オフ会50回記念会2013/11/03 22:29

 F1はこれからアブダビGP。
 年間チャンピオンは我がベッテル君に決まり、ひと安心。おめでとう!ビートルズとモンティ・パイソンの好きな変なドイツ人ベッテル君、いつでも応援しているよ!
 あと3戦。来年のシートも狙った争いが続くことだろう。まだまだ楽しみ。
 そして、野球は大団円。本当に良かった。良かった。実は、昨夜の試合は生まれて初めて野球の録画予約をしていた。どうしても外せない用事で外出していたので。ニュースで先に結果を知り、あまりの悔しさに録画は見ずに消した。
 とにかく、本当に良かった。今年は広島の活躍も良かった。次は、次こそは、横浜に頑張って欲しい。

 昨夜の外せない、大事な用事とは、いつもお世話になっている Heartbreaker's Japan Party  ― トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのファンコミュニティの恒例公式オフ会。なんと今回50回の記念となった。
 50回!凄まじい回数である。私はかなり初期から参加しており、かけがえのない友人をたくさん作ってきた。まさに人生の宝物。これからもよろしくお願いします。

 いつもオフ会では、素敵なTP&HBの音源や映像を楽しませてもらえる。それを観賞しながら、仲間とあれやこれやと盛り上がるのは本当に楽しい。
 ところが今回のオフ会では、あまりにもたくさんの映像が上映されたため、時間の都合上最後まで流せないものもいくつか。そのたびに鑑賞者から「わぁ~!!」という悲鳴が上がる。そして次の素敵映像が始まるというわけ。

 まずは、有名なボブ・フェストの "My Back Pages"。トムさんのパートから見始めて、ディラン様のパートが終わると…ビデオチェンジ!わぁぁぁジョージ!凄い紫ジャケットのジョージ!!
 いつ見ても素敵な "My Back Pages" ボブ・フェストの公式DVD化はいつになるのだろうか。



 それから、ジョージのロックの殿堂入り。スペシャル・セッションでの "While my guitar gently weeps" ジェフ・リンに、トムさん、ダーニ、地味にスティーヴ・ウィンウッドも居る。そしてギター・ソロで登場するプリンス…のはずが、彼の出番の前に、次の映像へ!
 久しぶりにプリンスの熱演を見るべく、YouTube。



 この曲のカバーパフォーマンスは星の数ほどあるが、このプリンスのプレイはかなり個性的で格好良い。
 プリンスの熱演の合間に聞こえるトムさんのヴォーカルもなかなか味があって良い。
 そういえば、肝心のTP&HBが "While my guitar gently weeps" をプレイしているのは見たことがない。ぜひともマイクの素晴らしいソロで堪能したい。次のツアーではどうだろう。ぜひともお願いしたい。

Carnegie Hall2013/11/06 21:53

 アメリカの Live Nation Concerts から、よくライブ案内のメールが来る。ニューヨークやニュージャージーでTP&HBのライブを見た関係で来るのだが、時々面白い内容があるので配信を止めないでいる。

 最近来たのは、ニール・ヤングのコンサート案内。来年の1月、ニューヨークのカーネギー・ホールでコンサートをするそうだ。私は特に彼のファンというわけではないので行かないが、カーネギー・ホールにはいつか行ってみたいと思っている。もちろん、クラシックの演奏会で。
 この写真は、私がニューヨークに行ったとき、外観だけ撮影したもの。演奏会は駄目でも、見学ツアーもあるそうだ。



 ニューヨーク,マンハッタンの7番街57丁目にあるクラシックの殿堂カーネギー・ホール。鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが建てた。
 数々のクラシックの大物たちがここを舞台に活躍したわけだが、グールドとバーンスタインの「ソリストと指揮者、どちらがボスだ?」で有名なコンサートも、このカーネギー・ホールだったとのこと。

 Wikipedia にも載っている、有名な「カーネギー・ホール・ジョーク」というものがある。

 57番街を歩いていた人が、ルービンシュタインを呼び止めて道をたずねた。
「すみません、カーネギー・ホールへ行くにはどうすれば良いのですか?」
「練習して、練習して、さらに練習してください。」


 このジョーク、もちろん本当にピアニストのアルトゥール・ルービンシュタインが体験したこととは思いがたく、別バージョンではヴァイオリニストのヤッシャ・ハイフェッツになっているそうだ。
 英語版のWikipedia には、ヴァイオリニストのミッシャ・エルマンのエピソードがオリジナルではないかとの記事が載っている。
 曰く、エルマンがあまり満足のいかないリハーサルの後、夫人と共にカーネギー・ホールから出て行こうとしたときに、二人の旅行者が、彼がヴァイオリン・ケースを持っているのを見て、'How do you get to Carnegie Hall?' と尋ねた。するとエルマンは無愛想に「練習」とだけ答えたのだと言う。

 ニール・ヤングも舞台に立つくらいだから、最近はロックなどのポップス・ジャンルのアーチストも、カーネギー・ホールに出演する。
 ロック・アーチストが頻繁に出るようになったのは、ビートルズ以降のことだそうだ。
 1964年2月、アメリカにはじめてやってきたビートルズはエド・サリバン・ショーに出演。そして、12日に2回、カーネギー・ホールでライブを行ったと、カーネギー・ホール公式ページのヒストリーに載っている。曰く、そのときの録音が存在するという伝説がまことしやかにささやかれているそうだが、今のところ発見には至っていない。
 たとえ録音が残っていたとしても、無駄に音の良い絶叫がよく残っているのではないだろうか。

Liszt / Consolation No.3 & Piano Concerto No.12013/11/10 20:01

 前の記事でカーネギー・ホールについて書いたとき、アルトゥール・ルービンシュタイン(ポーランド出身 1887-1982)が登場した。
 それで、数週間前に彼のリスト・アルバムを買ったことを思い出した。買っただけで封も切っていなかった。



 そもそも、特にリストが好きでも何でもない私が、どうしてこのアルバムを買ったのかというと、自分が "Consolation"(慰め)の3番を弾くことになったからだ。
 私はリストにまったく向いていないが ― どの作曲家にも向いてはいないが、とりわけリストは苦手なのだが、とにかくたまにはロマン派を弾こうということになり、最近弾いたロマン派というと、ショパン、シューマン、ブラームス…それでリストに回って来たというわけ。
 リスト特有の超絶技巧はまっぴらご免なので、技術的には比較的簡単な "Consolation" を選んだ。メロディの美しい名曲で、よくプロのピアニストたちもアンコールなどで披露する。

 ルービンシュタインの演奏はこちら。かなりテンポのある、やや硬めの演奏。メロディが甘いので、演奏自体はさっぱりとした味付けといったところか。



 自分の演奏の参考にするためにCDを買うに当たって、ルービンシュタインに特別な思い入れがあったわけではない。ただこの2枚組アルバムは、ピアノコンチェルトに、ピアノ・ソナタをはじめ、メフィスト・ワルツやハンガリー狂詩曲など、いろいろ入っていてお買い得だったから。それだけの理由。
 あと、ジャケットの葉巻を持ったルービンシュタインが格好良かったからかな。

 ピアノ・コンチェルト1番は、いつぞや、誰かがフィギュアスケートで滑っていた人がいた。
 冒頭のテーマからして派手で格好良い。リストはまだ十代の頃にこの曲に着手したと言われ、24歳の時にとりあえず一度は完成した。しかしその後も改訂を繰り返し、最終的に初演を迎えたのは彼が45歳の時だった。
 ピアノの魔術師であり、オーケストラの曲でも大曲を残しているリストのこと、ピアノ協奏曲という形には思い入れも強かっただろう。
 ルービンシュタインの演奏は堂々たる風格に満ちているが、ここでは動画で紹介したいので、マルタ・アルゲリッチ。まだお若い。
 いかにも彼女らしく、ドッカンドッカン!ダイナミックに、迫力満点の演奏。リストなんだから、これくら派手じゃないとね。
 この曲が別名「トライアングル協奏曲」と呼ばれる所以である、第3楽章は、9分44秒から。トライアングル大活躍。

Bob Dylan to make return to the RAH2013/11/12 22:52

 いつかは、あんなことをしてみたい、こんなことをしてみたい、ということは多かれ少なかれ誰にでもあるものだ。大袈裟だが、いわゆる「夢」というやつだ。
 私の「夢」のひとつは、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、ボブ・ディラン、ザ・ローリング・ストーンズのライブを見ること。
 TP&HBを見ることは、去年叶った。本当に素晴らしかった。
 ストーンズは、そもそもロイヤル・アルバート・ホールでライブをすると言うこと自体が、難しそう。たとえ実現しても、私ごときがチケット争奪戦に勝てるとは思えない。限りなく不可能に近い夢だろう。

 そして、ボブ・ディラン。

 ネバー・エンディング・ツアーを継続し、世界中でライブをするディラン様が、ロンドンでライブをしてもおかしくはないな…などと、ぼんやりと考えていた6月。何の気なしに ― 本当に何の気なしに、ディランの公式HPを覗いたのが6月15日。 ― ディランのヨーロッパ・ツアーのチケット発売開始から1日半後だった。
 ロンドンの公演は、11月26,27,28日ロイヤル・アルバート・ホール!
 ええええ、どうしよう!?
Bob Dylan to make long-awaited return to the Hall




 「どうしよう」が血液になって頭に上り、グルグルグルグル駆け巡った後、ええい、行くしかない!決心して "Buy Ticket" をクリックするまで数十秒。

 ここからが大変だった。ディランの公式ページから入るチケットサイトは、お馴染みのTicketmaster ではなく、"Music Glue" というサイト。まず使い勝手が分からない。そもそも、会員登録が必要で、そこで一苦労。
 いよいよチケットを取ろうとすると、どうやら通貨が選べるらしい。日本円にしたは良いが、日にちをクリックしても待ち時間が変に長かったり、Sold out が出たり、もう一回挑戦すると席が取れたり。ひとしきり冷や汗を大量にかきながらやっと会計となた。しかし、65ポンドだから日本円で10000円強、二日間とったので20000円強なのだが、どういう訳だが20000以上に通貨単位ポンドがついて表示される!
 そんな馬鹿な、日本円だってば。案の定、「20000ポンドなんてあんたのカードじゃ買えないよ♪」などと拒否してくる。あたりまえだ!どうすりゃ良いのだと、ここで七転八倒すること数十分。
 仕方がないので、一度つかんだつかんだチケットを手放し、再度ポンド設定でトライ。へとへとになってやっと27日と、28日のチケットを掴んだのだった。
 チケット発売開始から1日半も経っており、良い席はもちろん取れない。27日がストール席の後ろ。28日はサークル席の前。去年のTP&HBと比べると泣きたくなるが、取れただけでも良しとするか。

 その後もアタフタは続く。Ticketmaster ではお馴染みの、"Will Call" の選択肢がないのだ。"Will Call" とは、海外在住などの人向けのサービスで、予約したチケットを、ライブ当日に窓口で受け取る形式。
 しかし、Music Glueにはチケットの郵送しかない。ライブ1週間前までに自宅に送付すると言うので、「自分は日本に住んでいるので、ライブの3日前には日本を立つから、かならず早めに送付してください」とメールした。帰ってきた答えは、「海外への送付は自信がないから、RAHの窓口に送るか、ホテルに送るか、選んで下さい」というもの。
 ええええ、まじですか?!ホテルに送るなんて、考えられない。RAHに送るようにお願いしたのだが、大丈夫だろうか?ライブ10日前ほどにもう一度メールして、確かめねば。

 去年は6月に訪れたロンドン。今回は日が短く、極寒の11月。私は異常に寒さに弱い。
 去年はドラマの撮影場所巡りにいそしんだロンドンだったが、今回は歴史関連に集中する予定。そう、去年レスター(ロンドンから鉄道で1時間ほどの町)で遺骨が発掘されたリチャード三世を廻る旅に出なければならない!
 そもそも、レスターに行けるのか!?リチャードの骨はどこにある?!墓は?!ミュージアムは?!そしてリチャードが戦死したボズワース・バトルフィールドはレスターから20キロほど離れた、野っ原だ!でもボズワースに行かずにリチャードを追いかけたことにはならない!

 極寒の(そう決め込んでいる)ロンドンは今月末から。今は準備にいそしんでいる。さぁどうなることやら。
 ところで、ディラン様って寒がりだけど(よく、南極越冬隊のような格好をしている)、大丈夫なのだろうか…?

Food2013/11/15 21:38

 ディラン様ラジオこと、[Theme Time Radio Hour]。今回のテーマは、"Food" 「食べ物」。

 一番驚いたのは、ザ・ローリング・ストーンズによるシリアルのCMソングだ。



 わー!なんだこれ?!異常に格好良い…けど、ケロッグのライス・クリスピー!要するにお米のシリアル食品。1963年のCMとのこと。ストーンズがレコード・デビューした年だ。
 たしかに、どこからどう聴いてもストーンズ!ギターリフも、ハープも格好良い。しかし、ストーンズと朝からシリアルを食べる爽やか生活とは、どうしても合致しない!
 ディラン様曰く、「電気代、稼がないとね。」…要するに売れてない頃のストーンズは、生活のためにもこういう仕事をしたということらしい。それにしても、格好良すぎて、YouTubeにだけにとどめるのはもったいない。復活させて、3分の曲にして、次のアルバムにでも入れたらどうだろう?もちろん、最初から最後までライス・クリスピーを食べまくる歌詞で。

 食べる人と言えば、ジョージ。
 ジョージの食いしん坊ぶりは何度か記事にしたが、今回思い出したのは、このエピソード。



 映画 [A Hard Day's Night] のレセプションに、マーガレット王女がやってきた時の話。
 プロデューサーのウォルター・シェンソンが、王女と長々と話している間は、みんな食事ができない。お腹がすいたジョージがやってきて、「お腹すいた、いつになったら食べられる?」と尋ねるので、シェンソンは答えた。「王女が退出してから。」…そして、また王女と話し込むシェンソン。
 するとジョージがやってきて、「王女様、ウォルターが言うには、あなたが退出しないとぼくらは食べられないそうです。腹ぺこなのですが。」

 「死にたくなった…」

 シェンソンの一言が笑える。
 それでも、そんな正直なジョージ君のおかげで王女は退出し、みんな食事にありついたとさ。
 こういうときは、本音こそもっとも伝わりやすく、状況を劇的に解決する。21歳ジョージ・ハリスン君だから許される可愛いエピソードで大好き。

1966 The "Royal Albert Hall" Concert2013/11/18 22:32

 ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで今月末、ボブ・ディランのライブを見る。
 ディランがロイヤル・アルバート・ホールでライブを行うのは、1966年5月のワールドツアー最終日以来だそうだ。

 ボブ・ディラン、1966年、ロイヤル・アルバート・ホールと言えば、これ。



 ディスク1、前半はディランが一人でアコースティックギターとハープを使って歌うセクション。ピンと張り詰めた空気の中、情熱的に歌う。どこか、神聖な雰囲気さえ漂う。
 特にメロディの末尾の言葉の強さ、響きのアクセントが印象的だ。

 そして、後半はのちにザ・バンドとなるバックバンドとともに、エレクトリック・セクションとなる。騒々しくて、熱に浮かされたような凄まじい演奏だ。
 一曲目の "Tell Me Mamma" で鳴り響くオルガン、喚き回るディラン、まさにロックな格好良いディランがもの凄い迫力で迫ってくる。やはり私はロック好きなので、この後半部分にグッと来る。
 そして歴史上有名な場面。当時、フォークのプリンスと目されていたディランが、エレキでロックしたことに一部批判の声が上がったのだが、この時の演奏の合間にもヤジが飛び、あの有名な "Judas!" という声が響く。
 ディランは "I don't believe you. You're a liar." と言い返し、猛烈な "Like a Rolling Stone" が始まるのだ。まさに、歴史に残る名演。私もこの "Like a Rolling Stone" を聴くたびに背筋がしびれるような感動を覚える。

 ロイヤル・アルバート・ホールの伝説的なライブ。それから47年後、ディランが帰ってくる ― と、私も思っていた。ブートレグ・シリーズ Vol.4 は、ロイヤル・アルバート・ホールでの演奏だと素直に信じていた。
 しかし、事実は違うのである。
 ブートレグ・シリーズ Vol.4 [Live 1966, The "Royal Albert Hall" Concert] が録音されたのは、ロイヤル・アルバート・ホールではなく、1966年5月17日マンチェスターのフリー・トレード・ホールなのだ。
 この事実を知ったのは、つい数日前。びっくり仰天。全く知らなかった。
 私が迂闊だっただけで、アルバムのブックレットにはちゃんとマンチェスターで録音されたことがクレジットされているし、解説でもマンチェスターの音が一番良かったので、公式ブートレグ(?)になったと述べられている。…ちっとも読んでいなかった。

 どうやら、長い間この音源がロイヤル・アルバート・ホールのものだとして海賊版が出まわっていたため、公式アルバムにしたときもそのタイトルを踏襲したらしい。凄まじいことだが、それほど、ロイヤル・アルバート・ホールの名と当時のやりとり、演奏が一緒になって伝説化していたということだろう。
 言われてみればタイトルは、

 The "Royal Albert Hall" Concert

 と、なっている。つまり、「ロイヤル・アルバート・ホールとされているコンサート」という意味合いを含んだタイトルだったのだ。

 そういえば、映画 [No Direction Home] を見た時、例の "Judas!", "I don't believe you." のやりとりのシーンで、ステージの様子がなんとなくロイヤル・アルバート・ホールには見えないと感じたのだ。しかし、ステージ設定や、ライティングなどで違うように感じるだけで、ロイヤル・アルバート・ホールなのだと思い込んでしまった。直感は軽んじるべきではない。
 もう一度映画を見てみると、確かに最後のライブのシーンにはロイヤル・アルバート・ホールという表示はない。いやはや。

 ロイヤル・アルバート・ホール公式ページでも、あの有名なやりとりがあったように書かれているし、今でも多くの人がそう信じているだろう。
 私にしても、未だにあれはロイヤル・アルバート・ホールだったのだと、どこかで思っている。時のたった伝説は、正確さよりも、その伝説にふさわしい舞台設定が優先されるのだろう。
 公式アルバムとしてブートレグ・シリーズ Vol.4 を世に送り出すにあたり、タイトルを [Royal Albert Hall] にしたのは、絶妙な判断だったのではないだろうか。

Paul McCartney @ 東京ドーム2013/11/21 23:05

 11月19日火曜日、東京ドームでポール・マッカートニーのライブを見た。ポールを見るのは、今回が初めて。
 お前、ポールに行くのかとツッコミを受けそうだが、私だってビートルズ・ファンだ。ビートルズのポールは天才だと思うし、最高のミュージシャンで大好き。ただ、彼のソロ・ワークスに興味がないだけ。

 2時間40分、休憩なしに最初から最後までパフォーマンスするタフさは、凄い。彼の音楽の場合、長いギターソロなどはほとんどないので、ほぼ歌い通しなのだ。高音は相変わらずだし、シャウトもお手のもの。さすがは天性のシンガー。
 曲目は半分以上がビートルズの曲なので、楽しく一緒に歌えた。ただ、ポールのソロの曲は半分程度しか知らず、新譜に至ってはもちろん持っていない(ポールのソロは1枚も持っていない)ので、全く分からず、悪いことをした。
 個人的には、"I saw her standing there" が一番良かったかな。それから、その日の朝、インターFMでピーター・バラカンさんが流したという、"Blackbird"。
 そして、やはり "Something" のカバーはぐっとくる。名曲だ。CFGと同じく、最初はウクレレで始まり、途中からバンドワークスになって大盛り上がりとなった。会場も最初はCFGのように手拍子が響き、ほのぼのとした雰囲気。ジョンに捧げたという「上がって下がる」曲より、だんぜん "Something" の方が良いと思うのは、もちろん私がジョージのファンだから。
 とにかく、最初から最後まで楽しかった。感動したというよりは、楽しかった。東京ドームなんて巨大会場で16500円も取るのだから、楽しくなかったら許さない。

 東京ドーム。でかい。
 とにかくでかい。
 アリーナ席だったのだが、ポールなんて米粒くらいにしか見えない。第一、前が見えない。東京ドームに行くのが非常に久しぶり。去年はロイヤル・アルバート・ホール、今年のリンゴはZeppと、小さめの会場が続いていたので、ドームの大きさには辟易してしまった。
 良い事と言えば、ドームを見た翌週に見るロイヤル・アルバート・ホールが、悪い席でも良く思えるだろうと言うこと。

 客層は、なんだか不思議な感じだった。いつも行くロック・コンサートのどの客層とも違う感じで、なんとも…言えない。表現するのは難しいが、「音楽大好き!ロック大好き!」という、コンサート慣れした雰囲気のあまりしない人がたくさん居たように感じた。
 「一緒に歌って、一斉に大盛り上がり」する割合も、たとえばリンゴの客層に占める割合に比べると半分程度に感じた。普段、ロックのコンサートに行かない人でも、ポールは見たいと思ったのだろうか。そう思うと、ポールはやはり凄い。

 そして…初めてのことだったので衝撃だったのだが…その…会場にたちこめる…
 華麗なる加齢臭…
 分かっていますよ、そういうことは言うもんじゃありません。失礼ですよね。仕方のないことだから。
 しかし!リンゴや、ディランや、ストーンズや、ハートブレイカーズでは一度も感じたことのない、華麗なる加齢臭が…!私の場所が悪かったのか?それほど?しかし、移動しても華麗なる…(以下略)…ううむ…よく分からない。

 最後に、ちょっと笑ってしまったこと。
 コンサート会場では、開演前に音楽が流れている。ストーンズの時はボ・ディドリーが流れていたし、TP&HBの時はジョージがだったりして嬉しかった。レイザーライトの時は TP&HBの"American Girl" が大音響で流れた後に当人達が登場して大興奮したものだ。
 さて、ポールのコンサート会場ではどんな音楽が流れるのか?

 ポールだった。

 私がドームに入ったときは、ポールの曲のカバーが流れていたのだが、そのうちポール自身の声、ポール自身の曲のコラージュ作品のようなものが流れ始めた。
 これは初めての体験。
 「まぁ、俺の前に、俺でも聴いて待っていてくれよ」…ということか。なるほどね。私の中のポール像と合致していて、それはそれで良かった。

ディランとリチャードに会いに2013/11/24 19:57

 ** お知らせ **
  11月25日から12月1日までロンドンへ行くため、ブログのアップやコメントのお返事、メンテナンスなどができません。
  帰国までお待ち下さい。


 いよいよ明日、ロンドンへ発つ。
 ロンドンの最低気温、3度、最高気温6度。…氷点下にならないだけでもましだが、東京では1年に1度あるかないかといほどの寒さ。雨が降らないと良いのだが、そうもいかないだろう。
 とにかく私は超弩級の寒がり。できる限りの防寒対策をするが、なんだか身動きができないような気がしてきた。

 一方、ボブ・ディラン。チケットはロイヤル・アルバート・ホールでのピックアップになるので、チケット販売会社にもう一度メールして手配を確認。どうやら大丈夫そうだ。
 当初、"Special Guest" なる前座があるということだったが、結局これは無いとのこと。19時30分開演予定。



 何せ場所が場所なだけに、何か大サービスな曲をやってくれるのだろうか。いや、そこはディランなのでそうは行かないのか。どちらでも私は構わない。
 私が見るのは27日と28日。28日が今回の欧州ツアーの最終日。翌日がジョージの命日,11月29日だから、何かジョージとの想い出の曲をやってくれるだろうか。2002年の [Concert for George] の時は自分のツアーのために参加できないけれど、代わりにということでマジソン・スクウェア・ガーデンで "Something" を歌ってくれたディラン様。 "If Not For You" でも良いし、最近のブートレグシリーズに収録されていた、"Time Passes Slowly" でも良い。
 そもそも、CFGそのものがRAHでの開催だったのだ。その点も感慨深い。

 ところで、ディラン様。これ、なんですか?よく分からないけどすごく面白い!チャンネルを上下にかえても、かえても "Like a Rolling Stone" !

Bob Dylan's 'Like A Rolling Stone' Released As Groundbreaking Interactive Video

 今回のロンドン行きでボブ・ディランともうひとつ重要なのは、リチャード3世をめぐる旅に出ること。
 リチャード3世は中世末期、プランタジニット王家最後の国王。議論の的であり、悪人だったとか、そうではないとか、甥を殺したとか、殺していないとか、とにかく色々な説が取り沙汰され、リチャードを擁護する人のこと、リカーディアンと言う。
 私もそのリカーディアンの一人。彼が甥を殺したかどうかはともかくとして(私はFifty Fifty だと思っている)、非常に優秀な人だったということで、歴史上の人物として好きなのだ。

 去年、レスターで彼の骨が発掘され、DNA鑑定の結果も合致した。ロンドンから電車で1時間強、レスターで彼が発見された駐車場や、埋葬されるであろう大聖堂などを見る。さらに、リチャードが戦死したボズワース・バトルフィールドにも行く予定。
 この古戦場というのが、レスターから20キロほど離れた野っ原。ヘリテージ・センターがちゃんとあるのだが、公共交通機関がなく、車で行くことを前提としている。そのようなわけで、今回は勇気を奮い起こしてタクシーを利用する。
 今回は心強い同行者が居る。この人はもともとリカーディアンとして知り合ったのだが、なんとボブ・ディランのファンということも共通していたという奇縁で知り合うことになったのだ。

 ディランとリチャードのほかにも、あそこにも行きたい、あれもも見たい。あっという間の5日間だろう。