーズのすごさを熱く語ると、マイクがつけたす。
   「ボブのために弁護すると、それ(ハートブレイカーズのすごさ)も、ぼくらがボブから学んだ結果だよ。」

 基本的に、トムさんが長々と語り、マイクが一言付け加える感じ。
 最近は二人とも単独インタビューばかりで、こういう二人同席のインタビューが見られない。マイクが一人でたくさん語ってくれるのも面白いが、最高のパートナーである今のふたりが同席して、コメントするのも見てみたいものだ。

Texas Twister2015/07/16 21:54

 台風といえば、リトル・フィートに台風の曲があったような気がする。
 アメリカだから、台風ということはなくて、ハリケーンだっただろうか。トルネードだったかも知れない。
 色々間違えていて、正解は "twister"「つむじ風」。

 私は特にリトル・フィートに詳しいわけではないので、確認した。"Texas Twister" は、ローウェル・ジョージが亡くなり、いったん活動を休止したリトル・フィートが、80年代に活動を再開して発表した二枚目のアルバム,[Representing the Mambo] に収録されているとのこと。
 「とのこと」というのは、私がオリジナル・アルバムを持っていないから。ベスト版に入っていたのを聴いて気に入ったのだ。
  そのベスト・アルバムには訳詞があって、"twister" を「テキサス・ツイスター,あらくれ女」としている。

 制作されたミュージック・ビデオは有名で、MTVでよく流れていたそうだ。私は初見。けっこうダサい。トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのファンに言われたくはないか…



 かなり凝った、作り込みの曲だと思うのだが、疾走感とギター・リフのダイレクトな響き、ピアノのエッジの利いたサウンドが、荒っぽさを感じさせる。もっとも、このピアノの音が、アコースティックかどうかは分からないが。何と言っても、曲の格好良さが全てだろう。

 1991年だというライブ映像もあがっている。



 面白いことに日本後の字幕がついている。場所はアメリカだと思われるが、何かのフェスティバルが日本版のビデオになったのだろうか?
 ともあれ、スタジオ録音の再現性の高い、格好良い演奏だ。

Tom Petty on New Mudcrutch LP and Why He's Done With Solo Albums2015/07/19 20:25

 ローリング・ストーン誌に、またトム・ペティのインタビュー記事が載っていた。

Tom Petty on New Mudcrutch LP and Why He's Done With Solo Albums

 今回は久しぶりに全訳したので、Cool Dry Prace にアップした。私のアヤシゲな翻訳で良ければ、こちらから直接どうぞ。

 まずはマッドクラッチから。レコーディングはかなり具体的な話のようで、ツアーもやりそう。
 マッドクラッチはもちろん好きなのだが ― 個人的には、ちょっとランドル・マーシュのドラムが不満だった。今回、彼のドラムがもっと向上していたら嬉しいのだが。

 フォンダや、ビーコンの規模の会場で演奏することについても、スペースを割いている。オールマン・ブラザーズの下りがちょっと分からなかったのだが…ABBがライブ活動を休止したから、ビーコンをもっと使えるようになった…ということで良いのだろうか?
 私は前回のシアター規模のツアーの時は見に行かなかったので、次回は見てみたい。もっとも、椅子は欲しいのだが…普通のスタンディングはちょっと無理…。

 "Carol" でキーが二手に分かれてしまった話も面白い。「リハ完璧なブロードウェイ舞台作品とはちがって良い」とは言っているが…。私はどちらかというと練習を信じる人なので、リハは完璧な方が良いと思っている。それでもハプニングはあるわけで、長いステージ生活だと、そういうハプニングも面白いだろう。
 それにしても、チャック・ベリーの曲の場合、イントロが同じなので、キーがごっちゃになる可能性は高いだろう。要注意だ。
 レクサス・アリーナだが、2012年の "Carol" が動画サイトに上がっていた。遠目でピンぼけだが、音はよく撮れているし、バンドの雰囲気も分かる。ピアノ・ソロの時に、観客と一緒に手拍子するスコット・サーストンが可愛い。



 [Wildflowers] に関しては、どうやら未発表曲だけをまとめた、もう一つのアルバムになる模様!これは凄い。普通、オリジナル・アルバムをリマスターか何かして、おまけに未発表曲がくっついてくるのだが。やはりべらぼうな「傑作の森」時代だったということだ。
 ワーナー・ブラザーズが、「これは出来が良すぎるから、独立したアルバムとして出そう」と言う話には、既視感が…デジャヴ?

 ソロ・アルバムを作る気は無いとのこと。まぁ、次にインタビューされたときは何というか分かったものではないが、改めてハートブレイカーズの良さを認識しているらしい。20歳そこそこの頃に出会った仲間とのバンドを、60歳を過ぎてもとても愛して、これからも一緒に居たいというのだから、幸せなことだ。

 大物アーチストが、名作アルバムを最初から最後までライブ演奏する趣向には否定的だったのが、笑える。実のところ、私も面白い企画かも知れないけど、実際はどうなのかと、懐疑的だったのだ。
 たとえば、ビートルズの [Sgt. Pepper's] のような特殊なアルバムなら、それなりに意味があるだろうが、やはり基本的に「ソング・ブック」であるロックのアルバムを、そのままライブにするというのは、ちょっと芸が無い。 
 ちょっと斜めから物を見て、ややシニカルなトムさん。そんなトムさんが好きだったりする。

Greatest Summer Song2015/07/22 21:24

 英語のポッド・キャストを聞いていたら、日焼けと日焼け防止の話題になった。その際、プレゼンターが、ヘタな "Here Comes The Sun" を歌い出した。
 夏で、太陽が照るから日焼けの話題なのだろうが、そこにこの曲はまったくそぐわないと思った。

 [Ultimate Classic Rock] というサイトで、"Greatest Summer Song" という企画をやっている。32の夏の曲をトーナメント形式で対決させ、読者投票でその頂点を決めるという趣向だ。

Ultemate Classic Rock - GREATEST SUMMER SONG

 その32曲の中に、なんと "Here Comes the Sun" が入っているのだ。対戦相手は、ザ・フーの "Summer Time Blues"。

 欧米人にとって、"Here Comes the Sun" は、夏の曲なのだろうか?
 歌詞からは、はあきらかに直前が冬だったことが分かる。

It's been a long cold lonely winter
I feel that ice is slowly melting




 そこに太陽が出るのだから、春の訪れを歌った曲にきまっている。それがどうして日焼けや、夏のイメージになるのだろう?
 私が日本人であることが影響しているのだろうか。春の訪れを非常に敏感にとらえ、桜の開花日を大まじめに報道し、花見に血道を上げる。そんな日本人は冬が終わったからと言って、すぐに夏のイメージを抱くことは決してないだろう。春の太陽と、夏の太陽は、全く別物だ。
 私はこの曲を、せいぜい3月くらいと思っているのだが、英国人だったら5月くらいをイメージするのだろうか?5月なら、夏の走りと言っても良いが…
 もしかして、映画 [George Harrison: Living in the Material World] の "Here Comes the Sun" のところで、こんなショットが使われたせいだろうか。



 ちょっと太陽が出たからって、俳句のひとつも作らずに、脱いじゃったこの人のせいか…

 ともあれ、"Here Comes the Sun" は夏の曲ではないので、投票はしない。
 かといって、ザ・フーの "Summertime Blues" が夏の曲かと言うと…歌詞がそうなだけのような気もするが。
 このビートルズとザ・フーという英国勢の取り合わせはイマイチ。キンクスの "Sunny Afternoon" も入っているのだが、やはりもの悲しくて「夏!」というイメージが立たない。

 アメリカ勢の方が夏っぽいラインナップになっていると思う。マイク・キャンベルも参加しているドン・ヘンリーの "The Boys of Summer" にでも一票入れるのが良いかも知れない。カリフォルニアの眩しい夏ともなれば、ビーチボーイズに分があるだろう。
 "Summer of Love" という言葉もあるくらいだから、アメリカ西海岸勢が優勢ではないだろうか。

Streets of Love2015/07/25 22:48

 キース・リチャーズが MOJO誌のインタビューに答えたところによると、ザ・ローリング・ストーンズは今年中に新譜の録音に入るとのことだ。

Keith Richards: We’ll Do A New Stones Album After My Solo LP

 「またレコーディングとツアーをするかって?すると思うよ。今年中にはスタジオ入りするだろう。
 ミックがまたレコーディングをしたがっているからね。(北米ツアーの)ミーティングのときに、やおら言うんだ。『レコーディングに戻る時が来た』って。だから言ってやった。『今日はツアーの話し合いだろう?』って。  だから今年の末には面白いことになっていると思うよ。」


 記事には、もし今年レコーディングをするとしたら、2005年の [A Bigger Bang] 以来となるとある。北米ツアーが終わって、休憩して、曲を揃えてレコーディングして…となると、クリスマスに間に合うかどうかは微妙。
 何にせよ久しぶりのアルバムになるので、とても楽しみだ。

 ちょっと驚いたのが、[A Bigger Bang] 以来、10年もアルバムを出していないと言うこと。その間にベスト版に未発表曲を入れるということはあったが。
 かといって、彼らの制作エネルギーが衰えているとはとても思えないのが、ストーンズの凄いところだ。何せ、[A Bigger Bang] の出来は素晴らしかった。ソングライティング・クオリティの高さ本当に凄い。格好良いロックをスピード感たっぷりに叩き出してくる勢いには、圧倒される。

 そんな中でも、このアルバムで私がとりわけ好きなのが、"Streets of Love"。こういう、胸がいっぱいになるような、力強いバラードも、ストーンズが得意とするところ。ただ綺麗なだけとか、自己陶酔型な軟弱なバラードではなく、飽くまでも芯の硬い、強く、でも切なくて張り裂けそうなバラード。

 公式ビデオは二種類あるのだが、これが意外と…あまり良くない。特に、ドラマ仕立てっぽい方がイマイチ。
 ただし、撮影に使われたライブハウスの名前が面白い。カナダはオタワにある Zaphod Beeblebrox という名前のナイトクラブで、これはあの「銀河ヒッチハイクガイド The Hitchhiker's Guide to the Galaxy」に登場するゼイフォード・ビーブルブロックス(双頭の全宇宙大統領…?!)から来ている。
 そこまで話題にして出さないのもどうかと思うので、そのちょっとイマイチなビデオ。



 なんだかいかにもアリガチな感じで、芸が無い。この雰囲気なら、Out of Tears の方が良く出来ている。

 むしろ、この2006年のライブ映像の方が良い。



 この時は新曲だったので、あまりアレンジを加えずに丁寧に演奏する様子が良い。特に、いちどボリュームを抑えたあと、もう一度盛り返すときのチャーリーが最高だ。

Drive My Car2015/07/28 21:57

 ジュール・ビアンキのご冥福をお祈りします。彼の魂が安らかでありますように。

 夏休み前最後のF1レース、ハンガリー・グランプリは凄いことになった。
 だれもが、今年も異次元の速さで他チームを引き離す、ハミルトンとロズベルグ,二人のメルセデス対決になるとばかり思っていたが、スタートしてみたらもの凄いことになった!
 ふだんF1を見ない人にも、このスタートはぜひとも見て欲しい。

Formula 1 2015 Round 10 Hungarian Grand Prix

 川井さん森脇さんも大興奮だったが、このアナウンサーはもっと大興奮。メルセデスの二人が悪すぎたが、それにしてもフェラーリ二人が凄かった。特に5位からスタートのキミ・ライコネンが2位をキープしたところは、本当に痺れた。
 スタートから大波乱のレースはあれやこれや、大騒ぎの末に、スタートでトップに躍り出たフェラーリのセバスチャン・ベッテル君が今期2勝目!ライコネンはマシン・トラブルでリタイヤしてしまったのが残念。ベッテルとライコネンは良いコンビだ。
 マクラーレン・ホンダの2台が入賞したのも、やはり嬉しい。

 そんなベッテル君、1ヶ月前はこんな事をつぶやいていた。



Q:予選の前はどんな音楽を聴きますか?
ベッテル:ビートルズの "Help!"。助けてくれ!メルセデス、速すぎ!


 ビートルズの霊験あらたか!?
 
 有名なビートルズ・ファンであるベッテル君、特にお気に入りの曲は "Drive My Car" とのことだが、これは自分がレーサーであることも踏まえたサービス・コメントではないだろうか。
 とは言っても、もちろん "Drive My Car" は大名曲!ビートルズ中期の最高傑作のひとつだろう。ジョンとポールのソング・ライティングと、ヴォーカルが完璧。さらに、ジョージのギターリフが最高にイカしている。
 "Drive My Casr" となれば、色々な動画があるが…これを選ぶ理由は…見れば分かるよね。